冠詞「a」「an」「the」の違いはしっかり理解していますか?日本語では訳しづらいのもあり、使い分けが正しくできない人が多いようです。そこで本記事では冠詞「a」「an」「the」の意味と使い方を徹底解説していきます!
「a」「an」は「複数あるなかの1つ」を指します。 日本語では「(ある) 1つ、1人の」ですが和訳では省略されることもあります。 名詞が不特定の物事をあらわす場合に使うので「a」「an」は不定冠詞と言います。
どのような時に「a」「an」は使われるのでしょうか? 「a」「an」は初めてふれる話題に使います。 例えば「I have an idea!(いい考えがあります!)」などと相手に情報を初めて伝える時、は「a」「an」を用います。 伝える前の段階ではまだ相手は情報を特定できないので不定冠詞「a」「an」を使うのです。
a」と「an」の使い分けは、単語のスペルではなく発音によってなされます。 名詞が母音の発音で始まる単語には「an」、子音で始まる単語は「a」を使います。 「university」「Europe」などは母音「u」や「e」から始まりますが、発音が子音なので冠詞「a」になります。 「honest」「house」などは子音「h」から始まる単語ですが、発音は「o(オ)」なので冠詞「an」を使います。
「a」は通常日本語「ア」に近い音で発音しますが、
に限っては「エイ」に近い音で発音します。 上記の場合で、次に続く単語の発音が母音でも「エイ」となります!
This is not a fake, it's a (エイ) genuine YAYOI KUSAMA.
これは偽物ではない. 正真正銘の草間彌生の作品です。
We have a(エイ).. important press conference this afternoon.
私たちは、、、今日の午後にとても重要な記者会見を控えてます。
a little・・・少しの〜 a few・・・少数の〜 a bit of・・・少しの〜 a couple of・・・2、3の〜 a great (good) deal of・・・多量の〜 a handful of・・・少数の〜 a host of・・・多数の〜 a large amount of・・・多量の〜 a large number of・・・多くの〜 a lot (lots) of・・・たくさんの〜 a pile of・・・〜の山 a series of・・・一連の〜 a variety of・・・さまざまな〜
会話の中で話者と聞き手が共通の認識を持っている物事に関しては「the」が使えます。 文脈なしに「the」を用いる場合、聞き手・読み手との間で解釈可能な特定のものをさします。 名詞が特定の物事をあらわす場合に使うので「the」は定冠詞と言います。 A:What did you do this weekend?(週末何したの?) B:I went to the party. (パーティーに行ったよ。) 上記の会話でBが「the party」と返答しているので、AとBの間に「ある特定のパーティー」という共通の認識があるということになります。 例えばBの回答が、 B:I went to a party. (パーティーに行ったよ。) となる場合はAはBが行ったパーティーについては知らず、AとBで共通認識があるわけではないので「a」を使うことになります。
I used to go to the bookstore.
私はよく本屋に行ったものだ。(この場合は本屋の共通認識が聞き手と話者にある)
「the」は「世の中に1つしか存在しないもの」を指す時に使う定冠詞です。
上記のようなものは世界や宇宙の中に1つしか存在しないものには「the」が付きます。
Donald Trump is the president of America.
ドナルドトランプはアメリカの大統領です。
会話の中で最初に話題に出るときは「a/an」を使い、2回目以降は「the」になります。 なぜなら、一度会話に出れば話の内容を「特定」することができ、聞き手と話者の共通認識となるからです。 日本語では「その、あの、この、例の」といったニュアンスです。 例えば「I have an idea!(いい考えがあります!)」と初めて持ち出す話題の後、さらにその話題に対して話す時に、 「I have an idea! The idea is...」という形で冠詞を使い分けます。
I met a girl yesterday. The girl was super cute.
昨日(ある)女の子に会ったんだ。(その)女の子はとっても可愛かった!
「the」の発音は基本的に2パターンです。 「the」次に続く単語の発音が母音で始まるものは「ディ」、子音で始まる単語は「ダ」と発音します。 日本語ではよく「ザ」「ジ」と書かれますが厳密には「ダ」と「ディ」のような音で発音されます。
会話の中で、最初に述べた具体的な名詞をより広義な一般名詞にtheをつけて言い換えが可能です。 会話の2回目以降の話題が「a」「the」から「the」になる場合と、「the+名詞」になる場合があります。 例文を見てみましょう。
I visited Japan last year, and the country was beaufiful.
私は去年日本を訪れましたが、その国は本当に美しい国でした。(the county = Japan)
Amanda speaks and understands Japanese, but is not so confident in the language.
アマンダは日本語を話すし理解もするが, それほど自信があるわけではない (the language = Japanese)
川、海、湾、砂漠、山脈の固有名詞も世界に1つしかないので「the」が付きます。 地図などは「the」の表記を省略することもあります。
また、ホテル、劇場、博物館、美術館などの名称も「the」が付くことがあります。 これは世界に1つしかない(価値がある)ことを強調しているためです。 例えば、有名な高級ホテルの一つリッツカールトンも英語表現は「The Ritz-Carlton」となります。 リッツカールトン自体は世界中に存在していますが、「世界に一つしかない価値を提供する」といったニュアンスが込められています。
最上級「最も〜」を表す時にも冠詞「the」を使います。 例えば「Russia is the biggest country in the world.(ロシアは世界で最も大きい国だ)」は、 一番大きい=実質世界に一つしかないといった感じです。 叙述用法の最上級の場合は「the」の省略が可能です。 叙述用法とはBe動詞の後に説明が続く文章です。 叙述用法と反対の用法に限定用法があります。限定用法は名詞の前に説明がきます。その場合は「the」は省略できません。
Steve job is the greatest entrepreneur of our time.
スティーブ・ジョブズは我々の世代で最も偉大な起業家だ。
物事や小説では冒頭からいきなり「the」を使うことがあります。 以前からその場所にいたかのような臨場感を読者に与えるためです。 有名な日本昔ばなし「桃太郎」の冒頭の英訳は、 "When the old lady was washing her clothes at the river, a peach came flowing by from the upstream..." となってます。冒頭から「the old lady」と「the」を使っているのは、読者が以前からお婆さんのことを知っているかのような臨場感を味わうためです。
名詞が複数形の単語には冠詞「a」「an」は使うことができません。 複数形には、単複同形(単数形と複数形の形が同じもの)も含みます。 単複同形の単語は、
などです。上記の生物は群れで生活することが多い傾向があります。 単複同形の名詞は、決して不可算名詞なわけではないので注意が必要です。 名詞が複数形の単語には「a」「an」は使うことができませんが、「the」を用いることは可能です。
不可算名詞にも冠詞「a」「an」は使うことはできません。 不可算名詞の例は、
などがあります。 これら不可算名詞を複数形として使いたい場合は、someがつくことがあります。 「some」には「多少の」など漠然とした量を示す役割があります。 ですが「some water」を「いくらかの水」など日本語で訳す必要はありません。 「コップ1杯の水」は「a glass of water」と表現します。
名詞を修飾する語を後から付けても1つに特定できない場合は、「the」ではなく「a」「an」を付けます。 さっそく例文を見てみましょう。
I booked a hotel room overlooking the ocean.
オーシャンビューのホテルの部屋を予約した。
上記の例文では、予約した部屋は特定の1部屋に決まってますが、オーシャンビューのホテルルームは複数あることが予想され1つに限定できないので「the」を使うことができません。代わりに「a/an」を使います。
広く一般論として名詞を述べるときには、冠詞を付けないことがあります。 さっそく例文で確認してみましょう。
What is the meaning of life?
人生の意味は何か?
People who drink and drive should go to hell.
飲酒運転する人は地獄に落ちるべきだ。
機能面に重きを置いて場所について話すとき「the」を付けません 例えば「go to college」があります。 「go to college」は「大学のキャンパス」という建物に行くこと自体に意味があるわけではなく、大学に行って勉強したり、友人と有意義な時間を過ごすことに意義がありますよね。つまり機能が重要なわけです。 よって、 go to the college:大学のキャンパスへ行く go to a college:ある大学のキャンパスへ行く go to college:勉強をしに大学に通っている、大学生だ というニュアンスになります。 他にも、 go to class go to office go to bed go to hospital go to jail go to prison go to church などがあります。
人名の固有名詞には冠詞はつきません。 また国名にも冠詞は付きません。 しかし、
などは例文で「the」がつきます。 「the United States of America(アメリカ合衆国)」「the Republic of Korea(大韓民国)」などがそれにあたります。
などにも冠詞は付きません。
などとはいいません。
She speak and understand English a little bit.
彼女は少し英語を話し理解することができる。
食事を意味する単語には「the」を付けません。
は無冠詞で使います。
I enjoyed dinner with her last night.
昨夜彼女と一緒に夕食を楽しんだ。
の形の場合、冠詞は付きません。
He was elected as President in 2018.
彼は2018年に社長に選任された。
「by 交通手段」の場合は、冠詞が付きません。
などがあります。
と言い換えることができます。
前置詞+一部の時では冠詞が付きません。
などです。
曜日・月名も冠詞は付きません。
などです。
などは名詞に冠詞が付きません。
などがそれにあたります。
呼びかけで使う名詞にも冠詞は付きません。
などがそれにあたります。
の3つで意味に違いで出ることがあります。下記の例文を見てください。
Haruki Murakami, an author of "A Wild Sheep Chase", was born in 1949. (『羊をめぐる冒険』の著者、村上春樹は1949年生まれだ) ==> 聞き手が「村上春樹」のことを知らないのが前提 Haruki Murakami, the author of "A Wild Sheep Chase", was born in 1949. ==>聞き手が「村上春樹」のことを聞いたことがあるだろうし、たとえ村上春樹を知らなくても「羊をめぐる冒険」は知っていることが前提 Haruki Murakami, author of "A Wild Sheep Chase", was born in 1949. ==>聞き手が村上春樹のことを知っていることが前提
このように「a/an」「the」または無冠詞で意味が微妙にことなることがあります。 これはかなり難易度が高いですが、一応紹介しました。