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「お待ち致しております」の意味と使い方、敬語の言い換えを例文つきで解説

「お待ち致しております」は「待っている」という意味です。「待つ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「する」の丁重語「いたす」と「いる」の丁重語「おる」、丁寧語「ます」をつけた正しい敬語表現です。ビジネスシーンで相手が来ることを待っていることや、連絡を待っていることを伝えるときなどに使います。

「お待ち致しております」の意味

「お待ち致しております」は「おまちいたしております」と読みます。 「お待ち致しております」の意味は「待っている」です。 「待つ」には「人・物・時などが来ることや物事が実現することを望みながら、それまでの時を過ごす」という意味があります。 「致しております」は「している」という意味です。 補助動詞はひらがなで表記する決まりがあるので、「致しております」は「いたしております」と表記するのが正しいです。慣用的に「致しております」と表記されていることも多いですが、かしこまった文章では正しくひらがなで表記するのが望ましいです。

「お待ち致しております」の敬語

「待つ」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。

接頭辞「お(ご)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「お」は、丁寧語

この場合は、自分の動作に対する敬語なので、謙譲語になります。 接頭辞「お」を尊敬語とするのは間違いです。自分に対して尊敬語を使用することはできません。 「いたす」は「する」を意味する補助動詞の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱとも言われ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく、聞き手・読み手に対する敬意を示す敬語です。 「おる」は「いる」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。

「お待ちいたしております」は、二重敬語ではありません。 二重敬語とは、一つの語に同じ種類の敬語を2つ以上重ねて使用することを指します。 「いたす」と「おる」の2つの丁重語が使われているため二重敬語といわれることがありますが、「いたす」は「する」を丁重語にしていて、「おる」は「いる」を丁重語にしています。したがって、かかっている語が違うため二重敬語にはあたりません。

「お待ち致しております」の使い方と例文

相手を出迎えることや連絡を待つことを伝える

「お待ちいたしております」は、相手が将来来るのを待っていることを伝えるときに使います。 例えば、取引先と会う約束をしたときなどです。 また、相手からの連絡を待っていることを伝えるときにも使うことができます。

例文

【件名】 弊社製品に関する説明の日程に関して 【本文】 タチツテト株式会社 営業部 三ツ谷様 いつもお世話になっております。 株式会社マミムメモ物産営業部の麗日です。 本日はお打ち合わせの日程が決定いたしましたのでご報告申し上げます。 9月8日(水)11:00〜12:00 9月10日(木)14:00〜15:00 9月15日(水)14:00〜15:00 ご要望いただいいた日程で設定いたしましたが、何か不都合な点があれば遠慮なくお申し付けください。 場所は弊社4F回会議室Bです。 1Fロビーにてお待ちいたしております。よろしくお願い申し上げます。 麗日

【件名】 弊社製品のお取引について 【本文】 あいうえお株式会社 総務部 佐野様 お世話になっております。 株式会社かきくけこの花垣です。 先日は、お忙しい中商品説明のお時間をくださり感謝申し上げます。 改めて製品に関する資料を添付いたします。 ご多忙のところ恐縮ですが、社内でご検討いただけますと幸いです。 ご連絡お待ちいたしております。 よろしくお願い申し上げます。 花垣

「お待ち致しております」の他の敬語表現

待っています

「待っています」は「待っている」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 敬語表現ですが、丁寧語「ます」のみを使用した敬語表現なので丁寧さに欠けます。 目上の人に対して使う場合は、謙譲語を使うなど敬意を示せる敬意表現を使いましょう。

お待ちしています

「お待ちしています」は「待つ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「している」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お待ちしています」は謙譲語+丁寧語の敬語表現なので、丁寧語のみを使用した「待っています」よりも丁寧です。

お待ちしております

「お待ちしております」は「待つ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「いる」の丁重語「おる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お待ちしております」でも十分丁寧な敬語表現ですが、謙譲語+丁重語+丁重語+丁寧語の「お待ちいたしております」のほうが丁寧な敬語表現です。

お待ち申し上げております

「お待ち申し上げております」は品詞分解すると「お」+「待ち」+「申し上げる」+「おる」+「ます」となります。 「待つ」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、「ご〜申し上げる」で「する」という意味の補助動詞になります。 「おる」は「いる」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「お待ち申し上げております」は、「お」と「申し上げる」と2つの謙譲語が使われてますが、「お(ご)〜申し上げる」で1つの謙譲表現なので、二重敬語にはあたりません。 「申し上げる」を補助動詞「する」という意味で使う場合は、敬語の接頭辞「お」または「ご」が必要です。 「お(ご)〜申し上げる」を使うと、よりかしこまった敬語表現になります。 ちなみに補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、本来は「お待ちもうしあげております」と書くのが正しいですが、慣例的に「お待ち申し上げております」と漢字で書くことが多いです。

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