最近よくSNSなどでも見かける「エモい」という言葉をご存知でしょうか?「この曲エモい」「あのバンドめっちゃエモい!」などと使われています。 では、この「エモい」はどのような意味なのでしょうか?なんとなく使っている人も多いと思います。 そこで今回は「エモい」の正しい意味や使い方を解説します。また由来や類語も紹介していきます。流行り言葉をただ使うのではなく、しっかりと理解をして使いこなしましょう!
「エモい」には
などといった意味があります。 実際に「これ!」といった明確な意味があるわけではありません。 むしろ言葉にならないけど感情が高まることに対して「エモい」と表現しています。 たまに「エロいくてキモいこと」などと言っている人もいますが、それは間違いです。(本気では言ってないと思いますが)
「エモい」は、英語の「emotional(エモーショナル)」の「エモ」と形容詞化する接尾語の「い」を組み合わせた造語です。 日本では、英語に形容詞化する接尾語の「い」を組み合わせた言葉はよく使われています。例えば「ナウい」もそうですし、よく使われている「グロい」や「エロい」もそうです。 「emotional」とは「感情的な」「情緒的な」「感動に動かされやすい」「感情に訴えるような」などといった意味があり、「エモい」も本来はそのような意味で使われています。 では、なぜ英単語の「エモーショナル」が形容詞化され日本語で「エモい」と使われるようになったのでしょうか? 実はそのルーツには音楽が関係しています。
21世紀に入った頃、海外から「Emo(エモ:英語での発音はイーモウ)」というロックの形態の一種の音楽が日本にも流れ込んできました。 この「Emo」こそが「エモい」の発端となっています。 「エモい」は最近できた造語ではなく、実は15年以上も前から使われている言葉なのです。 「Emo」は精神的にも音楽的にもハードコアをルーツに持つことから「エモーショナル・ハードコア」とも呼ばれています。 「Emo」は、感情的でストレートかつメロディアスなバンドサウンドに、センチメンタルな心情を吐露するような歌詞が特徴的なロックミュージックのスタイルの一つです。 攻撃的で激しい音楽の中で、哀愁漂う歌詞やどこか物憂げな歌詞が人々の心に響いたことから「感情的でどこか哀愁漂うような音楽、曲、またそういった曲を歌うバンド」が「エモい曲」「エモいバンド」などと表現されるようになりました。 このようにバンドや音楽に対して使われていくうちに、音楽だけではなく日常で「感情的・情緒的である、感情が強く動かされるようなこと、言葉にならない気持ち」などを「エモい」と使うようになりました。
本来「エモい」は音楽に対して使われていましたが、現在は日常的な「感情が強く動かされること」「情緒的なこと」に対しても使われています。 また、経験してきたことや懐かしむ気持ち、また感傷的であったりどこかノスタルジックなことに対しても「エモい」と使われています。 例えば幼少期に観ていたアニメなどをひさびさ目にして懐かしむ気持ちを「エモい」と表現します。 そもそも「情緒」とは「ある事に触れることで、起きるさまざまの微妙な感情」という意味でありはっきりとした定義がないため、最近では「エモい」は「なんとなくいい」「何かを感じる」ことに対して幅広く使われています。 そこから、何かを思うことがあればどんなことでも使う人が増えてきて、「今日もエモい」「カレーがエモい」「あの女優はエモい」など、よく意味がわからない使い方もされています。 もはや「エモい」をその場面で使う意味がよくわからないけど「とにかく使う」ということが面白いとされているのもしばしば見受けられます。 また流行り、というのもあり「エモい」を使えばいいと思っている人や「エモい」と使えば面白いと思っている人もいるので、実際に「エモい」と表現したものが「感情が強く動かされるようなこと」ではないことが多くあります。 そのため、「このように使う」「この使い方は間違っている」と明言することは難しくなっています。 ただ、本来「エモい」は「感情が強く動かされるもの」「感情的なもの、感情に訴えかけてくるもの」などあまり日常では使われるものではありませんでした。 最近は「エモい」からさらに言葉が派生して使われているのでいくつか紹介します。
もはや「エモ」ならなんでもアリですね。 何がどうエモいのかはどうでもよくて、ただ「エモ」を使いたいだけの人が多いです。
「エモい!このバンド、超エモい!!!!!」 「甲子園はどの試合もエモい」 「部屋片付けてたら、エモい写真出てきた」 「あのバンドマンは髪型すらもエモい」 「あの映画は映像も音楽もセリフも何もかもがどこか懐かしくて切なくてエモい」
感情的 (意味:理性を失い感情がむき出しなる様子) 情緒 (意味:とある事に触れて起きる様々な微妙な感情のこと、それを起こさせる雰囲気) 情動 (意味:感情が急速に引き起こされ、それらの過程が一時的なものであり急激であるもの) 心に響く (意味:物事や言葉などで心を打たれ深く感じる様子) 感銘を受ける (意味:深く心が動くこと、忘れられないほど感動し心に刻むこと) ノスタルジック (意味:遠く懐かしいと思わせるもの、得がたいもの、郷愁) 心模様 (意味:心のありさま、心境がどうであるかの言い回し) 哀愁 (意味:物悲しい気持ち、なんとなく寂しく悲しいこと) 感傷的 (意味:感情が動かされやすくなっているさま、涙もろく悲哀の感情に動かされやすいさま)
「エモい」の英語表現は、「エモい」の語源である「emotional」になります。 「That's very emotional.」といえば「それはエモいね」となります。
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「エモい」について理解できたでしょうか?
若者言葉であり俗語なので、意味や由来と使われ方が外れていてもそこまで気になりません。ですが、ビジネスマンとしては正しい日本語を使いたいものです。 流行り言葉も正しく使いこなせるとかっこいいですよね。