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「お見送りさせてください」の意味と敬語、使い方、類語を例文つきで解説

「お見送りさせてください」は、「見送らせてくれ」という意味の敬語表現です。相手からの提案や誘いを断るときや、人が去るまでつきそうときに使います。しかし、命令文であるため、目上の人に対して使う場合は、より丁寧な敬語表現に言い換えるのが望ましいです。

「お見送りさせてください」とは

意味は「見送らせてくれ」

「お見送りさせてください」は「おみおくりさせてください」と読みます。 「お見送りさせてください」の意味は「見送らせてくれ」です。 「見送り」には、

  • 遠ざかっていく人を、人や乗り物が見えなくなる所まで目で追う。また、そうするためにある所までついていく
  • そうすることを、次の機会まで待つ

という意味があります。 「させてください」は「させてくれ」という意味です。

敬語

「お見送りさせてください」は、品詞分解すると「お」+「見送る」+「させて」+「ください」となります。 「見送る」についてる接頭辞「お」は、謙譲語です。

接頭辞「お(ご)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「お」は、丁寧語

この場合の接頭辞「お」は、自分の動作に対してつけているので謙譲語になります。

「ください」は、命令形「くれ」の尊敬語です。 「お見送りさせてください」は正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ください」は、漢字で「下さい」と書きますが、漢字表記にできるのは「物をもらう」という本動詞として使うときです。 例えば、「お水を下さい」などの場合は漢字で書きます。 「お見送りさせてください」のように補助動詞で使う場合は、平仮名で表記するのが正しいです。

「お見送りさせてください」の使い方と例文

相手からの提案や誘いを断るときに使う

「お見送りさせてください」は、ビジネスシーンで相手からの提案や誘いを断るときに使います。 例えば、取引先の相手から商品の営業を受けて断るときや、食事会などの参加を断るときなどです。 断るときに使う場合は、

  • 心苦しいのですが
  • せっかかくのご厚意ですが
  • ご期待に添えず申し訳ありませんが

など、クッション言葉と併せて使うとより丁寧です。クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで、より丁寧で柔らかい印象を与えることができます。

【件名】 ご提案いただいた件について 【本文】  株式会社△△△ 営業部青木様 平素よりお世話になっております。 株式会社○○○の金子です。 この度は、弊社との新規プロジェクト立ち上げについてご提案いただき、誠にありがとうございます。 せっかくご提案いただいたのにも関わらず大変恐縮ではございますが、今回はお見送りさせてください。 大変魅力的なお話ではありますが、現在別案件の納期が迫っており、新しいお仕事をお受けするのが困難な状況です。 ご希望に添えない結果となり大変申し訳ございません。 またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。 貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 金子

人が去るまでつきそうときにも使える

「お見送りさせてください」は、人が去るまでつきそうときにも使えます。 例えば、取引先の相手が自分の会社を訪問してくれたときなどです。 また、飲み会などで目上の人が先に帰る場合にも使うことができます。

例文

  • 本日はお忙しい中、足をお運びいただきありがとうございました。玄関までお見送りさせてください。
  • 本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。お見送りさせてください。

「お見送りさせてください」の敬語の言い換え

お見送りいたします

「お見送りいたします」は、品詞分解すると「お」+「見送り」+「いたす」+「ます」となります。 「見送り」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「いたす」は「する」の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。 「お見送りさせてください」は上述したように命令文なので、「お見送りいたします」とすることでより丁寧になります。

お見送りさせていただきます

「お見送りさせていただきます」は、品詞分解すると「お」+「見送り」+「させていただく」+「ます」となります。 「見送り」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「お」と「させていただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「お見送りさせていただきます」の場合は、「お〜させていただく」の形で一つの謙譲表現として慣例的に使われ許容されています。 また、「ご」は「見送る」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。 「ます」は丁寧語です。

お見送りさせていいただきたく存じます

「お見送りさせていただきたく存じます」は、「見送らせてもらいいたく思う」という意味です。 「お見送りさせていただきたく存じます」は、品詞分解すると「お」+「見送る」+「させていただきたく」+「存ずる」+「ます」となります。 「見送る」についている接頭辞「お」は謙譲語です。 「させていただきたく」は「させてもらう」の謙譲語に願望を表す助動詞「たい」をつけた敬語表現です。 「存ずる」は「思う」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「〜させていただきたく存じます」とすることで、より柔らかく丁寧な表現になりますが、クドいので「お見送りいたします」などシンプルな敬語表現に言い換えられることが多いです。

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