「お答えいたします（おこたえいたします）」は、答えるといいう意味です。ビジネスシーンで相手からの質問に答えるときなどに、電話や口頭だけではなくビジネスメールでも使うことができます。
「お答えいたします」は「おこたえいたします」と読みます。 「お答えいたします」の意味は「答える」です。 「お答え」には「相手の質問などに対して、言葉を返す」という意味があります。 「いたします」の意味は「する」です。
「答え」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。
接頭辞「お（ご）」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合は、自分の動作に対する敬語なので、謙譲語になります。 接頭辞「お」を尊敬語とするのは間違いです。自分に対して尊敬語を使用することはできません。 「いたす」は「する」を意味する補助動詞の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱとも言われ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく、聞き手・読み手に対する敬意を示す敬語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お答えいたします」と書くのが正しいです。 「ます」は丁寧語です。 したがって「お答えいたします」は、謙譲語＋丁重語＋丁寧語の正しい敬語です。
「お答えいたします」は、ビジネスシーンで相手からの問い合せなどに答えるときに使います。 例えば、製品について教えてほしいなどの問い合わせがあったときに「10月5日までに担当者に確認し、お答えいたします」などと使います。 口語や電話だけではなく、ビジネスメールでも使うことが可能です。
【件名】 製品に関するお問い合わせのご回答 【本文】 麗日環奈様 株式会社△△△の鷲尾円香と申します。 この度は、弊社製品に関してお問い合わせいただきありがとうございます。 ご質問いただきました件についてお答えいたします。 1.発売日 10月16日（土）10：00〜 2.販売店舗 コンビニエンスストア・書店 3.予約 不可 以上です。 その他、ご不明点があればお気軽にお問い合わせくださいませ。 よろしくお願い申し上げます。 鷲尾
【件名】 お問い合わせに関するご回答 【本文】 あいうえお株式会社 総務部 上田隆様 いつもお世話になっております。 株式会社かきくけこの切島瑛汰です。 この度は、お問い合わせいただき誠にありがとうございます。 お問わせいただいた件ですが、現在担当者が不在のためすぐにお答えすることができません。 担当者が戻り次第お答えいたします。 大変申し訳ないのですが、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。 切島
【件名】 「□□□」の在庫について 【本文】 株式会社AAA 営業部 飯田様 平素よりお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。 株式会社BBB商品部の轟です。 この度お問い合わせいただきました「□□□」の在庫数についてお答えいたします。 現在、「□□□」は生産が間に合っておらず在庫がございません。 11月中旬に入荷予定ですので、詳細が決定いたしましたらご連絡いたします。 大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 轟
「お答えいたします」と似た敬語表現に、「答えさせていただきます」があります。 「答えさせていただきます」は、「答え」に「させてもらう」の謙譲語「させていただく」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただく」は「もらう」という意味で、自分が何らかの利益を得ることを表します。 「させていただく」の「させる」は許容を表します。 「させていただく」を使用するには、
の2つの条件が必要です。 「答えさせていただきます」の場合は、直接的に許可を得ているわけではないので、やや大袈裟な表現といえますが謙虚な表現として使われることが多いです。 しかし、クドい印象があるのでシンプルに「お答えいたします」を使う人が多いです。
「お答えいたします」は、「お答えします」とすることもできます。 「お答えします」は、「答え」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて「する」の連用形「し」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お答えします」も正しい敬語表現で目上の人に使うことができますが、「する」を丁重語「いたす」にした「お答えいたします」のほうが丁寧です。
