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「敷く」と「布く」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「敷く」と「布く」は、どちらも「しく」と読む同音異義語です。「敷く」は、物を平らに広げておくこと、引き並べて鉄道やケーブルなどを作るという意味です。「布く」は、広く行き渡らせることという意味です。

「敷く」と「布く」の違い

敷く(しく)
平らに広げること。
布く(しく)
広く行き渡らせること。

「敷く(しく)」の原義は、物を平らに広げておくことです。 例えば「じゅうたんを敷く」「布団を敷く」などと使います。 転じて、①線条の物を引き並べて鉄道やケーブルなどを作る ②命令や政治体制を築く ③人を配置して陣立てや態勢を作るという意味でも使います。 「布く(しく)」の原義は、広く行き渡らせるです。 ①線条の物を引き並べて鉄道やケーブルなどを作る ②命令や政治体制を築く ③人を配置して陣立てや態勢を作るという意味で使われます。 一つ目の意味では、例えば「線路を布く」「電線を布く」などと使います。 二つ目の意味では、例えば「軍政を布く」「善政を布く」などと使います。 三つ目の意味では、例えば「厳戒態勢を布く」「捜査網を布く」などと使います。 「敷く」は物を平らに広げることを表し、「布く」は広く行き渡らせることを表すという違いがあります。 例えば、「砂利をひく」は、砂利を平らに広げることを意味しているので「敷く」を使うのが正確です。 ただし、「布く」は、表外読み(表外音訓)です。表外読み(表外音訓)とは、常用漢字表にない読み方のことです。そのため、新聞や公的文章では使われません。新聞や公的文章では、一般的に「敷く」と書きます。

「敷く」の意味と使い方

「敷く」は「しく」と読みます。 「敷く」の意味は、

  1. 平らに広げならべる。また、一面に平に並べたり散らばらせたりする
  2. 線条の物を引き並べて鉄道やケーブルなどを作る
  3. 命令や政治体制を築く
  4. 人を配置して、陣立てや態勢を作る
  5. ある物を平らにしてあるものの下に置く
  6. 押さえつけて自由を奪う
  7. 一面に積もる

です。 「敷」には、「しきならべる。ひろげる。すべてにわたって」という意味があります。 「敷く」の一つ目の意味は、物を平らにのべ広げるです。 例えば「カーペットを敷く」などと使います。 二つ目の意味は、何かの目的のために物を一面に並べたり、作ることです。 例えば「電車が走るためのレールを敷く」などと使います。 三つ目の意味は、命令や政治体制を築き広く行き渡らせることです。 例えば「厳戒態勢を敷く」などと使います。 四つ目の意味は、人を配置することです。 例えば「犯人逮捕のために捜査網を敷く」などと使います。 五つ目の意味は、あるものを下に置くことです。 例えば「鍋の下に新聞を敷く」などとつかいます。 この場合は「藉く」と書くこともできます。 ただし、「藉」は常用漢字ではないので新聞や公用文では使われません。 六つ目の意味は、おさえつけてとやかく言わせないことです。 例えば「尻に敷かれる」などと使います。 七つ目の意味は、一面に積もることです。 例えば、桜の花びらが敷き積もるなどと使います。 ちなみに「引く」と混合して「布団を引く」などと使う人も多いですが、これは誤用です。 「引く」には、物を平らに並べたり広げるという意味はありません。

「敷く」の例文

  • 寒くなってきたのでそろそろ電気カーペットを敷くことにした。
  • 敷かれたレールの上を歩いているだけなんでつまらない。
  • 経済の施策を敷く。
  • テーブルを焦がさないように鍋の下に鍋敷きを敷いた。
  • 私は夫を尻に敷いている。

「布く」の意味と使い方

「布く」は「しく」と読みます。 「布く」の意味は、

  1. 線条の物を敷き並べて鉄道やケーブルなどを作る
  2. 命令や政治の体制を築く
  3. 人を配置して、陣立てや態勢を作る

です。 「布」には「しく。ひろげる。広くいきわたらせる」という意味があります。 「布」を含んだ熟語には「散布(さんぷ)」「布教(ふきょう)」などがあります。 「布く」の一つ目の意味は、何かの目的のために物を一面に並べたり、作ることです。 例えば「歩道にレンガを布く」などと使います。 二つ目の意味は、命令や政治の体制を築くことです。 例えば「政治を布く」などと使います。 三つ目の意味は、人を配置して、陣立てや態勢を作ることです。 例えば「国を守るために防衛隊を布く」などと使います。 「布く」は、表外読み(表外音訓)です。 表外読み(表外音訓)とは、常用漢字表にない読み方のことです。 「布」の常用漢字表にある読み方つまり表内読み(表内音訓)は「フ」「ぬの」です。 そのため、新聞や公的文章では使われません。 新聞や公的文章では、一般的に「敷く」と書きます。

「布く」の例文

  • 和室とは、畳が布いてある和風の部屋のことです。
  • 警戒線が布いてあることに気がつき動きを止めた。
  • 歩兵隊は前進し、戦闘隊形を布いた。

まとめ

「敷く(しく)」の意味は「平らにひろげること」です。 「布く(しく)」の意味は「広く行き渡らせること」です。 例えば「地面にシートをしく」であれば、「敷く」を使います。

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