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「お貸しいただけますか」の意味と使い方、敬語を例文つきで解説

「貸す」の意味は、自分の物を(時間を限って)他人に使わせるという意味です。「お貸しいただけますか」で、貸し手もらえるかという意味の敬語表現になります。「お貸しいただけますか」は、何かを借りたいときなどに口頭や電話で使うことが多いです。

「お貸しいただけますか」とは

意味は「貸してもらえるか」

「お貸しいただけますか」は「おかしいただけますか」と読みます。 「お貸しいただけますか」の意味は「貸してもらえるか」です。 「お貸し」には「自分の物を(時間を限って)他人に使わせる」という意味があります。 「いいただけますか」は、「もらえるか」という意味です。

敬語は尊敬語+謙譲語+丁寧語

「お貸しいただけますか」は、品詞分解すると「お」+「貸す」+「いただく」+「ます」+「か」となります。 「貸す」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。

接頭辞「お(ご)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「お」は、丁寧語

この場合の接頭辞「お」は、相手が貸すことに対してつけているので尊敬語になります。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「お(ご)〜いただく」で一つの謙譲語として解釈する場合もあります。 「ます」は丁寧語です。 「か」は、疑問の終助詞です。 よって「お貸しいただけますか」は、尊敬語+謙譲語+丁寧語の正しい敬語表現です。

「お貸しいただけますか」の使い方と例文

備品などを借りたいときに使う

「お貸しいただけますか」は、何かを貸してほしいと依頼するときに電話や口頭で使います。 例えば、会議で使用する備品を借りたいときなどです。 また、「お力をお貸しいただけますか」などと、協力を仰ぐときに使うこともできます。 依頼をするときは、

  • お忙しいところ恐縮ですが
  • お手数をおかけしますが
  • ご迷惑をおかけしますが

などのクッション言葉と併せて使うとより丁寧になります。 クッション言葉とは相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。ビジネスシーンでは様々な状況で使われます。 クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 口頭や電話だけではなくビジネスメールで使うこともできますが、文章で使うときは「お貸しくださいますようお願いいたします」など、より丁寧な敬語表現にして使われることが多いです。 ビジネスメールで使うこともできますが、メールなど文章で使うときは「お貸しいただきますようお願いいたします」など、より丁寧な敬語表現に言い換えられることが多いです。

例文

「お貸しいただけますか」の例文

  • 会議で使用したいので、プロジェクターをお貸しいただけますか。
  • 参考資料として製品資料をお貸しいただけますか。
  • イベントを成功させるため、皆様のお力をお貸しいただけますか。

類似表現との違い

お貸しいただけますでしょうか

「お貸しいただけますでしょうか」は、品詞分解すると「お」+「貸す」+「いただく」+「ます」+「でしょう」+「か」となります。 「貸す」についている接頭辞「お」は尊敬語です。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「でしょう」は推量の「だろう」の丁寧語です。 「か」は疑問の終助詞です。 「お貸しいただけますか」に、推量の「だろう」の丁寧語「でしょう」をつけることで、より謙虚で丁寧な依頼表現になります。 「お貸しいただけますでしょうか」を二重敬語だと思う人も多いですが、正しい敬語表現です。 二重敬語とは、一つの言葉に対して同じ種類の敬語を使ってしまう事をいいます。 例えば、「14時にお伺いします」は、「行く」謙譲語「伺う」にさらに、謙譲語の接頭辞「お」をつけているので二重敬語です。 「お貸しいただけますでしょうか」に使われている「ます」と「でしょう」は、どちらも丁寧語ですが、「ます」は「いただく」を丁寧にするために使われていて、「でしょう」は「だろう」を丁寧にするために使われています。 よってこの場合は、かかっている語が違うため二重敬語にはなりません。

「お貸しいただきますか」は間違い

「お貸しいただきますか」は、間違いです。 「お貸しいただきますか」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」の連用形「いただけ」と、丁寧語「ます」、疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 丁寧語「ます」に接続するときは、連用形になる決まりがあるので、「いただきますか」でも文法上は問題ありません。 しかし、「お貸ししいただきますか」では、「貸してもらうだろうか」という意味になるので仮定のニュアンスがなくなって一方的になってしまいますし、不自然な日本語です。

「お貸しくださいますか」との違いは?

「お貸しいただけますか」の似た敬語表現には「お貸しくださいますか」もあります。 「いただけますか」は、上述したように「もらえるか」という意味で、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と、疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「くださいますか」は、「くれるか」という意味で、「くれ」の尊敬語「ください」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 まず「いただけますか」は謙譲語であり、「くださいますか」は尊敬語であるという違いがありますが、謙譲語と尊敬語に敬意の度合いの違いはありません。 自分の動作に対してなら謙譲語を、相手の動作に対してなら尊敬語を使います。 また、「いただけますか」は「もらえるか」、「くださいますか」は「くれるか」という意味の違いもありますが、これもどちらが丁寧ということはありません。 しかし、「くださいますか」が「くれ」の尊敬語を使用した命令形であるため「いただけますか」の方が丁寧な響きがあります。 ちなみに、こちらも「お貸しくださいますでしょうか」とすることもできます。

「お貸しいただけますか」の敬語の言い換え

お貸しください

「お貸しください」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「お貸しくださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

お貸し願います

「お貸し願います」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お貸し願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

お貸しくださいますようお願い申し上げます

「お貸しくださいますようお願い申し上げます」は、「貸してくれるようお願いする」という意味です。 「お貸しくださいますよう」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「お貸しくださいますよう〜」は「お貸しいただきますよう」と言い換えることもできます。 「お貸しいただきますよう」は、「貸してもらうよう」という意味です。 「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。

お貸しいただきたく存じます

「お貸しいただきたく存じます」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と思うの丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お貸しいただきたく存じます」で、「貸してもらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「お貸しいただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。

お貸しいただければ幸いです

「お貸しいただければ幸いです」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて「もらう」の謙譲語「いただく」と、仮定を表す接続助詞「れば」、「幸い」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれば自分にとって嬉しいことだという気持ちを表します。 「お貸しいただければ幸いです」で、「貸してもらえれば嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。 「お貸しいただければ幸いです」と似た敬語表現には「お貸しいただけると幸甚です」があります。 「お貸しいただけると幸甚です」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と、接続詞「と」、「幸甚」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸甚です」は「幸いです」のよりかしこまった表現で、「ありがたく思う」「非常に嬉しい」という意味があります。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」という敬語表現もあります。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」は、「貸してもらえると非常に嬉しく思います」という意味です。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」の「お貸しいただけますと」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」をつけて、「幸甚」に「思う」の丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけています。

「お貸し」のビジネスメール

社内で物品や備品などを貸してほしい

【件名】 備品拝借のお願い 【本文】 大川事務長 お疲れ様です。営業部の青木です。 標題の件、12月12日(水)に行われます会議にて使用するため、お貸しいただきますようお願いいたします。 貸出物品名:テレビモニタ 1つ 有線マイク:1つ 借用者の所属・氏名:営業部 青木俊 貸出期間:平成31年12月12日(水) 13時〜15時 上記の通り申請いたします。 許可のほどよろしくお願い申し上げます。 青木

サンプルを貸してほしい

【件名】 サンプル品貸出のお願い 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 大橋様 先日は展示会にて新しい機材についてご丁寧に説明いただきありがとうございます。 早速ですが、新しい機材○○のことを上司に説明しましたところ、実際に見て確認したいと申しております。 先日のご説明で、サンプル品の貸し出しが可能とのことでしたので、可能なときに○○をお貸しいただければ幸いです。 こちらから受け取りに伺いますので、貸出可能な日程をご連絡いただきたく存じます。 ご多忙の中恐縮ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 長谷川

協力を仰ぐ

【件名】 新商品開発について 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。 商品開発部の麗日です。 商品開発部では現在、12月発売予定の新製品を開発中でございます。 しかし、ありきたりな商品ばかりで新鮮味が足りないのではないかという声が上がっております。 つきましては、お客様の声を身近で聞いている営業部の皆様にご意見をちょうだいしたく存じます。 日頃耳にするお客様の声や「こんな商品があったら良いのでは」という意見があれば、ぜひお聞かせいただきたく存じます。 お忙しいところ恐れ入りますが、お力をお貸しいただけないでしょうか。 よろしくお願い申し上げます。 麗日

「お貸し」の類語と対義語

類語は「貸し出し」「貸与」

「貸し出し」は「かしだし」と読みます。 「貸し出し」の意味は「金銭、本などの品物、その他を貸すこと」です。 例えば、依頼をするときに「貸し出し可能でしょうか」などと使うことができます。 「貸与」は「たいよ」と読みます。 「貸与」の意味は「貸し与えること」という意味です。 「備品を貸与する」などと使うことができます。

対義語は「お借り」「拝借」

「お借り」は「おかり」と読みます。 「お借り」の意味は「あとで返す約束で、他人のものを一時的に自分のものとして借用する」です。 「○○をお借りしたいです」などと使います。 「拝借」は「はいしゃく」と読みます。 「拝借」の意味は「借りること」の謙譲語です。 例えば「備品を拝借します」などと使います。

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