「黄金比」「白銀比」「青銅比」「白金比」「第2黄金比」は、人に美しさや安心感を与える比率のことで、デザインなどで使用されています。「黄金比」「白銀比」「青銅比」は「貴金属比」に当てはまります。日本の建築で一番多く使用されているのが「白銀比」の一つである「大和比」ともいわれるものです。
「黄金比」「白銀比」「青銅比」「白金比」「第2黄金比」は、人に美しさや安心感を与える比率のことです。 「黄金比」「白銀比」「青銅比」は、「貴金属比」といわれる「1:(n+√n2+4)分の2の数式で表す比率」に当てはまり、
ともいわれます。 「白金比」と「第二黄金比」は、人に美しさや安心感を与える比率であるものの、「貴金属比」ではありません。
「黄金比」は「おうごんひ」と読みます。 「黄金比」の意味は「線分を一点で分け、長い部分と短い部分との比が全体と長い部分との比に等しくなるようにしたときの比」です。 別名で、「第一貴金属比」ともいいます。 貴金属比とは、1:(n+√n2+4)分の2の数式で表す比率のことです。 黄金比を数字で表すと√5+1:2です。 近似値(必要とされる誤差の範囲内で、ある数を表していると思って構わない数値)で、1:1.618となります。 黄金比は、古代ギリシア以来、安定した美しさをもつ比とされていて、紙や書籍、縦横比などに使用されています。 例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが書いた絵画「モナリザ」の顔の多きさは、横が1縦が1.6の黄金比になっています。 「黄金比に分割する」という使い方をします。
黄金比を用いたものに黄金長方形と呼ばれる長方形があります。 黄金長方形は縦と横の長さの比率が黄金比になっている長方形のことです。 黄金長方形から最大の正方形を除くと、残った長方形は元の黄金長方形と同じになります。 同じように、最大の正方形を覗いていくと、同じ図形が無数にできていきます。 また、正方形の角の点をなめらかに繋ぐと、渦巻ができます。 このときにできる螺旋(らせん)は、巻き貝の貝殻に現れている渦巻と同種の対数螺旋(たいすうらせん)といわれます。 例えば、日本で使用されている名刺は、黄金長方形の形に近い形状をしています。
「白銀比」は「はくぎんひ」と読みます。 「白銀比」も、人に美しさを感じさせたり安心感を与える比率貴金属比の一つで、「第二貴金属比」とも言われます。 白銀比の具体的な数値は、1:1+√2で、近似値は5:12です。 白銀比の代表例は「正八角形」です。 正八角形の中には、長方形が形つくられますが、その短い辺の長さと長辺の長さの比が1:1+√2の比率になります。 白銀比には、「大和比」といわれる種類もあります。 大和比は、具体的な数値で1:√2となり、近似値は1:1.414です。 白銀比と大和比は、同じ物として扱われることも多いですが、厳密には数値の異なる別のものです。 大和比は、日本建築で使われていることが多いです。 例えば、法隆寺五重塔などが大和比で作られた建物にあてはまります。 また、ドラえもんやキティちゃんなどの、大きな丸い頭と短い胴体の比率が1:1.414で、大和比が使われているといわれています。
白銀比にも、黄金比と同じように「白銀長方形」と呼ばれる長方形が存在します。 白銀長方形は、縦と横の比率が1:1+√2となる長方形のことをいいます。 また、縦と横の比率が1+√2の大和比になる長方形もあります。 大和比の場合、「1+√2白銀長方形」といいます。 白銀長方形と1+√2白銀長方形には、「1:1+√2の白銀長方形から、最も大きい正方形を取り去ると、1+√2白銀長方形ができて、逆に1+√2白銀長方形から最も大きい正方形を取り去ると、1:1+√2の白銀長方形になる」という相関性があります。
「青銅比」は「せいどうひ」と読みます。 「青銅比」も、人に美しさを感じさせたり安心感を与える貴金属比の一つです。 青銅比の具体的な数値は1:(3:√13)分の2です。 近似値は1:3.303になります。 青銅比は第三貴金属比ともいわれます。 銅は、物質を構成する基本単位である元素を配列した表で原子番号29にあたります。 これは79の金、47の銀と縦に並んでいて、下から数えて三番目になります。 これが、黄金比が「第一貴金属比」、白銀比が「第二貴金属比」、青銅比が「第三貴金属比」といわれる理由です。 青銅比を図形で表すと、横長の長方形になります。 上述した黄金比や白銀比と比べて地名度は低く、デザインなどで使われることもあまりありませんが、横長の窓や壁を全体的に使用したデザインは青銅比を参考にしていることが多いです。
「白金比」は「はっきんひ」と読みます。 「白金比」は、人に美しさを感じさせる比率の一つです。 「白金」とは、ネックレスなどアクセサリーよく使われる光沢をもつ白金のことです。 白金比の具体的な数値は1:√3です。 近似値で1:1.732になります。 白金比は、黄金比や白銀比、青銅比とは異なり「貴金属比」ではありません。 白金比もデザインなどで直接的に使用していることは少ないですが、正三角形や正六角形のデザインの物の中に組み込まれていることがあります。
「第2黄金比」は「だいにおうごんひ」と読みます。 「第二黄金比」は理論上、均整のとれた比率と言われています。 第2黄金比の具体的な数値は1:(3+√5)分の2です。 近似値で1:2.618になります。 第2黄金比も「貴金属比」ではありませんが、黄金比に近い比率であるため「第2黄金比」といわれています。 白金比と同様に直接的にデザインで使用されていることは少ないですが、デザインをする上で参考にされる比率の一つです。