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「おざなり」と「なおざり」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「おざなり」の意味は、その場のがれにいい加減に物事をするさまです。例えば「なおざりの対応をした結果、クレームを入れられた」などと使います。「なおざり」の意味は、物事を軽くみていい加減にしておくことです。例えば、「仕事にかまけて妻をなおざりにしていた結果、家出をされた」などと使います。

「おざなり」と「なおざり」の違い

おざなり【御座成・御座形】
その場逃れのために、いい加減に物事をするさま。
なおざり【等閑】
物事を軽くみて、いい加減に放置しておくこと。軽視する。おろそかにする。

「おざなり」と「なおざり」は、どちらもいい加減であることを意味しますが、別語です。 「おざなり」は漢字で「御座成」または「御座形」と書くように、当座(その場限り)の間に合わせを意味します。 意識的にいい加減な言動をすることで、その場を逃れようとすることを指します。誠意がないというニュアンスを含みます。 「なおざり」は、あまり注意を払わずに、やるべきことをやらないことを指します。 「おざなり」とは違い、自覚なくいい加減になってしまっている場合もあります。 「おざなり」と「なおざり」の決定的な違いは、「おざなり」はいい加減であるにせよ何かしらの対応はするのに対して、「なおざり」は多くの場合何もしないことを指す点です。 「おざなりな謝罪」「おざなりな挨拶」は正しい使い方ですが、☓「なおざりな謝罪」☓「なおざりな挨拶」などは不適切です。 「健康をなおざりにする」「家業をなおざり」は正しい使い方ですが、☓「健康をおざなりにする」☓「家業をおざなりにする」は不適切です。 「クレームをおざなり/なおざりにする」はどちら使えます。 「クレームをおざなりにする」であれば「いい加減に対処をする」という意味になり、「クレームをなおざりにする」であれば「クレームを何もしないで放っておく」という意味になります。

「おざなり」の意味と使い方

「おざなり」の意味は「その場のがれにいい加減に物事をするさま」です。 「おざなり」は漢字で書くと「お座なり」または「御座なり」となります。 「座」は「座敷」という意味で、ここでいう座敷とは、江戸時代の芸人が宴をする席を指しています。 芸人が、それぞれ演じる座敷に合わせて芸を行う様から、「即座・その場しのぎ」といった意味で使われるようになりました。 例えば「おざなりの処理をする」などと使います。 「おざなりの処理」とは、「その場逃れのいい加減な処理」ということを意味しています。

「おざなり」の例文

  • 夏休みの自由研究をおざなりにする。
  • 旅行の計画をおざなりにしたせいで、トラブルの多い旅行となった。
  • 誤解をうんでしまったのは状況をおざなりに説明したせいだ。

「なおざり」の意味と使い方

「なおざり」の意味は「物事を軽くみて、いい加減にしておくこと」です。 「なおざり」を漢字で書くと「等閑」となります。 「なおざり」は平安時代から使われていて、「なお去り」と表記されていました。 「なお」は「そのまま何もせずにいること」で、「去り」は「遠ざける」という意味で、「何もしない」という意味になります。 ここから、物事を軽く見ていい加減にすることや何もしないという意味で使われるようになりました。 例えば「子供のしつけをなおざりにする」などと使います。 「しつけをなおざりにする」は、しつけを十分に行わないことを意味しています。

「なおざり」の例文

  • 主人は仕事ばかりで子供との時間をなおざりにしている。
  • クレーム対応をなおざりにしたことで大きな問題になってしまった。
  • 掃除をなおざりにしていることは一目瞭然だ。

まとめ

「おざなり」と「なおざり」の現代使われている意味合いとして共通しているのは、いい加減であることを意味する言葉だということです。そして違う点は、「おざなり」はいい加減であっても対応するのに対して、「なおざり」はいい加減にして何もせず放っておく点にあります。

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