「頭脳明晰(ずのうめいせき)」とは「頭の働きがすぐれている。思考力や判断力が高い」という意味の四字熟語。「頭脳」とは「頭の働き」の意で才能と知恵を指す。「明晰」は「明らかではっきりしている」の意。「明」と「晰」は同義語。
「頭脳明晰」の読み方は「ずのうめいせき」です。 「頭」は音読みで「ズ」、「脳」は音読みで「ノウ」、「明」は音読みで「メイ」、「晰」は音読み「セキ」と読みます。 「頭脳明晰」の「晰」は「析」ではありません。 「析」も音読みで「セキ」と読みますが「頭脳明析」とは書かないので注意してください。
「頭脳明晰」の意味は「頭の働きがすぐれていて、才知が明らかなこと」です。 「頭脳解析」は「頭脳」と「明晰」という二つの熟語から成り立つ四字熟語です。 「頭脳」は「頭の働き・才知と知恵」という意味です。 「才知」とは、「才能と知恵」のことで、考えて物事に対応する能力のある人を「才知にたける」といいます。 「明晰」は「明らかではっきりしていること」という意味です。 頭の働きがすぐれていて、物事に対して明確な判断力があることを「頭脳明晰」といいます。
「頭脳明晰」は、「頭脳明晰な女性」というように人に対して使用する言葉です。 頭の回転が早くはっきりと明確な判断ができる人に対する褒め言葉として使用されます。 また、「頭脳明晰で〜...だ」「頭脳明晰ぶりに〜...」という使い方をすることができます。
例文
「頭がいい」は「頭脳明晰」の類語ですが、「頭がいい」というのは「知能があって優れていること」です。 「頭脳明晰」は「知能がある」というだけではありません。 例えば勉強ができる・成績が優秀というだけでは「頭がいい」とは言えても「頭脳明晰」とはいえません。 「頭脳明晰」とは、知能があるだけではなく思考力があって物事に対して明確な判断力があることです。
「聡明」は「そうめい」と読みます。 「聡明」の意味は「理解力・判断力にすぐれ賢いこと」です。 「聡」には「耳がよく聞こえる」「明」には「目がよく見える」という意味があります。 この二つの漢字を組み合わせて「理解力や判断力がある」という意味になります。 「判断力がある」という意味であるため「聡明」は「頭脳明晰」の類語であるといえます。
「頭が切れる」は「あたまがきれる」と読みます。 「頭が切れる」の意味は「物事の考え方が鋭いこと」です。 頭の回転が早く物事を処理する能力にすぐれていることを「頭が切れる」といいます。 例えば何か予想外の問題が起きても瞬時に解決策を見出して素早く解決することができるような人を、「頭が切れる人」と言い表すことができます。 物事を処理する能力に優れているという点で「頭脳明晰」と類語であるといえます。
「利発」は「りはつ」と読みます。 「利発」の意味は「賢いこと」です。 知能があって頭の回転が速いことを「利発」といいます。 ただし、「利発」は「年齢の割に賢い」という意味で、幼児や若者に対して使用される褒め言葉で使用される言葉です。 頭の回転が早くて優れているという意味では「頭脳明晰」と類語ですが、使用できる対象が異なるので注意しましょう。
「機転が利く」は「物事に応じてすぐに個々とが働くこと」です。 状況に応じた行動をすぐにとることができることを「機転が利く」といいます。 状況に応じた行動をすぐにとることができるということは、頭の回転が早く判断力があるということです。 したがって、「機転が利く」は「頭脳明晰」の類語であるといえます。
「才気煥発」は「さいきかんぱつ」と読みます。 「才気煥発」の意味は「状況に応じて素早く反応して、才能が発揮されること」です。 「才気」は「知恵の働き」、「煥発」は「表に輝き表れている」という意味の熟語です。 状況に応じた素早い判断ができるなど、優れた才能や知恵が火の燃えるように光輝き外に表れていることを「才気煥発」といいます。
「英明果敢」は「えいめいかかん」と読みます。 「英明果敢」の意味は「才能があり、道理が明るく思い切りの良いこと」です。 「英明」は「賢く判断力がすぐれていること」、「果敢」は「思い切って物事を行う様」という意味の熟語です。 知恵を活かし判断をすることができるでけではなく、思い切って物事を行うことができる人を「英明果敢」といいます。 「思い切りの良さ」が意味に含まれている点が「頭脳明晰」とは異なる点です。
「才学非凡」は「さいがくひぼん」と読みます。 「才学非凡」の意味は「学問において人並み優れた力をもっていること」です。 「才学」は「学問」、「非凡」は「人並み優れていること」という意味の熟語です。 「才学非凡」は学問において優れていることを意味する四字熟語なので、「頭脳明晰」よりも意味が狭いですが「賢く優れている」という点においては類語であるといえます。
「冷静沈着」は「れいせいちんちゃく」と読みます。 「冷静沈着」の意味は「落ち着いていて動じないこと」です。 「冷静」は「感情に動かされないこと」、「沈着」は「落ち着いていること」という意味の熟語です。 どんな事が起きても動じることなく冷静に対処できる人を「冷静沈着」といいます。 「知恵があって判断力がある」ということを言い表す「四字熟語」とは異なり、感情をコントロールすることができていつでも落ち着いている人を言い表す四字熟語です。
「眉目秀麗」は「びもくしゅうれい」と読みます。 「眉目秀麗」は「顔立ちが優れていて美しいこと」です。 「眉目」は「顔の様子・顔立ち」、「秀麗」は「すぐれて美しいこと」という意味の熟語です。 主に、顔立ちのきれいな男性に対する褒め言葉として使用される四字熟語です。 「眉目秀麗」は顔立ちの良さを言い表す四字熟語であり、頭の良さや判断力があることを言い表す四字熟語ではないため「頭脳明晰」の類語ではありません。
「容姿端麗」は「ようしたんれい」と読みます。 「容姿端麗」の意味は「顔立ちや姿が、きちんと整っていて美しいこと」です。 「容姿」は「姿や形、顔立ちと姿」、「端麗」は「整っていて美しいこと」です。 「容姿端麗」も顔や姿など容姿が整っていることを言い表す言葉であり、頭の良さや判断力があることを言い表す四字熟語ではないので類語ではありません。
「才色兼備」は「さいしょくけんび」と読みます。 「才色兼備」の意味は「すぐれた才能と美しい容姿を兼ね備えていること」です。 「才色」は「すぐれた才能と美しい容姿」、「兼備」は「兼ね備えている」という意味の熟語です。 賢さだけではなく容姿の美しさも兼ね備えていることを言い表す四字熟語なので、「頭脳明晰」の類語であるといえます。 ただし、「頭脳明晰」には容姿が優れているという意味はありません。
「無知蒙昧」は「むちもうまい」と読みます。 「無知蒙昧」の意味は「知識がなく、道理にくらいこと」です。 「無知」は「知識がないこと」、「蒙昧」は「物事の道理を知らないこと」という意味の熟語です。 知恵や学問がなく愚かな様子を言い表わした四字熟語が「無知蒙昧」です。 したがって、賢く判断力のある様子を言い表す「頭脳明晰」の対義語であるといえます。
「無学浅識」は「むがくせんしき」と読みます。 「無学浅識」の意味は「学問がなく知識がないこと」です。 「無学」は「学問がないこと・知識がないこと」、「浅識」は「知識がないこと」という意味の熟語です。 したがって、賢さを言い表す「頭脳明晰」の対義語であるといえます。 また、「無学無識」「無学無知」も「無学浅識」と同義であり、「頭脳明晰」の対義語です。
「無知無能」は「むちむのう」と読みます。 「無知無能」の意味は「知識がなく才能がないこと」です。 「無知」は「知識がないこと・知恵がないこと」、「無能」は「能力や才能がないこと」という意味の熟語です。 したがって、賢さや判断力があることを言い表す「頭脳明晰」の対義語であるといえます。
「頭脳明晰」を直訳したかの英語表現ですが、「clear head」というものがあります。 「clear head」は「はっきりと考える力」です。 「have a clear head」の形で使います。 人を指す形容詞にするには「clear-headed」とします。
I need to have a clear head for my meeting tomorrow, so I'll go to bed now.
明日は会議でしっかりしなきゃいけないので、もう寝るよ。
単に「頭が良い」という意味なら「smart」を使うことができます。 「知的な」という意味なら「intelligent」を使うこともできます。
She is such a smart person.
彼女はとても頭脳明晰な人です。
頭脳明晰な人は、論理的な思考をしているのが特徴的です。 「論理的思考」とは、例えば、「そのお店は土曜定休だ」==>「私はそのお店で働いている」==>「私は土曜日が休み」といったように、ある物事を並べて考えていくような思考のことです。 なので、何か問題がおきたときも、しっかり筋道を立てて問題を解決していくことができます。 決して感情論にまかせたり、根拠のない事実に振り回されて判断するようなことはありません。 頭脳明晰な人の発言や行動は、論理に基づいているので説得力もあり、信頼されやすいです。
頭脳明晰な人は、素早く的確な判断をすることができます。 知識もあり、瞬時に自分の知識をどのように活用できるのかを判断して決断をだすことができます。 判断をする場面においても、もちろん勘や勢いではなく論理に基づいているため的確です。 素早く的確な判断をすることができるため、信頼されていることが多いといえるでしょう。
頭脳明晰な人が、素早く的確な判断をすることができるのは、やはり頭の回転が早いからです。 頭脳明晰な人は、頭の回転が早いため瞬時に「今どうすることが最善なのか」を判断し行動に移すことができます。 また、判断力だけではなくタイムマネジメントの力もあります。 「どうすれば効率がいいか」ということを常に考えて行動することができ、どんなことも最小限の時間で済ませることができるので、「仕事ができる人」と思われていることが多いです。
頭脳明晰な人は、核心をつく発言をすることが多いです。 例えば、ふわっとした会話をしていてもズバっと話の本質を突く鋭い発言をします。 頭の回転が早く、判断能力に長けているので討論などで核心をつくのが得意なのです。 物事の核心をついて的を得た発言をするのは、賢さがないとできることではありません。 余計なことを言わずとも、ズバっと核心をついてくるのが頭脳明晰な人の特徴です。
頭脳明晰な人はいつも落ち着いていて、冷静に物事判断することができます。 何か問題がおきたときに、取り乱して騒いでいるような人は「頭脳明晰」とはいえませんよね。 頭脳明晰な人は、騒いだところで意味のないことをよく知っています。 取り乱している時間がもったいないので、落ち着いてどうすればいいかを考え判断していきます。