「塾」の英語表現を解説していきます。「cram school」「private school」と英訳されることが多いですが、これらは誤りですので注意しましょう。「塾に通う」「個人指導塾」などの英語表現も紹介していきます。
「塾」の英語としてよく紹介されるのが「cram school」または「cramming school」「crammer」です。 「cram school」といって、理解するネイティブはまずいないでしょう。 「cram」とは「無理矢理詰め込む」という意味の動詞です。 そこから転じて「テストのために短期間で勉強をする」という意味もあります。 「cram school」という表現はそれが語源です。 米英の大学では、日本のように一斉にテストを受けて合否を決定しないので、大学受験のために「cram」する必要がありません。 米英の大学受験では、高校の成績、小論文、課外活動、面接などで総合的に判断されます。 このように大学受験のシステムの違いが、「cram school」がネイティブに伝わらない理由になっています。
Four adults were crammed into the back of the car.
4人の大人が車の後部座席に詰め込まれた。
He's cramming for his history class tomorrow.
彼は明日の歴史のテストのために詰め込み学習をしている。
また「塾」の英語として「private school」が紹介されることもありますが、これも誤りです。 「private school」とは「私立学校」という意味です。 「night school」なら「(私立の)夜間学校」の意味です。 「public school」は米英で意味が違うので注意です。 アメリカでは「public school」は「private school」の対義語で「公立学校」という意味です。 イギリスでは、13歳〜18歳の子供を教育するイギリスの私立学校の中でもトップの10%を構成するエリート校の名称です。
「prep school」とは「preparatory school」の略です。 「preparatory」は「準備の。予備の」という意味の形容詞です。 その意味のせいか「prep school」=「予備校」=「塾」だと勘違いされていることが多いですが、間違いです。 「preparatory school」も米英で意味が違います。 アメリカでは将来大学に進むことを目指す公私の小学校、中学校、高等学校を指します。 大学教育を目指さない学校はほぼないので、その意味でアメリカの小学校、中学校、高等学校はほぼ全て「prep school」ということになります。 イギリスでは上記で紹介した「public school」に入るための学校のことを指します。 これもあくまでも普通の学校であり、日本でいうところの「塾」ではありません。
「塾」を英語で表すと「tutoring school」が一番しっくりきます。 「tutoring」の「tutor」とは「学校の外で授業に付いていけない子に勉強を教える。また、その人」という意味の動詞または名詞です。 「tutor」は「家庭教師」とかなり近いですが、厳密には「tutor」の方が意味が広いです。 「学校の外で」という授業以外でという意味で、実際には校舎内の図書館や自習室で「tutor」をやる人もいます。 よって、「家庭教師」の英語は「private tutor」「home tutor」とするのが正確です。生徒の自宅で勉強を教えることは「in-home tutoring」です。 「private-tutoring school」とすれば「個人指導塾」の意味になります。
I have tutoring school today.
今日は塾があるんだ。
She goes to tutoring school every Monday.
毎週月曜日彼女は塾に通っている。
上記の例文では「tutoring school」の前に「a」「the」の冠詞を付けませんでした。 冠詞の有無については下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
英語では日本語「塾」「学習塾」に該当する英語がないことから、「juku」と訳されることもあります。 実際、英語版のWikipediaでも「学習塾」は「Juke」と紹介されています。 これを読むと、ネイティブが「塾」をどのように解釈・理解しているのかわかるのでおすすめです。 しかし、これは日本に居住経験がある、または日本通の外国人しか理解できないでしょう。
「tutoring school」といってもよいですが、それでもあまりしっくりこない外国人も多いかもしれません。 そこで、そんな時は日本の「塾」がどういうものなのか英語で説明しちゃいましょう。 下記に「塾」を説明する英語を例を4つほど挙げてみましょう。 他にも色々な説明方法があるかと思いますが、ぜひ参考にしてみてください。
Juke is private and fee-paying school that offers extra lessons in preparation for university exam.
塾とは大学入試試験の準備のために、追加の授業を提供する有料の学校です。
Juke is a private school paid for by parents for children who will go to fine university.
塾はよい大学にいく子供がいく民間学校で、親が授業料を払います。
It is quite common for students in Japan to take private lessons outside of school.
学校外で、日本の生徒がプライベートな授業を受けるのは当たり前です。
After school, a lot of Japanese students go to school and take supplemental classes for university entrance exam.
放課後、多くの日本人学生は、大学入試試験のためにスクールに通い補足的な授業を受ける。