「寄る」「因る」「拠る」「依る」「由る」は、すべて「よる」と読む異字同訓です。 「寄る」は人や物、地点や場所に近づくことという意味です。「因る」はそれが原因になるという意味です。「拠る」の意味はそれが基準や理由、根拠となるという意味です。「依る」は手段や方法という意味です。「由る」は「因る」と同じ意味です。
「寄る(よる)」の意味は、ある人や物、またはある地点・場所・方向に近づくことです。 例えば「近くに寄る」「都心に寄りの場所に引っ越す」などと使います。 また、ある所へ向かう途中で他の場所を訪れるという意味もあります。 例えば「本屋に立ち寄る」「飲み屋に寄って帰る」などと使います。 「因る(よる)」の意味は、それが原因になるです。 例えば「不注意に因る事故」「人身事故に因る遅延」などと使います。 「由る(よる)」は、「由る」と同義です。 「由る」は表外読み(表外音訓)なので、新聞や公用文では「因る」もしくは平仮名で表記されます。 「拠る(よる)」の意味は、それが基準や理由、根拠となるです。 例えば「実験に拠って出した結果」「資料に拠ると1990年に建設されている」などと使います。 「拠る」も表外音訓であるため、一般的には平仮名で表記されます。 「依る」の意味は、手段・方法です。 例えば「パソコンに依って作成された文章」などと使います。 また、頼る・依存するという意味で使うこともできます。 例えば、「生活保護に依る生活」などと使います。 「寄る」「因る」「拠る」「依る」「由る」は、それぞれの意味によって使わけることができます。 しかし、一般的には平仮名で書かれることが多いので、迷ったときは、平仮名で書けば問題ありません。 ちなみに「よる」と読む漢字にはその他にも「縁る」があります。 「縁る」は、「因る」「由る」と同義です。
「寄る」は「よる」と読みます。 「寄る」の意味は
です。 「寄」には「たちよる。身をよせる。あずける。集める」という意味があります。 「寄る」の一つ目の意味は、その方向へ近づくです。 例えば「黒板が見えるように前の方へ寄る」などと使います。 二つ目の意味は、一箇所に集るです。 例えば「三人が寄る」であれば、三人が一箇所に集まるという意味になります。 また、「しわが寄る」のように、しわが一箇所に集ま生じるという意味で使うこともできます。 三つ目の意味は、考えがそこに至ったり、思い及ぶことです。 例えば「失敗するなんて思いも寄らなかった」などと使います。 この場合は、平仮名で表記されることも多いです。 四つ目の意味は、目的の所へ行く途中、ついでに他の所をたずねることです。 例えば「会社に行く前にカフェに寄る」などと使います。 五つ目の意味は、体の上部や手を、そのものにもたせかけることです。 例えば「大きな木に寄る」などと使います。 この場合は「倚る」または「凭る」と書くこともできますが、どちらも常用漢字ではないため「寄る」でまかなわれることが多いです。
「寄る」の例文
「因る」は「よる」と読みます。 「因る」の意味は、「それが原因になる」です。 「因」には「もと。事のおこり。由来」という意味があります。 「因る」は、それに原因があるという意味で使われます。 例えば、「脇見運転に因る事故」などと使います。 これは、脇見運転が原因で起きた事故という意味です。 「由る」と書くこともできます。
「因る」の例文
「拠る」は「よる」と読みます。 「拠る」の意味は、
です。 「拠」には「たよる。たてこもる。よりどころ」という意味があります。 「拠る」の一つ目の意味は、それが基準や理由、根拠となるです。 「〜に拠れば」「〜に拠るとなどの形で助詞的に使います。 例えば「資料に拠れば、この場所に城が建てられていた」などと使います。 二つ目の意味は、根拠地として立てこもることです。 例えば「高尾山に寄って戦う」などと使います。 「拠」は表外読み(表外音訓)です。 表外読みとは、常用漢字表に載っていない読み方のことをいいます。 よって、新聞や公用文では平仮名で表記されることが多いです。 ただし、二つ目の「根拠地として立てこもる」という意味では「拠る」と漢字で書かれることが多いです。
「拠る」の例文
「依る」は「よる」と読みます。 「依る」の意味は、
です。 「依」には「たよる。よりかかる」という意味があります。 「依る」の一つ目の意味は、それを手段とするです。 例えば「パソコンに依って作られた文章」などと使います。 二つ目の意味は、それに頼ること・依存することです。 例えば「親の仕送りに寄って生活をする」などと使います。 三つ目の意味は、そのことに関係する・それに応じるです。 例えば「時と場合に寄っては、対策を変える」などと使います。
「依る」の例文
「由る」は「よる」と読みます。 「由る」の意味は、「由来する」です。 「由」には「いわれ。わけ」という意味があります。 「由る」は、「因る」と同義です。 例えば「二人は彼氏の浮気に由って破局した」などと使います。 ただし、「由る」は表外読みです。 よって、新聞や公用文では使用されません。 一般的には「因る」もしくは平仮名で表記されます。
「寄る」「因る」「拠る」「依る」「由る」は、すべて「よる」と読みます。 「寄る」は、ある人や物、またはある地点・場所・方向に近づくという意味で使います。 「因る」「由る」は、それに原因があるという意味で使います。 「拠る」は、それが基準や理由、根拠となるという意味で使います。 「依る」は、それを手段とするという意味で使います。 例えば「帰りにコンビニによる」であれば、「寄る」を使います。