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「臨場感」の意味と使い方、類語、対義語、英語を例文付きで解説

「臨場感」の意味と使い方を解説していきます。「臨場感」の類語「躍動感」「没入感」との違いは分かりますか?「臨場感」の類語や対義語、英語表現も例文付きで詳しく紹介していきます。

「臨場感」の意味

「臨場感」の読み方は「りんじょうかん」です。 「臨場感」の意味は「実際にその場にいるような感じ」です。 「臨場」には「物事が行われている場所に参加したり立ち会ったりすること」という意味があります。 「○○感」のように接尾語に「感」を用いることで、「〜な感じ」という意味合いを示すことができます。 例えば、「解放感」は「制限や束縛を解かれてほっとした感じ」という意味があります。

「臨場感」の使い方と例文

「臨場感」は実際にその場にはいないけれど、まるでその場にいるような感覚を味わう時に使います。 例えば、映画や音楽などを観賞した時、「臨場感を味わう」のように、まさに自分がその映画や音楽の世界にいる錯覚を起こすようなことを表現します。 流行している「VR(バーチャルリアリティ)」でも「臨場感あふれるVR」などという形で使います。 「臨場感が○○」「臨場感を▲▲」「臨場感に□□」という形で使われるのが一般的です。 また、助詞なしで「臨場感あふれる」などの形でも使います。 「臨場感」の主な言い回しは、

  • 臨場感がある
  • 臨場感がない
  • 臨場感が出る
  • 臨場感を与える
  • 臨場感を高める
  • 臨場感を感じる
  • 臨場感を持つ
  • 臨場感に圧倒される
  • 臨場感あふれる
  • 臨場感たっぷり

などがあります。 「臨場感を感じる」などの「◯◯感を感じる」を二重表現だと主張する人もいますが、許容されています。 確かに漢字は同じですが、それぞれ「◯◯感」の「感」は「◯◯のような」、「感じる」は「知覚する」で意味が違います。

「臨場感」の例文

  • ライブDVDは、観客の歓声や歌手のトークなども収録されているので、十分に臨場感を味わうことができる。
  • 最新テクノロジーを搭載したホームシアターの映像と音楽の臨場感に圧倒される。
  • 最近話題の4DXの映画は、座席シートが動いたり香りや水、風を使用していて、臨場感あふれる映画の世界を楽しむことができる。

「臨場感」と「躍動感」の違い

「臨場感」に似た言葉に「躍動感」があります。 読み方は「やくどうかん」です。 「躍動感」の意味は「生き生きと活動することがわかる様子や雰囲気」です。 「躍動」の意味は「生き生きとしていて勢いのあること」です。 この言葉に、先程もご紹介した「○○のような」を表す「感」を加え、「躍動感」となります。 「臨場感」と同様、「躍動感がある、ない」「躍動感あふれる」という形で使うのが一般的です。 「臨場感」と「躍動感」は全く異なる言葉で、「臨場感」は雰囲気に対して使い、「躍動感」は人の動きに対して使う言葉です。 そのため、人に対して「臨場感がある」、人の動きに対して「臨場感がある」とは言いません。 例えば、映画を観た感想で「臨場感や躍動感を味わうことができる最高の映画」と言った人がいるとします。 この場合「臨場感」は、「(実際はいないけれど)映画の舞台にいるような感覚」という意味で、「躍動感」は「映画に出てくる人物、空、雨、風などの生き生きとした様子が伝わる」という意味で使われています。

「臨場感」と「没入感」の違い

「没入感」は「ぼつにゅうかん」と読みます。 「没入」の意味は、「一つのことだけに集中すること」です。 それに接尾語として「感」を加え、「他の事が気にならなくなるくらい一つのことに没頭している様子や度合い」という意味合いになります。 「没入感」は、「没入感を高める」「没入感を確保する」といった形で使います。基本的には良い意味で使われる言葉です。 主にゲーム、映画、音楽などに対して使い、他の事を忘れるくらいのめりこむことができる感覚を表します。 よって、「臨場感」と「没入感」の違いですが、

  • 「臨場感」は、あたかもその場所にいるかのような感覚
  • 「没入感」は、没頭するあまり周りが気にならなくなる感覚

になります。

「臨場感」の類語

「臨場感」の類語は上記でご紹介した「躍動感」以外に、

  • 迫力
  • 立体感
  • 力感
  • 圧迫感
  • 威圧感
  • ライブ感
  • リアリティのある

などがあります。 基本的に上記の類語は「○○がある」「○○がない」「○○あふれた」の形で使います。 「迫力」とは「人の心にせまる力」の意味があり、「ド迫力」や「迫力満点」などと使います。 「立体感」は「平面ではなく奥行きや厚みなどがある感じ」という意味があり、2D映画などの平面なものもしくは音楽など姿かたちのないもので臨場感あふれるものに対して使います。 また、「圧迫感」や「威圧感」などは「強く押さえつけられている感覚」「相手を恐れさせる」などネガティブな表現になります。

例文

  • 先日公開されたアクション映画は、大迫満点なものだった。
  • 音響設備を整えた結果、CDの音色に立体感がうまれた。

「臨場感」の対義語

「臨場感」の対義語を「本当のことなのに実感が沸かない」と定義すると、

  • 夢のような
  • 夢幻
  • 白昼夢
  • 非現実的
  • ファンタジー

が反対語にあたります。

例文

  • A監督の新作映画には、なぜか臨場感を全く感じなかった。
  • 自宅で観るDVDはやっぱり臨場感がない。

「臨場感」の英語

「臨場感」の英語表現には、

  • realistic feeling
  • feeling of being at...
  • as if you are there

などがあります。 「realistic feeling」は直訳すると「本物のような感覚」となり「臨場感」のニュアンスで使うことができます。 「feeling of being at...」は「...にいるような感覚」という意味です。 「生演奏にいるような感覚(=生演奏の臨場感)」と表したい時は「feeling of being at a live performance」となります。 「as if...」は「(実際にはそうではないと思われるが)あたかも...であるかのように」という意味です。 「実際にはいないが、あたかもそこにいるかのように」は「as if you are there」となります。

Music theater gives you more realistic feeling than at home.

音楽劇場は(自宅より)臨場感を味わえる。

The DVD gives you the feeling of being at a live performance.

ライブパフォーマンスの臨場感が味わえるDVDだ。

The CD makes you feel as if you are really there.

CDはあたかもあなたがそこにいるかのような感覚にさせる(=臨場感のあるCDだ)

まとめ

いかがでしたか? 「臨場感」について理解は深まりましたか?

  • 読み方は「りんじょうかん」
  • 意味は「実際にその場にいるような感覚」
  • 実際にその場にはいないけれど、まるでその場にいるような感覚を味わう時に使う
  • 類語は「迫力」「立体感」「ライブ感」など
  • 対義語は「臨場感がない」
  • 英語表現は「realistic feeling」など

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