「パリピ」とは「パーリーピーポー(party people)」の略で、クリスマスやハロウィンなど季節のイベントをはじめ、クラブやフェスなどで多くの人と集まり、盛り上がるのが好きな人たちを指します。
「パリピ」は「パーティー・ピープル(Party People)」を略したものです。 「Party People」のネイティブの発音が「パーリー・ピーポー」と聞こえることから、「パーリーピーポー」が若者の間で使われるようになり、「パリピ」と略されるようになりました。 2015年ギャル流行語大賞で1位を獲得し、話題になりました。 現在でも「パリピ」は死語ではなく、「パーリーピーポー」と共に若者を中心に日常的によく使用されています。 英語で「party people」といった場合、意味は通じますが、あまり一般的な言葉ではありません。 「パリピ」は和製英語と考えてよいでしょう。 英語では「パーティーが好きな人」をバカにして言う時に使われます。
「パリピ」の3つの意味
「パリピ」は一般的に、年越しやクリスマス、ハロウィンなど季節のイベントをはじめ、クラブやフェス、路上などで多くの人と集まり、騒ぐのが好きな人たちを指します。 学校や職場などの人間関係においてカースト上位な人たちが多いです。 ただし、この用法においては「マナーが悪い」「周りの人たちに迷惑をかける」などのネガティブな意味合いも含まれています。 そこから転じて、現在の若者は単に「ノリのいい人」「派手な遊びを一緒に楽しめる人」という意味で使います。ここにネガティブな意味は一切ありません。 また、「パリピする」「パリピる」の形では「友達と派手に遊ぶ」「賑やかに楽しむ」の意味になります。 「パリピな○○」なら「派手でイケてる○○」という意味です。 そこからまた転じて「最高パリピ」「鬼パリピ」「まじパリピ」「パリピった」「パリピかよ」などとすると本来の「パーティー・ピープル」の意味合いがなくなり、単に「すごい」「やばい」「超うれしい」「最高」という意味になる場合もあります(分かりづらい!)。 ただしこれらの使い方は上記2つの意味と混同される可能性があるので注意が必要です。
「パリピ」の例文
作家の林真理子さんは1999年の著書『美女入門PART3』で「パーティ・ピープル」に関して、「必ずパーティには顔を出して、そのファッションをチェックされる人たち」と説明しています。 ここでは「芸能人」「モデル」「セレブ」と近いニュアンスで説明されています。 しかし、現代ではこの意味で「パーリーピーポー」が使われることはありません。
「party」はなぜ「パーティー」ではなく「パーリー」に聞こえるのでしょうか? それは、Tの音がLやDに音声変化する、アメリカ英語独特の「フラップT」という発音のルールがあるためです。 Tが母音に挟まれて、かつTの前の母音にアクセントが置かれるときに発生します。 「party」は「r」と「y」に挟まれているので、当てはまらないと思う人がいるかもしれませんが、違います。 「r」は無声音なので、その前の「a」に注目します。「a」は母音です。 「y」は「i」と発音するので、発音的には母音にカウントされます。 そして「t」の前にある母音「a」にアクセントがきますので、「party」はフラップTが適応されます。 よって、「party」をアメリカ人は「パーリー」または「パーディー」などと発音します。ネイティブの中でも個人差があります。 イギリス人は「パーティー」を発音します。「r」の音もあまり舌を巻かずに発音するので、日本人には聞き取りやすく、かつ発音もしやすいです。 同じくフラップTによって、発音が変わる代表的な英単語には「water」があります。 イギリス英語ではそのまま「ウォーター」ですが、アメリカ英語では「ワーラー」「ワーダー」という発音になります。 また、「water」の「a」の発音もイギリス英語では「お」、アメリカ英語では「あ」になります。 日本ではアメリカ英語の教育が実施されていますが、カタカナ語はイギリス英語の影響を受けているので、発音がめちゃくちゃになっています。
「休日パーティーピープル」とは、「休日だけパーティー好きになる人」という意味です。 公私のメリハリをしっかりつけて、平日は一生懸命働き、土日にハメを外す、というニュアンスです。 現代ではほとんど使用されなくなりましたが、「パーリーピーポー」が流行する前に「休日パーティーピープル」のよく使われていました。
「ドメスティックパリピ」とは「家庭内パーリーピーポー」を指す言葉です。 つまり、家の中でパーティーなどを楽しむ人を指します。 パリピとは基本的に家の外で家族以外の人たちと騒ぐ人を指すので、矛盾しているところが面白い表現になっています。 略して「ドメパリ」といったりもします。 アニメ『おそ松さん』で登場した造語で、あまり一般的に使用されているわけではありません。
「パリピ」と似た言葉に「ウェイ系」があります。 「ウェイ系」とは、明るく陽気な感じの人を言い表した言葉です。 「ウェイ系」とは、若者が「ウェーーーーーーーイ!!!」と言って盛り上がる様子が語源となっています。 見た目からして陽気そうで、「ウェーイ」と言いそうな人や、実際にお酒を飲んで盛り上がるような場所が好きな人を「ウェイ系だよね」と言ったりします。 ただ、大学生など10代〜20代前半ぐらいの若者に多く使われる言葉で、あまり幅広い世代に通用する言葉ではないということを念頭においておいたほうがいいでしょう。 「ウェイ系」は「パリピ」より、若くて軽いノリであり、ただお酒を飲んで盛り上がって楽しんでいるようなイメージです。 わかりやすくいうと、
「陽キャ」とは、「陽気なキャラクター」を略した言葉です。 具体的に言うと、楽しいことが大好きないつでもニコニコしていて明るい雰囲気が漂っている人のことをいいます。 スクールカースト(小中高生といった集団生活において、自然に発生する人気の度合いを表す序列)において、一番上に位置していて、クラスに人気者を指すのが「陽キャ」です。 「陽キャ」は「パリピ」や「ウェイ系」よりも意味が広いです。 「陽キャ」の中には「パリピ」でない人もいます。 明るくて元気で人気者だけど、パーティーや騒ぐのは好きではない人たちです。
「チャラ男」とは、「チャラチャラしている男」の略です。 「チャラチャラしている」とは、「言動や態度が軽薄で浮ついていること」を意味しています。 女性に対して、軽率に恋心を抱かせるようなことをして女遊びをしているような人を「チャラ男」と言います。 「パリピ」には「異性関係にどらしない」という意味は含まれないので、その点で違います。 しかし、「チャラ男」は実際の女性関係がだらしないかどうかは関係なく、遊んでいそうな派手な見かけや女性の扱い方がやたらと上手い男性に対しても使われます。 その場合、「パリピ」とほぼ同義ということになります。
「リア充」は「現実(=リアル)の生活が充実している人」を指す言葉です。
などの人たちを指します。 「リア充」の反対語は「非リア充」「非リア」です。 「パリピ」と「リア充」は全く違う言葉です。 リア充しているパリピもいれば、リア充していないパリピもいます。
「パリピ」の反対語は、ずっと家にいることから「イエピ」がいいのではないか?とネット上で提案されたことがありますが、まだ一般的に使われるまでにはなっていません。 「パリピ」の対義語で、一般的に使われる言葉を解説していきます。
「イエピ」のような、「パリピ」の完全に反対の意味を指す言葉はありません。 「陰キャ」の対義語である「陰キャ」が、「パリピ」の対義語として近いでしょう。 「陰キャ」は、「いんきゃ」と読み、「陰キャラクター」を省略した言葉です。 「陰」とは、「陰気」という意味で使用されていて、「雰囲気や性格が暗い」という意味の言葉として使用されています。 スクールカースト(小中高生といった集団生活において、自然に発生する人気の度合いを表す序列)において、一番下に位置しているのが地味でパッとしない印象をもたれているのが「陰キャ」です。
「パリピ」の英語表現を解説していきます。 上述した通り「party people」はあまり使われる言葉ではないので、他の英語表現を紹介します。
「パリピ」に該当する英語はないので、長いですが「people who like to party」とすると一番分かりやすいでしょう。 「party」には「パーティー」を意味する名詞以外にも、「(パーティーなどで)飲んだり踊ったりして楽しむ」という意味の動詞があります。 上記の表現では「party」は動詞として使われています。
「パリピ」を英語一語で表すなら「clubber」という表現が一番近いでしょう。 「clubber」とは「クラブが大好きな人」という意味です。 「club」は「クラブ」という意味の名詞以外にも、「クラブで楽しむ」という意味の動詞の用法があります。 それに「人」を表す「er」がついて、「clubber」です。
いかがでしたか? 「パリピ」の意味と使い方はご理解いただけましたか? 「パリピ」は時代とともに意味が少しずつ変化してきているのが特徴です。 現在でも色々な使い方がされますので、使い方には何卒お気をつけくださいませ。