「ご遠慮なくお問い合わせください」は「遠慮なく問い合わせてくれ」という意味の敬語表現です。正しい敬語表現ですが、命令文なので目上の相手に使う場合はより丁寧な敬語表現に言い換えるのが望ましいです。今回は「ご遠慮なくお問い合わせください」の意味や敬語、使い方、より丁寧な敬語表現の言い換えなどを解説します。
「ご遠慮なくお問い合わせください」は「ごえんりょなくおといあわせください」と読みます。 「ご遠慮なくお問い合わせください」の意味は「遠慮なく問い合わせてくれ」です。 「ご遠慮」の意味は「他人に対し、言葉や行動を控えめにすること」です。 「ご遠慮なく」で「控えめにすることなく」という意味になります。 「お問い合わせ」の意味は「不明点などを聞いて詳細を確かめる」です。 「ください」の意味は「くれ」です。
「ご遠慮なくお問い合わせください」は品詞分解すると「ご」+「遠慮」+「なく」+「お」+「問い合わせる」+「ください」となります。 「遠慮」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。 接頭辞「ご(お)」は、尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合は、相手の動作を高めて敬意を示すためにつけているので尊敬語です。 「問い合わせる」についている「お」も尊敬を表す接頭辞です。 こちらも相手の動作に対して使っているので尊敬語になります。 「ください」は命令形「くれ」の尊敬語です。 「ご遠慮なくお問い合わせください」は、尊敬語を3つ使用していますが二重敬語ではありません。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用してしまうことをいいます。 この場合、接頭辞「ご」は「遠慮」を丁寧にしていて、接頭辞「お」は「問い合わせ」を丁寧にしています。 さらに「お問い合わせください」は、「お〜ください」で一つの尊敬表現として使われ、相手に〜してくれと要望・懇願することについて相手を高めることができます。 したがって、この場合は二重敬語にではなく正しい敬語表現です。 ただし、「ご遠慮なくお問い合わせください」は正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいです。 ちなみに、「ください」は、漢字で「下さい」と書きますが、漢字表記にできるのは「物をもらう」という本動詞として使うときです。 例えば、「お水を下さい」などの場合は漢字で書きます。 「ご遠慮なくお問い合わせください」のように補助動詞で使う場合は、平仮名で表記するのが正しいです。
「ご遠慮なくお問い合わせください」は、「ご遠慮なくお問い合わせくださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。 「ませ」をつけることで、女性的な柔らかい印象になるため男性は使えないと認識している人も多いですが、男性も使うことができます。 どうしても気になる場合は「お問い合わせいただきますようお願いいたします」など別の敬語表現に言い換えましょう。
「お問い合わせいただけますか」は、「問い合わせる」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご遠慮なくお問い合わせください」では丁寧さに欠けますが、「問い合わせてもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「お問い合わせいただけますでしょうか」とすることもできます。 「お問い合わせいただけますでしょうか」は、「お問い合わせいただく」にさらに丁寧語「ます」と、「だろう」の丁寧語「でしょう」と疑問の終助詞「か」をつけています。 「お問い合わせいただけますでしょうか」は、丁寧語を2つ使用していますが、「いただく」と「だろう」のそれぞれ別の語にかかっているので二重敬語にはなりません。 しかし、「いただけますでしょうか」はクドいのでシンプルに「いただけますか」が使われる事が多いです。
「お問い合わせ願います」は、「お問い合わせ」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご遠慮なくお問い合わせ願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「お問い合わせいただきたく存じます」は、「問い合わせる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ご遠慮無くお問い合わせいただきたく存じます」で、「遠慮なく問い合わせてもらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「お問い合わせいただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」の「れば」は仮定を表し、「してもらえればと思う」という願望を表す丁寧な言い回しになります。
「お問い合わせいただけますと幸いです」の「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです」で、「気軽に問い合わせてもらえると嬉しい」という意味の丁寧な表現になります。 「お問い合わせいただければ幸いです」とすると仮定のニュアンスが加わり柔らかい表現になります。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現です。
「お問い合わせくださいますようお願いいたします」は、「問い合わせてくれるようお願いする」という意味です。 「お問い合わせくださいますよう」は、「問い合わせる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語、「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」も補助動詞なので「お願いいたします」と書くのが正しいです。
「お問い合わせいただきますようお願い申し上げます」は「問い合わせてもらうようお願いする」という意味です。 「お問い合わせいただきますよう」は、「問い合わせる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語の「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「いただきますよう〜」で、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「いただきますよう~」と「くださいますよう~」は言い方が違うだけで意味は同じです。 また「いただきますよう」は謙譲語、「くださいますよう」は尊敬語という敬語の種類の違いもありますが、敬意の度合いも同じです。 しかし、「くださいますよう」が命令形「くれ」の尊敬語を使用しているという点で、謙譲語を使用した「いただいますよう」のほうが謙虚で丁寧な響きがあります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の丁寧の度合いはどちらも同じですが、「お願い申し上げます」の方が意味的に謙虚で、やや丁寧です。 そのため、ビジネスシーンなどでは「お願い申し上げます」が使われる傾向があります。
「ご遠慮なくお問い合わせください」は、相手に不明な点があったら尋ねてほしいと伝えるときに使います。 例えば、資料を送付したときなどです。 ただし、上述したように「ご遠慮なくお問い合わせください」は正しい敬語表現ですが、丁寧さに欠けます。 親しい間柄の上司に対してや口頭、電話で使うこともありますが、社外の人に対してやビジネスメールなど文章で使う場合は「ご遠慮なくお問い合わせいただきますようお願いいたします」など、より丁寧な敬語表現に言い換えることが多いです。
【件名】 見積書について 【本文】 株式会社HASEGAWA 営業部 後藤様 お世話になっております。 ○○コーポレーションの尾白結衣です。 この度は、弊社製品のお見積りをご依頼いただき、誠にありがとうございます。 PDFファイルにて、見積書をお送りいたします。 添付内容 お見積書(PDF)1通 ご査収いただきますようお願いいたします。 ご不明点や要望などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせくださいませ。 ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 尾白
【件名】 資料送付のお知らせ 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 大谷彩花様 お世話になっております。 株式会社かきくけこ商品部の武藤です。 この度はカタログをご請求いただきありがとうございます。 ご依頼いただきました新製品資料を本日発送いたしました。 発送日 10月1日(月) 到着予定 10月2日(火)午前10時〜12時 送付内容 製品カタログ 2部 大幅なモデルチェンジを行いましたので、ご参照のほどよろしくお願いいたします。 製品につきましてご質問等ございましたら、下記の連絡先までご遠慮無くお問い合わせいただければと存じます。 株式会社カキクケコ 商品部 武藤智也 TEL 090-1111-2222 今後ともよろしくお願い申し上げます。 武藤
【件名】 新サービス開始のお知らせ 【本文】 平素より、「お宝参番館」をご利用いただき誠にありがとうございます。 この度「お宝参番館」では、「出張買い取りサービス」を開始いたしました。 ご自宅に専門査定スタッフが伺い、その名で査定・買取をいたします。 出張料、査定料、搬出代などは一切かかりません! ご不明点等ございましたら、ご遠慮なくお問い合わせいただければ幸いです。 より一層サービス向上に取り組んでまいりますので、今後ともご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。 お宝参番館
【件名】 製品に関するお問い合わせのご回答 【本文】 麗日環奈様 株式会社△△△の鷲尾円香と申します。 この度は、弊社製品に関してお問い合わせいただきありがとうございます。 ご質問いただきました件について、以下の通りご回答いたします。 1.発売日 10月16日(土)10:00〜 2.販売店舗 コンビニエンスストア・書店 3.予約 不可 以上です。 その他、ご不明点があればご遠慮なくお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。 鷲尾
「お気軽にお問い合わせください」は「おきがるにおといあわせください」と読みます。 「お気軽にお問い合わせください」の意味は「気軽に問い合わせてくれ」です。 「お気軽に」の意味は「行動に際して気持ちに負担がかからないさま」です。 相手に恐縮せずに接してもらいたいときに使う言葉です。
「お気兼ねなくお問い合わせください」は「おきがねなくおといあわせください」と読みます。 「お気兼ねなくお問い合わせください」の意味は「気兼ねなく問い合わせてくれ」です。 「気兼ね」には「他人に対して気を使って遠慮すること」です。 「気兼ねなく」で、「気を使うことなく」という意味になります。
「お申し付けください」は「おもうしつけください」と読みます。 「お申し付けください」の意味は「言いつけてくれ」です。 「申し付ける」には、「上の者が下の者に対して言いつける」という意味があります。 「ご質問等ございましたら、お申し付けください」などと使います。
「お尋ねください」は「おたずねください」と読みます。 「お尋ねください」の意味は「尋ねてくれ」です。 「尋ねる」には、「返事を求めてわからない事柄を人に聞く」という意味があります。
「お尋ねください」は「おたずねください」と読みます。 「お尋ねください」の意味は「尋ねてくれ」です。 「尋ねる」には、「返事を求めてわからない事柄を人に聞く」という意味があります。
「ご質問ください」は「ごしつもんください」と読みます。 「ご質問ください」の意味は「質問してくれ」です。 「質問」には「わからないことや疑問点などをたずね、説明を求めること」という意味があります。
「ご連絡ください」は「ごれんらくください」と読みます。 「ご連絡ください」の意味は「連絡してくれ」です。 「連絡」には「情報などを知らせる」という意味があります。 「不明な点があったら教えてほしい」という意味合いで、「ご不明点があればご連絡ください」などと使うことができます。