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「お伝えしておきます」の意味と使い方、敬語、類語を例文つきで解説

「伝える」の意味は、必要な事柄を、人を介して知らせるです。「お伝えしておきます」で、自分が第三者に伝えておくという意味の敬語表現になります。ビジネスシーンで「お客様には私からお伝えしておきます」などと使います。

「お伝えしておきます」とは

意味は「伝えておく」

「お伝えしておきます」は「おつたえしておきます」と読みます。 「お伝えしておきます」の意味は「伝えておく」です。 「伝える」には「必要な事柄を、人を介して知らせる」という意味があります。 「しておく」は、「する」の連用形「し」に接続助詞の「て」+補助動詞「おく」で成り立っています。 「おく」は「〜て(で)おく」の形で、あとで起こる事態を予想して、手回しのよい動作を行う意を表します。

敬語

「お伝えしておきます」は、品詞分解すると「お」+「伝える」+「し」+「て」+「おく」+「ます」となります。 「伝える」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。

接頭辞「お(ご)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「お」は、丁寧語

この場合の接頭辞「お」は、自分の動作に対してつけているので謙譲語になります。 「ます」は丁寧語です。 正しい敬語表現だが、意味的に目上の人には避けるべき表現です。 「おく」は、相手がこれから起こることやすべきことを予想できない前提で使われるため、「〜しておきます」は上から目線の印象をうけます。 目上の人に対して使うときは「お伝えいたします」などを使うのが望ましいです。

「お伝えしておきます」の使い方と注意点

自分が伝言することを伝えるときに使う

「お伝えしておきます」は、自分が第三者に伝えることを伝えるときに使います。 例えば、会議で決定したことを後日報告するときに「部長には本日の決定意事項を私からお伝えしておきます」などと使います。 また、取引先の人に何か伝えることがある場合などに、「打ち合わせの件については、私から先方にお伝えしておきます」などと使うことができます。

「上司にお伝えしておきます」は過り

「お伝えする」は、接頭辞「お」が謙譲語であるため伝える相手に対して敬意を示す敬語表現です。 よって、社外の人に対して「上司にお伝えしておきます」などと使うのは誤りになります。 社外の人に対して社内の上司(身内)に敬意を示すのは間違った敬語だからです。 同じ理由で、上司に対して「部下の○○には私からお伝えしておきます」と使うのも誤りです。 「部下の○○にお伝えしておきます」では、部下に対して敬意を示していることになってしまいます。 話し手よりも敬意を示すべき相手に自分が聞いたことを伝えるという状況で「お伝えしておきます」を使うことができます。

社外の人から聞いたことを伝言するときは「申し伝えます」

「申し伝える」は「もうしつたえる」と読みます。 「申し伝える」の意味は「言い伝える」です。 「申す」は「言う」の丁重語です。 丁重語は上述したように、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お伝えしておきます」と「申し伝える」は、どちらも自分が伝言することを伝える言葉ですが、敬意を示す対象が違います。 「お伝えしておきます」は言い伝える対象に敬意を示し、「申し伝える」は現在会話をしている相手に敬意を示します。 したがって、取引先の相手に自分から上司に伝言すると言いたいときは「申し伝える」を使って「上司に申し伝えます」とするのが正しいです。 また、謙譲語の接頭辞「お」をとって「伝えておきます」としても正しいです。

ビジネスメール例文

上司に伝言する

【件名】 Re: 欠席のご連絡 【本文】 高橋さん お疲れ様です。 体調不良で本日欠勤とのこと、承知いたしました。 丸山部長には私からその旨お伝えしておきます。 お大事になさってください。 小林

取引先に進捗状況を報告する

【件名】 商品「△△△」の注文について 【本文】 営業部 竹本部長 お疲れ様です。 現在のお取引件数について確認したいことがございます。 目標:300件 現状:150件 達成率:50% で、お間違えないでしょうか。 ご確認をお願いいたします。 お間違いなければ、A社の担当者様にお伝えしておきます。 よろしくお願い申し上げます。 大森

敬語の言い換え

お伝えさせていただきます

「お伝えさせていただきます」は、「伝える」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただく」は「もらう」という意味で、自分が何らかの利益を得ることを表します。 「させていただく」の「させる」は許容を表します。 「させていただく」を使用するには、

  • 相手から許可があるか
  • 自分に利益があるか

の2つの条件が必要です。 「お伝えさせていただきます」の場合は、直接的に許可を得ているわけではないので、やや大袈裟な表現といえますが謙虚な表現として使われることが多いです。 しかし、クドい印象があるのでシンプルに「お伝えいたします」を使う人が多いです。

お伝え申し上げます

「お伝え申し上げます」の意味も「伝える」です。 「申し上げる」は「する」の謙譲語です。 本来は「言う」の謙譲語ですが、「ご(お)〜申し上げる」で「する」という意味の補助動詞になります。 補助動詞は平仮名で表記する決まりがあるので、本来は「もうしあげます」と平仮名で書くのが正しいですが、「申し上げます」の場合は慣用的に漢字で表記されることのほうが圧倒的に多いです。 「お(ご)〜申し上げる」は、「お(ご)〜する」よりも敬意の度合いが高いので「お伝えいたします」よりも「お伝え申し上げます」のほうが丁寧で改まった敬語表現です。

お伝えいたします

「お伝えいたします」は、「伝える」という意味です。 「お伝えいたします」は、「伝える」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて「する」の丁重語「いたす」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 自分が伝言することを伝えたいときは、シンプルに「お伝えいたします」を使うことが多いです。

お伝えします

「お伝えいたします」は、「お伝えします」とすることもできます。 「お伝えします」は、「伝える」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて「する」の連用形「し」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お伝えします」も正しい敬語表現で目上の人に使うことができますが、「する」を丁重語「いたす」にした「お伝えいたします」のほうが丁寧です。

「お伝え」の類語

ご報告

「ご報告」は「ごほうこく」と読みます。 「ご報告」の意味は「告げ知らせること」です。 特に、任務などの経過や結果を知らせることをいいます。 例えば進捗情報を伝えるという場合に「ご報告いたします」などと使います。

お知らせ

「お知らせ」は「おしらせ」と読みます。 「お知らせ」の意味は「知らせること」です。 例えば「詳細が決まり次第お知らせいたします」などと使います。

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