「ただし」は「前に述べたことに条件や例外など補足をするときに使う接続詞」で、「しかし」は「前に述べられたことを受けてそれとは対立する事柄を述べるときに使う接続詞」です。今回は「ただし」と「しかし」の意味と違いを紹介します。
「ただし」は前に述べたことに条件または例外を補足するときに使います。 条件の意では「自由に出かけてよい。ただし、門限を守ること」などと使います。 「明朝9時集合。ただし、雨の場合は中止」は例外のようにも見えますが、条件です。 未来に関する文章で使われる「ただし」は条件を表します。 条件の「ただし」は「しかし」に言い換えることができません。 例外の意では「彼女はとても器用だ。ただし、子育ては苦手だ」などと使います。 例外の「ただし」は、「しかし」に言い換えることが可能です。 「ただし」はあくまでも補足なので、先に述べることが重要です。 一方、「しかし」は対立事項を述べる接続詞なので、後に述べることに重きが置かれます。 例外の「ただし」と「しかし」のどちらを使うかは話者の意図によります。(あまり使い分けを意識せずに使っている人が多いです) 逆に、後に述べる内容が条件でも例外でもない場合は「ただし」を使うことはできません。 例えば、☓「絵は上手だ。ただし、字は下手だ」などとするのは誤りです。 この場合は「絵は上手だ。しかし、字は下手だ」と言い換える必要があります。
「ただし」は、副詞「ただ」と副助詞の「し」を組み合わせた接続詞です。 漢字で表記すると「但し」になります。 「ただし」は、前に述べたことに条件や例外など補足をするときに使います。 例えば、「自由に外出することを許す。ただし、門限は必ず守ること」という使い方をします。 この場合、「自由に外出を許す」という前の文章に対して「門限は必ず守ること」という条件を提示しています。 例外を提示する場合は、「野菜嫌いで必ず残す。ただし、外食では食べる」という使い方をします。 後ろに続く文章が、前の文章に対して条件や例外など補足ではない場合は「ただし」を使用することはできません。
「ただし」の例文
「しかし」は接続詞です。 漢字で表記すると「然し」または「併し」になります。 「しかし」は、前に述べられたことを受けて、それとは対立する事柄を述べるときに使います。 例えば「今日は雨の予報だ。しかし晴れている」というように前の内容を否定したり、その内容から予想される事と反対のことを述べること表すときに使用することができます。 また、「しかし」は文頭におくことで「それにしても」という意味になります。 例えば「しかし、今日はほんとうに天気が悪いですね」というように、それまでの話題とは全く関係のない新たな話題を導入するときに使用することができます。 口語で「しかし君はほんとうに頭が良いねえ」などと、特に前の話しの内容を受けずに感心したりあきれたりした気持ちを含んで感動詞的に用いることも可能です。
「しかし」の例文