「明日は明日の風が吹く」の意味は「なるようになる」で、座右の名としても人気の言葉です。今回は「明日は明日の風がふく」の意味と使い方を例文付きで紹介します。類語や英語表現も合せて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「明日は明日の風が吹く」の読み方は「あしたはあしたのかぜがふく」です。 「明日」は「あす」とも読みます。 「明日」は常用漢字表で「あす」という読み方で表記されていますが、「あした」は「常用外読み」です。 「常用漢字表」とは現代社会における漢字の使い方の基準を定めたもので、新聞や公的文章では常用漢字表に載っていない読み方では使用されません。 世間一般では「明日」を「あした」と読むことも多く、「明日は明日の風が吹く」の場合も一般的には「あした」と読まれます。
「明日は明日の風が吹く」の意味は「なるようになる」です。 明日のことをくよくよ案じてていてもはじまらないという意味で、広辞苑にも記載されている正式な日本語のことわざです。 「結局なるようにしかならない」と開き直る意味や、明日に期待を寄せる意味で使用されます。 「明日のことは明日案じよ」「明日は明日の神が守る」「明日のために心配するな。明日は明日が自分で心配する。一日の苦労は一日で足りる。」ともいいます。 名言・座右の銘としても人気です。 特に物事を深く考えすぎたりする人にとって、「なるようになる」「ときには成り行きに任せても良いじゃない」と思うことは、心を楽にさせるため、座右の銘にしているという人は多いです。
「明日は明日の風が吹く」の語源は諸説あります。 一つ目は、落語や講談の中に取り入れられていた言い回しが由来となっているという説です。 昭和初期に、講談や落語の中で「明日の明日の風が吹く」という言い回しが取り入れられていて、それが流行し、ことわざとして確立したと言われています。
二つ目は、マーガレット・ミッチェルの長編小説を映画化した「風と共に去りぬ」という作品の中で、主人公が言った「Tomorrow is another day.」というセリフが語源となったのではないかという説です。 「Tomorrow is another day.」は直訳すると「明日はまた別の日」となります。 映画の中では「明日は良い日になる」という前向きな意味で使用されていますが、 このセリフが流行り次第に「なるようになる」という意味をもつことわざに変化していったのではないかと言われています。
石原裕次郎さんの歌にも「明日は明日の風がふく」というタイトルのものがあります。 ただし、石原裕次郎さんの「明日は明日の風がふく」が発表されたのは1985年ですから、語源となっているとは考えにくいです。
「明日は明日の風がふく」は、「物事はなるようになるのだから、いつまでも考えていても無駄だ」という開き直る意味合いで使用されます。 例えば、ギャンブルで全財産を使い込んでしまったとします。 「お金がないのに明日からどうやって生活しよう」と頭を抱えるのが普通ですが、そこで「まあ、明日は明日でなんとかなるでしょ。悩むのはやめよう」と開きなおるときに「明日は明日の風が吹くさ」などといいます。
「明日は明日の風が吹く」(ネガティブな意味)の例文
「明日は明日の風が吹く」は、自分や他人の不遇を慰める時も使用されます。 例えば、何か不運なことがあって悲しい気持ちになっているような場面で「明日は明日で新しい風が吹くのだから、いつまでも引きずらないで明日に期待しようよ」と伝えるときに使用します。
「明日は明日の風が吹く」(ポジティブな意味)の例文
「刹那的」の意味は「今のことしか考えないさま」です。 先々のことを顧みず、今この一瞬のことだけしか考えないことをいいます。 この「刹那的」はポジティブに捉える場合もネガティブに捉える場合もあります。 よい意味なら、先のことばかりを考えずに「今この瞬間を大切にすることができる」「行動力がある」です。 悪い意味なら、今だけのことしか考えず先のことを考えないので「計画性がない」「危険をかえりみない」という意味合いです。 先のことを考えすぎないという意味で「明日は明日の風が吹く」の類語であるといえます。
ことわざの類語なら「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」「人間万事塞翁が馬」などがあります。
「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」は「しずむせあればうかぶせあり」と読みます。 「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」の意味は「人生は浮き沈みがあり安定しない」です。 「人生は、不幸なことがあれば幸運なこともあるので、今不幸なことがあっても次には良いことがあるかもしれないので、くよくよするべきではない」ということを言い表していることわざです。
「人間万事塞翁が馬」は、「にんげんばんじさいおうがうま」と読みます。 「人間万事塞翁が馬」の意味は「人生の禍福は最後まで予測できない」という意味です。 「今が大変であってもこの先は良いことがある」というポジティブな意味でも、「良いことがあっても、悪いことが起きる可能性もある」というネガティブな意味合いで使用することもあります。
四字熟語だと「行雲流水」「諸行無常」「万物流転」なども「明日は明日の風が吹く」に近いです。
「行雲流水」は「こううんりゅうすい」と読みます。 「行雲流水」の意味は「成り行きに身をゆだねる」です。 「行雲」は「空行く雲」、「流水」は「流れる水」という意味で、空ゆく雲や流れる水のように心に執着することなく、物に応じ事に従って行動することをたとえた四字熟語です。
「諸行無常」は「しょぎょうむじょう」と読みます。 「諸行無常」の意味は「この世に存在するすべての物事は同じ状態を保つことなく移り変わり、永久不変なものなどないということ」です。 「諸行無常」は、自分自身が変化しようとしたとき、そして自分自身ではどうしようもないものでも変化してしまうときにも使う四字熟語です。
「万物流転」は「ばんぶつるてん」と読みます。 「万物流転」の意味は「万物は流動変化してきわまりない」です。 この世のありとあらゆるものは、流動変化していくということを言い表した四字熟語です。
「明日は明日の風が吹く」の英語は「Tomorrow is another day.」です。 直訳すると「明日はまた別の日」という意味です。