「お見送りさせていただきたく存じます」は、「見送らせてもらいたく思う」という意味の敬語表現です。ビジネスシーンで相手からの提案や誘いを断るときに「ご希望に添えず申し訳ありませんが、お見送りさせていただきたく存じます」などと使います。また、人が去るまでつきそうときにも使うことができます。
「お見送りさせていただきたく存じます」は「おみおくりさせていただきたくぞんじます」と読みます。 「お見送りさせていただきたく存じます」の意味は「見送らせてもらいたく思う」です。 「見送り」には、
という意味があります。 「させていただきたく存じます」は「させてもらいたく思う」という意味です。
「お見送りさせていただきます」は、品詞分解すると「お」+「見送る」+「させていただきたく」+「存ずる」+「ます」となります。 「見送る」についている接頭辞「お」は謙譲語です。
接頭辞「お（ご）」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「お」は、自分の動作に対してつけているので謙譲語になります。 「させていただきたく」は「させてもらう」の謙譲語に、願望を表す助動詞「たい」をつけた敬語表現です。 謙譲語は、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す敬語表現です。 「お」と「いただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「お見送りさせていただきます」の場合は、「お〜させていただく」の形で一つの謙譲表現として慣例的に使われ許容されています。 また、「お」は「見送る」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。 謙譲語の接頭辞「お」をとって「見送らせていただきます」としても正しい敬語です。
「させていただく」を使用するには、
の2つの条件が必要です。 「お見送りさせていただきたく存じます」の場合は、見送ること対して直接的に許可をとるわけではないのでやや大袈裟な表現といえますが、自分が見送ることをへりくだった謙虚な表現として使われることが多いです。 どうしても気になる場合は、「お見送りしたく存じます」などと言い換えましょう。
「お見送りさせていただきたく存じます」は、ビジネスシーンで相手からの提案や誘いを断るときに使います。 例えば、取引先の相手から商品の営業を受けて断るときや、食事会などの参加を断るときなどです。 断るときに使う場合は、
など、クッション言葉と併せて使うとより丁寧です。クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで、より丁寧で柔らかい印象を与えることができます。
【件名】 ご提案いただいた件について 【本文】 株式会社△△△ 営業部青木様 平素よりお世話になっております。 株式会社○○○の金子です。 この度は、弊社との新規プロジェクト立ち上げについてご提案いただき、誠にありがとうございます。 せっかくご提案いただいたのにも関わらず大変恐縮ではございますが、今回はお見送りさせていただきたく存じます。 大変魅力的なお話ではありますが、現在別案件の納期が迫っており、新しいお仕事をお受けするのが困難な状況です。 ご希望に添えない結果となり大変申し訳ございません。 またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。 貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 金子
「お見送りさせてただきたく存じます」は、人が去るまでつきそうときにも使えます。 例えば、取引先の相手が自分の会社を訪問してくれたときなどです。 また、飲み会などで目上の人が先に帰る場合にも使うことができます。
例文
「お見送りさせてください」の意味は「見送らせてくれ」です。 「お見送りさせてください」は、品詞分解すると「お」＋「見送り」＋「させて」＋「ください」となります。 「見送る」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「ください」は命令形「くれ」の尊敬語です。 「お見送りさせてください」は、正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ください」は、漢字で「下さい」と書きますが、漢字表記にできるのは「物をもらう」という本動詞として使うときです。 例えば、「お水を下さい」などの場合は漢字で書きます。 「お見送りさせてください」のように補助動詞で使う場合は、平仮名で表記するのが正しいです。
「お見送りさせていただきます」は、「見送らせてもらう」という意味です。 「お見送りさせていただきます」は、品詞分解すると「お」＋「見送り」＋「させていただく」＋「ます」となります。 「見送り」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「お見送りさせていただきます」も正しい敬語表現ですが、クドいのでシンプルに「お見送りいたします」と言い換えられることが多いです。
「お見送りいたします」は、「見送る」という意味です。 「お見送りいたします」は、品詞分解すると「お」＋「見送る」＋「いたす」＋「ます」となります。 「見送り」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「いたす」は「する」の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。
「お見送りします」も「見送る」という意味です。 「お見送りします」は品詞分解すると「お」＋「見送る」＋「し」＋「ます」となります。 「見送る」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「お見送りします」も正しい敬語表現ですが、「する」を丁重語にした「お見送りいたします」のほうが丁寧です。
