「救う(すくう)」と「掬う(すくう)」の違いをご存知でしょうか。読み方は同じですが意味が違う言葉なので注意が必要です。今回は、「救う」と「掬う」の意味と違いを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「救う」と「掬う」はどちらも「すくう」と読む同音異義語です。 「救う」の意味は、危機的状況にあるものを助けることです。 例えば、「溺れている人を救う」「悩める人を救う」などと使います。 「掬う」の意味は、液状・粉末状のものの表面に軽くさわるようにして表面にあるものや中にあるものを取り出すことです。 例えば「川の水を手で掬う」「小さじ1杯の塩を掬う」などと使います。 ただし、「掬う」は常用漢字ではありません。 よって、新聞や公用文などでは一般的に平仮名で表記されます。 「金魚をすくう」のように、「救う」と「掬う」のどちらも使える場合があります。 「金魚を救う」は、金魚を助けるという意味になり「金魚を掬う」は、金魚を水面から取り出すという意味になります。
「救う」は「すくう」と読みます。 「救う」の意味は、
です。 「救」には「すくう。たすける。まもる」という意味があります。 「救」を含む熟語には「救援(きゅうえん)」「救急(きゅうきゅう)」などがあります。 「救う」の一つ目の意味は、力を尽くして危難を免れさせることです。 例えば「遭難している人を救う」などと使います。 二つ目の意味は、宗教などによって悪を正したり迷いや苦しみを免れさせることです。 例えば「キリスト教に救われる」などと使います。 三つ目の意味は、悪い状況や環境にある人を励ましたり力を貸したりして免れるようにすることです。 例えば「難民を救う」「倒産の危機から救う」などと使います。 「救う」は、「済う」と書くこともできます。 ただし、「済う」は表外読み(ひょうがいおんくん)です。 表外読みは、常用漢字表にのっていない読み方のことで新聞や公用文では使われません。 一般的には「救う」と書きます。
「救う」の例文
「掬う」は「すくう」と読みます。 「掬う」の意味は、
です。 「掬」には「すくう。くむ。両手ですくいあげる」という意味があります。 「掬う」の一つ目の意味は、液状・粉末状のものの表面に軽くさわるようにして、その表面にある物やその一部を取り出すことです。 例えば、「お玉で煮物のあくを掬う」などと使います。 二つ目の意味は、下から上にさっと持ち上げることです。 例えば「犯人の足を掬って転ばせる」などと使います。 「掬う」は、「抄う」と書くこともできます。 ただし「掬う」は常用漢字ではなく「抄う」は表外読み(表外音訓)です。 よって、どちらも新聞や公用文では使われません。
「掬う」の例文