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「思いがけず」の意味とお礼での使い方、類語「思いもよらず」との違い

「思いがけず(おもいがけず)」の意味は「予期しないのに」です。予期していないのに不意に実現できるさまを指し、想像していなかったネガティブなことが発生するという意味では使いません。また、必ずしもポジティブな意味で使うわけでもなく、起こったことをただ述べる場合もあります。

「思いがけず」とは

「思いがけず」の意味は「予期しないのに」

「思いがけず」は「おもいがけず」と読みます。 「思いがけず」の意味は「予期しないのに」です。 「こうなるだろう」と前もって推測していなかったことが不意に起こる様子を言い表します。

「思いがけず」の漢字は「思い掛けず」

「思いがけず」の漢字は「思い掛けず」です。 「思いがけず」は「思い」と「掛ける」に打ち消しの助動詞「ず」をつけた「掛けず」を組み合わせてできている言葉です。 ただし「掛ける」は平仮名で表記し、「思いがけず」で使用するのが一般的です。

「思いがけず」の古語は「覚えず」

「思いがけず」の古語は「覚えず」です。 古語で「覚えず」は、動詞「覚える」に、打ち消しの助動詞「ず」の付いた「おぼえず」の連用形から「自分でしようと思わないで無意識に」「思いがけず」という意味で使用されていました。 ちなみに古くは「思いけず」ともいわれていましたが、現代では「思いけず」といいます。

「思いがけず」の使い方と例文

悪い意味では使わない

「思いがけず」は、予期していないのに不意に実現できるさまを指し、想像していなかったネガティブなことが発生するという意味では使いません。 例えば「思いがけず入賞することができた」という使い方をすることはできますが、「思いがけず落選した」という使い方はできません。 必ずしもポジティブな意味で使うわけでもなく、起こったことをただ述べる場合もあります。

「思いがけず」の例文

  • 偶然入ったお店で思いがけずレア商品を購入することができた。
  • 思いがけず選抜メンバーに選ばれた。
  • 東京で思いがけず父と会った。
  • たまたまみた映画を見て思いがけず泣いた。

ビジネスでは敬語でプレゼントに対するお礼

ビジネスシーンでは、相手からお土産やプレゼントをもらったことに対してお礼を伝えるときに使用することもあります。 例えば、取引先の人が手土産を持ってきてくれたという場面です。 ただし、「思いがけず」は敬語表現ではありません。 目上の人に対して使用するときは敬語に言い換える必要がありますが、「思いがけず」を敬語変換することはできないので、他の表現を敬語表現にする必要があります。 例えば「思いがけず素敵なプレゼンとをいただき〜」というような使い方をします。 「いただき」は「もらう」の謙譲語です。 謙譲語は自分の動作をへりくだり相手に敬意を示す敬語表現なので、目上の人に対して使用することが可能です。

ビジネスで使用する「思いがけず」の敬語の例文

  • この度は思いがけずお土産までいただき、恐縮です。
  • 思いがけずおいしいお菓子を頂戴して嬉しかったです。ありがとうございました。
  • 先日は思いがけずお食事にお誘いいただきまして妻も大変喜んでおりました。

「思いがけず」と「思いもよらず」の違い

「思いもよらず」の意味は「考えもしない。思いもしない」

「思いもよらず」の意味は「考えもしない。思いもしない」です。 事前には全く予想ができなかった事態が発生する、考えていたこととは全く違う展開になってしまうというニュアンスです。 「思いがけず」と「思いもよらず」は意味は同じですが、使い方が違います。 「思いもよらず」は悪い意味合いで使います。

「思いもよらず」の例文

「思いもよらず」の例文

  • 思いもよらず調査が難航した。
  • この季節に雪が降るなんて思いもよらず防寒具をしまってしまった。
  • まさか自分まで体調を崩すとは思いもよらず...大変ご迷惑をおかけしました。

「思いがけず」の類語と対義語

「思いがけず」の言い換えは「図らずも」「ゆくりなくも」「予想外に」など

「思いがけず」は「図らずも」「ゆくりなくも」「予想外に」などと言い換えることが可能です。 「図らずも」は「はからずも」と読みます。 「図らずも」の意味は「思いがけなく。意外にも」です。 当初から意図したり念頭においてたりしたことではなく、たまたまそういう結果になっただけのことを言い表します。 「ゆくりなくも」の意味は「思いがけなく。不意に」です。 「ゆくり」は「突然」という意味で、「なく」は形容詞を形づくる接辞「なし」の連用形が「ゆくりなく」です。 「思いがけず」の古風な言い方が「ゆくりなくも」です。 「予想外に」は「よそうがいに」と読みます。 「予想外に」の意味は「予想もしなかった成り行きになること」です。 予想とは異なることを言い表します。

「思いがけず」の反対語は「必然に」「当然に」「予定通り」など

「必然に」は「ひつぜんに」と読みます。 「必然に」の意味は「必ずそうなること」です。 それ以外にはなりようがないことを言い表します。 「当然に」は「とうぜんに」と読みます。 「当然に」の意味は「道理上、そうあるべきであること」です。 また、「普通であること」「当たり前であること」を言い表します。 「予定通り」は「よていどおり」と読みます。 「予定通り」の意味は「予め決めていた内容のとおりに」です。 また、見込んでいたとおりであることを言い表します。 「思いがけず」は、そうなることは思っていもいないことを言い表す言葉なので、「必然に」「当然に」「予定通り」は対義語であると言えます。

「思いがけず」の英語

unexpectedly

「思いがけず」の英語は「unexpectedly」です。 原形は「予期する」を意味する「expect」です。 「unexpectedly」は、よい意味・悪い意味・どちらでもないのでどの場合でも使うことができます。

Her new novel was unexpectedly successful.

彼女の処女作は思いがけず成功した。

run into

「思いがけず出会う」を意味する英語には「run into」です。 「run into」は「ばったり会う」という意味です。 「bump into」も同義語です。

I ran into my ex near my apartment.

自分のマンションの近くで、元カノと思いがけず会った。

まとめ

「思いがけず(おもいがけず)」の意味は「予期しないのに」です。 「こうなるだろう」と前もって推測していなかったことが不意に起こる様子を言い表します。 「図らずも」「ゆくりなくも」「予想外に」などと言い換えることが可能です。 対義語には、「必然に」「当然に」「予定通り」などがあります。

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