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「収める」「納める」「治める」「修める」の意味の違いと使い分けを解説

「収める(おさめる)」は、物をある物の中にきちんと入れるという意味で使われます。「納める(おさめる)」は、物をしかるべきところにきちんと入れるという意味で使われます。「治める(おさめる)」は、乱れた状態をきちんとした状態にするという意味で使われます。「修める(おさめる)」は、学問・技芸などを学んで自分のものにするという意味で使われます。

「収める」「納める」「治める」「修める」 の違い

収める(おさめる)
①物をある物の中にきちんと入れる。 ②乱れた状態を落ち着かせる。
納める(おさめる)
物をしかるべきところにきちんと入れる。
治める(おさめる)
乱れた状態をきちんとした状態にする。
修める(おさめる)
学問・技芸などを学んで自分のものにする。

「収める(おさめる)」の意味は、物をある物の中にきちんと入れるです。 例えば「ポーチに化粧品を収める」などと使います。 転じて、乱れた状態を落ち着かせることを表すこともできます。 例えば、「騒動を丸く収める」などと使います。 「納める」の意味は、物をある物の中にきちんと入れるです。 例えば「遺骨を骨つぼに納める」「ケースに宝石を納める」などと使います。 また、渡すべき物やお金を渡すという意味で使うこともできます。 例えば「税金を納める」「月謝を納める」などと使います。 「収める」と「納める」にはどちらも、物をある物の中にきちんと入れるという意味があります。 単にしまうことを表す「収める」に対して、「納める」はしかるべき場所にしまう・入れるというニュアンスがあります。 「治める(おさめる)」の意味は、乱れを鎮めて安定した状態にするです。 例えば「争いを治める」などと使います。 また、組織の中に秩序を行き渡らせるという意味で使われることもあります。 例えば「国を治める」などと使います。 「収める」と「治める」はどちらも、乱れた状態を安定させるという意味があります。 どちらを使っても問題ありませんが、落ち着かせるという意味を強調したい場合は「収める」のほうが適しています。 「修める(おさめる)」の意味は、学問・技芸などを学んで自分のものにするです。 例えば「学を修める」「イタリア語を修める」などと使います。

「収める」の意味と使い方

「収める」は「おさめる」と読みます。 「収める」の意味は

  1. 物をある物の中にきちんと入れる。しまう
  2. 受け取って自分のものにする
  3. よい記録や結果を生みだす
  4. 乱れた状態を鎮める。収束させる。

です。 「収」には「おさめる。まとめる。」という意味があります。 「収」を含む熟語には「収穫(しゅうかく)」「収拾(しゅうしゅう)」などがあります。 一つ目の「物をある物の中にきちんと入れる」という意味では、例えば「引き出しの中に文房具を収める」などと使います。 転じて、「写真に収める」というように記録に残すという意味で使うこともできます。 二つ目の「受け取って自分のものにする」という意味では、例えば目上の人に何かを渡すときに「どうぞお収めください」などと使います。 また「世代交代で経営者の座を手の内に収めた」などと使うこともできます。 三つ目の「よい記録や結果を生みだす」という意味では、例えば「勝利を収めることができた」などと使います。 四つ目の「乱れた状態を鎮める」という意味では、例えば「事態を丸く収める」というように落ち着いた状態であることを表します。

「収める」の例文

  • 重要書類はきちんと金庫に収めてあるので安心してください。
  • 子供の成長をしっかりカメラに収める。
  • 余ったお金を懐に収めるなんて横領だ。
  • 長年の努力のおかげで成功を収めることができた。
  • 円満に収めるためには多少納得がいかなくてもきちんと謝罪することが大切だ。

「納める」の意味と使い方

「納める」は「おさめる」と読みます。 「納める」の意味は

  1. 物をある物の中にきちんと入れる
  2. 決められた期限までに、決められただけのものを渡す
  3. 物事を終わりにする

です。 「納」には、三つの意味があります。 一つ目は「おさめる。しまいこむ」です。 この意味で使われている熟語には「収納(しゅうのう)」「格納(かくのう)」があります。 二つ目は「支払う。差し出す」です。 この意味で使われている熟語には「納税(のうぜい)」「献納(けんのう)」があります。 三つ目は「おわる。しめくくる」です。 この意味で使われている熟語には「納会(のうかい)」などがあります。 「納める」の一つ目「物をある物の中にきちんと入れる」という意味は「収める」と同じです。 例えば「棺を納める」というように、しかるべきところに入れる・しまうという意味で使われます。 二つ目の「決められた期限までに、決められただけのものを渡す」という意味では、例えば「月謝を納める」というように義務があるものを渡す場合に使います。 三つ目の「物事を終わりにする」という意味では、例えば「仕事収めをする」などと使います。 「笑い収め」のように、動詞の連用形について使われることが多いです。

「納める」の例文

  • 遺体を棺桶に納める。
  • 税金を納めるのは国民の義務だ。
  • 夏ももう終わるので、今日はスイカの食べ納めをしよう。

「治める」の意味と使い方

「治める」は「おさめる」と読みます。 「治める」の意味は

  1. 乱れを鎮めて、安定した状態にする
  2. 痛みや症状がなくなるようにする
  3. 組織の中に秩序を行き渡らせる

です。 「治」には「おさめる。おさまる。ととのえる」という意味があります。 「治」を含む熟語には「治安(ちあん)」「政治(せいじ)」などがあります。 一つ目の「乱れを鎮めて、安定した状態にする」という意味では、「争いを治める」などと使います。 この意味で使う場合は「収める」と書くこともできます。 落ち着かせるという意味を強調したい場合は「収める」のほうが適しています。 転じて、痛みなどが鎮まって安定した状態になるという意味でも使われます。 例えば「頭痛を治める薬」などと使うことができます。 三つ目の「組織の中に秩序を行き渡らせる」という意味では、「国を治める」などと使います。

「治める」の例文

  • 戦に勝って領地を治めることに成功した。
  • 薬を飲めば痛みは治まるが、根本的な原因は解決できていない。
  • 今の総理大臣には国を治める能力はないと感じる。

「修める」の意味と使い方

「修める」は「おさめる」と読みます。 「修める」の意味は

  1. 学問・技芸などを学んで自分のものにする。
  2. 心や行いを正しくする

です。 「修」には「いさめる。まなぶ」という意味があります。 「修」を含む熟語には「修業(しゅぎょう)」「研修(けんしゅう)」などがあります。 「修める」は、学問・技芸を学んで自分を高める努力をすることをいいます。 例えば「学を修める」などと使います。 二つ目の「心や行いを正しくする」という意味では、例えば「心を修める」などと使います。 言動をととのえ正しくすることを表します。

「修める」の例文

  • しっかり学業を修めるのが学生の仕事だ。
  • 留学をして英語をひととおり修めることができた。
  • あなたはそろそろ身を修めるべきだ。

まとめ

「収める」「納める」「治める」「修める」は、すべて「おさめる」と読む同訓異字です。 「収める」の意味は、物をある物の中にきちんと入れるです。 「納める」の意味は、物をある物の中にきちんと入れるです。 「治める」の意味は、乱れを鎮めて安定した状態にするです。 「修める」の意味は、学問・技芸などを学んで自分のものにするです。 例えば、きちんとしかるべき場所に入れてしまうという意味であれば「納める」を使います。

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