「遮二無二(しゃにむに)」の意味は「あれこれ考えずにことを運ぶ様子」です。今回は「遮二無二」の正しい意味と使い方を例文つきで紹介します。語源や類語、英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「遮二無二」の読み方は「しゃにむに」です。 「遮二無二」の意味は「あれこれ考えずにことを運ぶ様子」です。 なんとしてもやらなければと思い込んで、後先考えずに強引に行動する様子を言い表します。
「遮二無二」は方言ではありません。 「遮二無二」は「遮二」と「無二」と組み合わせてできた言葉です。 「二」は「次」を指し、「遮二」は「二を遮ること」です。一つのことに集中することを言い表しています。 「無二」とは「次がないこと」です。後先のことを考えないことを言い表しています。 この「遮二」と「無二」と組み合わせて「後先考えずに、強引にことを運ぼうとする様子」を言い表す言葉として使用されています。 また、「理屈にかなわず強引に押し通そうとする」という意味の「しゃりむり(差理無理)」が変化した語とも言われていますが、定かではありません。
「遮二無二」は、あれこれ考えずにがむしゃらに物事に取り組む様子を言い表すことができます。 例えば、借金を返すためにとにかくがむしゃらに働いているという状態を言い表すときです。 「遮二無二働く」「遮二無二頑張る」というように副詞として使用します。 ただし、「遮二無二に」とはしません。 「遮二無二に働く」は誤用となります。 また、「遮二無二」を名詞として「遮二無二な働き方をする」なども誤りなので注意しましょう。
「遮二無二」の例文
「我武者羅」は「がむしゃら」と読みます。 「我武者羅」の意味は「よく考えないで、勢いをもって物事を行うこと」です。 「が」「ら」は接辞で、「むしゃ」は「むさ」「むちゃ」と同源です。 周囲の思惑や事の成否などは考えずに自分のやろうと思ったことを強引にやってしまうようすをいいあらわします。 「我武者羅」は「遮二無二」と同義です。
「無二無三」は「むにむさん」と読みます。 「無二無三」は、「わき目もふらず、一心に物事を行うこと」です。 元は、「仏となる道には二乗も三乗もなく、ただ一乗だけである」という意味の仏教語です。 「無二無三」も「遮二無二」と同義です。
「一心不乱」は「いっしんふらん」と読みます。 「一心不乱」の意味は「一つのことに心を集中し、他のことで心が乱されないこと」です。 「一心」には「一つのことに集中すること」、「不乱」には「心を乱されること」という意味があります。 「一心不乱」も「遮二無二」と同義です。
「無我夢中」は「むがむちゅう」と読みます。 「無我夢中」の意味は「あることに心を奪われて、われを忘れた状態になること」です。 我を忘れ他のことをかえりみないほど、ある物事に熱中することを言い表します。 「無我」は「我を忘れること」、「夢中」は「物事に熱中して、他をかえるみるゆとりのない状態」という意味です。 「他の事を忘れてしまうほど心を奪われる」という意味なので、「遮二無二」とはニュアンスは異なりますが類語であるといえます。
「死にもの狂い」は「しにものぐるい」と読みます。 「死にもの狂い」の意味は「死ぬことも恐れないで奮闘をすること」です。 死んでもかまわないという気持ちで懸命に物事にあたる様子をいいあらわします。 懸命に物事にあたる様子を言い表す言葉として「遮二無二」の類語であるといえます。
「遮二無二働く」の英語は「work like crazy」「work like a dog」と表現します。 これらは口語的な表現です。 「work frantically」だと堅い表現になります。
I've been working like crazy all week.
一週間遮二無二働いている。
「make a desperate effort」で「遮二無二努力する」という意味です。
She made a desperate effort to save her son.
彼女は息子を守るために、遮二無二頑張った。