「シニア」の語源は英語「senior」ですが、このまま英語で「senior」を使うことはできるのでしょうか?他に「シニア」を意味する英語はあるのでしょうか?「シニア」の英語表現を徹底的に解説します。
カタカナ語の「シニア」は、英語でもそのまま「senior」で表すことができます。 「高齢者」「お年寄り」という意味です。 この意味の「senior」は名詞なので、老人全体を指して使う場合は「seniors」と複数形で使います。 アメリカ英語では「seniors」といいますが、イギリス英語で「senior citizens(年を取った市民)」が一般的です。 「senior」の略は「Sr.」です。
Why are seniors so stubborn?
なぜシニアはあんなに頑固なのか。
「シニア」の英語には「older people」もあります。 英語圏の新聞でもフォーマルな英語表現として「older people」は非常によく使います。 「older」は「old」の比較級ですが、何かと具体的に比較したわけではなく、「old」の婉曲表現(遠回しの言い方)です。 漠然と「比較的に年が上の方の」というニュアンスです。 「old people」としてしまうと「老人」「年寄り」とかなりカジュアルな響きになってしまいます。 「old man」なら「おっさん」と意味になります。「older man」なら「年配の男性」という意味になります。
Older people are more at risk from this type of flu.
シニアはこの型のインフルエンザにかかるリスクがより高い。
「old people」の婉曲表現には「elderly people」もあります。 「elderly」は「old」を丁寧に言った語で、こちらも新聞や論文などでよく見かけます。 「the elderly」でも「高齢者」という意味になります。これは社会全体にいる高齢者を集合的に指す時に使います。 「elderly behavior problems」で「老害」という意味になります。 「aged people」は「elderly people」よりも年が上です。 厳密には「elderly people」は60歳から74歳、「aged people」は75歳以上を指します。 「aging parents」という言い方もよく使います。 これは「年をとってきた親」という意味合いです。 「年をとる」という意味の動詞「age」の現在進行形が「aging」です。 「when they get older」「as they age」などと言い換えることも可能です。
A large number of elderly people live alone in Japan.
日本では多くのシニアが一人で住んでいる。
My parents started listening to me as they age.
両親はシニアになるにつれて、私の話に耳を傾けるようになってきた。
日本では「老年世代」のことを「シルバー」といいますよね。 しかし、これは和製英語なので注意です! 日本の鉄道における「シルバーシート」が由来です。 現在は優先席はシルバーでないので、若い世代の方々はイメージがしづらいかもしれません。 「シルバー割引」は英語で「senior discount」といいます。 色関連でもう一つ申し上げると「白髪」の英語は「white hair」ではなく「gray hair」です。 「gray」のスペルは「glay」ですとロックバンドになってしまうので気をつけましょう。
「シニア」の語源である英語「senior」です。 「年配者」以外にも多くの意味と使い方がありますので、紹介していきます。 さらに英語「senior」の語源は、ラテン語「senior」です。 ラテン語「senior」は、「年をとった」を意味するラテン語「senex」の比較級です。 「senior」に「or(er)」が付いていたのは、もともと比較級だったからです。 「senior」の言い換えに「older people」があるのも頷けます。
「senior」には「年上」という意味があります。 語源で比較級であることを説明したことから、ご納得いただけるかと思います。 ただし、文法が少し特殊なので、注意です。 さっそく例文で確認してみましょう。 下記の4つの例文はすべて同じ意味です。
She is two years my senior.
彼女は私より2歳年上です。
She is my senior by two years.
彼女は私より2歳年上です。
She is two years older than me.
彼女は私より2歳年上です。
She is older than me by two years.
彼女は私より2歳年上です。
「senior」は「ランクが上の人」という意味もあります。 主にビジネスシーンで使用し、日本語なら「上司。上長」といったニュアンスです。 名詞または形容詞として使います。
The senior manager is responsible for planning and directing the work of a group of individuals.
上級管理職は、チームの作業を計画および指示する責任があります。
Technology industry needs more women in senior jobs.
テクノロジー産業は、管理職にもっと女性が必要だ。
She is senior to me, so I have to do whatever she tells me.
彼女は私の上司なので、彼女が言うことは何でもやらなければならない。
You have to impress your seniors to be promoted.
昇給するには上司によい印象を与えなくてはならない。
日本とは違い、アメリカでは高校でも四年制のところが多いです。 高校や大学の「四年生」のことを「senior」といいます。 一年生は「freshman」、二年生は「sophomore」、三年生は「junior」、四年生は「senior」です。 これらは名詞です。 形容詞として使うこともできます。
Jack is in his senior year of college.
ジャックは大学四年生だ。
「senior」の対義語「junior」です。 しかしながら、「junior」は「senior」と同じようには使用しません。 「senior」は広く「高齢者」を意味しましたが、「junior」は広く「若者」という意味で使うことはできません。 「junior」は「スポーツなどのアクティビティに参加している人の中で、一定の年齢未満の子供たち」を指します。 小学生くらいの特に若い子たちを指して使います。
This is a soccer class for juniors only.
これはジュニア向けのサッカー教室です。
「若者」を意味する一般的な英語は「young people」です。 「young people」はフォーマルな場面でも日常会話でも使うことができます。 「older people」とは違い、「younger people」とはしません。