「問い合わせさせていただいた次第です」は「問い合わせさせてもらったわけ」という意味の敬語表現です。今回は「問い合わせさせていただいた次第です」の意味や敬語、使い方などを解説します。
「問い合わせさせていただいた次第です」は「といあわせさせていただいたしだいです」と読みます。 「問い合わせ」には「不明点などを聞いて詳細を確かめる」という意味があります。 「させていただく」の意味は「させてもらう」です。 「次第」は「物事のそうなるに至った理由。わけ。事情」という意味です。 よって「問い合わせさせていただいた次第です」で、「〜という理由で問い合わせさせてもらった」という意味になります。
「問い合わせさせていただいた次第です」は品詞分解すると「問い合わせる」+「させていただく」+「た」+「次第」+「です」となります。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 自分の動作をへりくだり、相手に敬意を示します。 「た」は過去を表す助動詞です。 「です」は丁寧語です。 したがって「問い合わせさせていただいた次第です」は、謙譲語+丁寧語の正しい敬語表現です。 目上の人に対して使うことができます。
「させていただく」を使用するには、
の2つの条件が必要です。 「お問い合わせさせていただいた次第です」の場合は、問い合わせすること対して直接的に許可をとるわけではないので、やや大袈裟な表現といえますが、自分が問い合わせすることをへりくだった謙虚な表現として使われることが多いです。 どうしても気になる場合は、「お問い合わせいたします」などと言い換えましょう。
「お問い合わせさせていただいた次第です」は、ビジネスメールで不明点を質問するときの文頭で使います。 例えば、商品についての不明点を問い合わせるときの文頭に「製品△△△について、不明点がありお問い合わせさせていだいた次第です」などと入れておくと、相手は何についてのメールなのかひと目でわかります。
【件名】 プロジェクト「△△△」について 【本文】 株式会社AAA 営業部 源様 お世話になっております。 株式会社BBBの岡本です。 合同プロジェクト「△△△」の今後のスケジュールについて不明点がございましたので、お問い合わせさせていただいた次第です。 毎月第3水曜日に進捗状況の報告の予定となっておりますが、今月は祝日と重なっております。 日程の変更はございますでしょうか。 お忙しいところ恐縮ですが、日程のご確認のほどよろしくお願い申し上げます 岡本
【件名】 貴社製品に関するお問い合わせ 【本文】 株式会社salad 商品部 大川様 平素よりお世話になっております。 株式会社kaisen営業部の藤沢です。 貴社製品「○○○」のついて、お客様より電源が入らないとのご連絡が多数あり、本日問い合せさせていただいた次第です。 製品名「○○○」 型番 122-44432AAA リース開始日 2022/01/01 お忙しいとは存じますが、対応方法について折返しご連絡いただけますでしょうか。 よろしくお願い申し上げます。 藤沢
【件名】 商品サンプルについて 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 高田美智子様 お世話になっております。 株式会社かきくけこの目黒です。 先日はお忙しい中、サンプル品をご送付いただきありがとうございました。 今回、当サンプルにつきまして不明点があり、問い合わせさせていただいた次第です。 1 発売予定日 2 注文方法 製品「△△△」の取り扱いを検討しているため、ご回答いただけますと幸いです。 お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。 目黒
「問い合わせさせていただいた次第です」は「お問い合わせさせていただいた次第です」とすることもできます。 「お問い合わせさせていただいた次第です」は品詞分解すると「お」+「問い合わせる」+「させていただく」+「た」+「次第」+「です」となります。 「問い合わせる」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合は自分の動作に対して使っているので謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「です」は丁寧語です。 「お」と「させていただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 しかしながら、二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「お問い合わせさせていただいた次第です」の場合は、「お〜させていただく」の形で一つの謙譲表現としてみることが多いです。 また、「お」は「問い合わせる」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。
「お問い合わせさせていただいた次第でございます」は、品詞分解すると「問い合わせる」+「させていただく」+「た」+「次第」+「で」+「ござる」+「ます」となります。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「問い合わせさせていただいた次第です」を「問い合わせさせていただいた次第でございます」としても意味は同じです。 しかし、「問い合わせさせていただいた次第です」は謙譲語+丁寧語の敬語表現なので、謙譲語+丁重語+丁寧語の「問い合わせさせていただいた次第でございます」のほうが丁寧な敬語表現です。
「問い合わせした次第です」は品詞分解すると「問い合わせる」+「する」+「た」+「次第」+「です」となります。 「です」は丁寧語です。 「問い合わせした次第です」も丁寧語を使用した正しい敬語表現です。 しかし、ビジネスシーンで使用するには丁寧さに欠けます。 目上の人に対して使用するには、謙譲語を使って相手に敬意を示した「問い合わせさせていただいた次第です」のほうが丁寧で適しています。
「ご質問」は「ごしつもん」と読みます。 「質問」の意味は「わからないことや疑問点などを尋ね、説明を求めること」です。 「〜についてご質問いたします」などと使うことができます。
「お尋ね」は「おたずね」と読みます。 「尋ねる」の意味は「返事を求めてわからない事柄を人に聞く」です。 「〜についてお尋ねいたします」などと使うことができます。
「伺う」は「うかがう」と読みます。 「伺う」は「聞く」「訪問する」の謙譲語です。 質問をするときに「〜について伺います」などと使うことができます。