「押さえる」と「抑える」は、どちらも「おさえる」と読む同訓異字です。「押さえる」の意味は、動かないように押しつけて力を加えることです。「抑える」の意味は、ある限度を超えないようにすることです。例えば「風で飛ばされないようにおさえる」であれば、「押さえる」を使います。
「押さえる(おさえる)」の原義は、物理的に物が動かないように押し付けて力を加えることです。 例えば、「自動ドアを押さえる」「紙を手で押さえる」などと使います。 転じて、勢いを増そうとするものを権力などを利用して押しとどめるという意味でも使うことができます。 例えば「反対運動を押さえる」などと使います。 「抑える(おさえる)」の意味は、ある限度を超えないようにするです。 例えば「塩分を抑える」「生活費を抑える」などと使います。 この意味は「押さえる」にはありません。 転じて、感情や欲望など高ぶるものをとどめるという意味でも使うことができます。 言い換えは「鎮める(しずめる)」です。 例えば、「怒りを抑える」「食欲を抑える」などと使います。 この意味では、「押さえる」も使用することも可能です。 「飲食の出費をおさえる」のように我慢・抑止して封じる場合は「抑える」、「武力でおさえる」など力に任せて封じる場合は「押さえる」を使います。 「おさえる」と書く漢字には「圧える」もあります。 「圧える」は、上から圧力を加えて動かないようにすることを表します。
「押さえる」は「おさえる」と読みます。 「押さえる」の意味は
です。 「押」には「おさえる。とりおさえる」という意味があります。 「押」を含む熟語には「押収(おうしゅう)」「押領(おうりょう)」などがあります。 一つ目の「動かないように、押し付けて力を加える」という意味では、例えば「ドアが閉まらないように手で押さえる」などと使います。 二つ目の「おおうようにして、手などを自分の体に押し当てる」という意味では「口を手で押さえる」などと使います。 三つ目の「取り押さえたりして、しっかりとつかまえる」という意味では、「逃げようとする犯人を押さえる」などと使います。 また「証拠を押さえる」というように、相手が否定する事柄を動かしがたい事実としてしっかり掴むことを表すこともできます。 四つ目の「自分のものとして、しっかりと確保する」という意味では、「人気公演のチケットを押さえる」などと使います。 五つ目の「自分のものとして、しっかり頭にいれる」という意味では、大切な部分を頭に入れて把握することを表します。 例えば「要点を押さえる」などと使います。 六つ目の「勢いを増そうとするものを押しとどめる」という意味では、「抑える」を使うこともできます。 主に、「嗜好品を我慢して出費をおさえる」のように、抑止して封じる場合は「抑える」、「実力行使でおさえる」のように権力などで封じる場合は「押さえる」を使います。
「押さえる」の例文
「抑える」は「おさえる」と読みます。 「抑える」の意味は
です。 「抑」には「おさえる。おさえつける。ふさぐ」という意味があります。 「抑」を含む四字熟語には「抑圧(よくあつ)」「抑止(よくし)」などがあります。 一つ目の「ある限度を超えないようにする」という意味では、例えば「食費を抑える」「甘さを抑える」などと使います。 二つ目の「感情や欲望が高ぶるのをとどめる」という意味では、例えば「怒りを抑える」というように、願望や意図・感情などが表に出たり高まったりしないように抑制することを表します。
「抑える」の例文
「押さえる(おさえる)」は、「ドアを押さえる」「手で押さえる」など、物理的に物が動かないように押し付けて力を加えるときに使います。一方の「抑える(おさえる)」は、「糖分を抑える」「出費を抑える」など、ある限度を超えないようにするときに使います。