「ご返答ありがとうございます(ごへんとうありがとうございます)」は、返答ありがとうという意味です。ビジネスシーンで質問に対する回答をもらってお礼を伝えるときに使います。「ご返答ありがとうございます」は「ご返答いただきありがとうございます」などより丁寧な敬語表現にして使われることも多いです。
「ご返答ありがとうございます」は「ごへんとうありがとうございます」と読みます。 「ご返答ありがとうございます」の意味は「返答ありがとう」です。 「ご返答」には「質問や呼びかけに対して答えるこ」という意味があります。 「ありがとうございます」は、相手に感謝の気持ちを伝える表現です。
「ご返答ありがとうございます」は品詞分解すると、「ご」+「返答」+「ありがとう」+「ござい」+「ます」となります。 「返答」についている接頭辞「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手が返答することに対してつけているので尊敬語です。 「ござい」は「ある」の丁重語「ござる」の連用形です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ自分をへりくだることで相手に敬意を示す点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。
「ご返答ありがとうございます」は、ビジネスメールで回答に対する感謝を伝えるときに使います。 例えば、取引先相手から問い合わせに対する回答をもらったときです。 口頭や電話でも使うことができます。 しかし「ご返答」がかしこまった表現なので、口頭や電話では「回答ありがとうございます」「お返事ありがとうございます」などと言い換えることが多いです。
【件名】 Re:募集職種についてのお問い合わせの件 【本文】 アイウエオ株式会社 採用担当 熊田様 ○○大学経済学部経営学科の斎藤です。 お忙しい中ご返答ありがとうございます。 10月に会社説明会を行われるとのこと、ぜひ参加させていただきたく存じます。 会社説明会で詳しいお話を聞けるのを楽しみにしております。 取り急ぎ、ご返答のお礼を申し上げます。 〒123−4444 東京都○○区○○1234 電話番号:090−1111−2222 メールアドレス:chikuwa@chikuwa.com 斎藤一代
【件名】 商品説明日程確定のお礼 【本文】 MARK株式会社 商品部 上田勝美様 お世話になっております。 ご多忙にもかかわらずご返答ありがとうございます。 お申し付けいただいた通り、下記日時に貴社へお伺いいたします。 日時:10月6日(水)14:00〜 商品説明は30分を予定しております。 場所:貴社4階会議室A 当日お会いできることを楽しみにしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 なお、ご返信はいただかなくても差し支えございません。 日時の変更をご希望される際は、遠慮なくお申し付けください。 上田
「ご返答いただきありがとうございます」の「ご返答いただき」は、「返答」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて「もらう」の謙譲語「いただく」をつけた敬語表現です。 「ご返答いただき〜」で「返答してもらい」という意味になります。 「ご返答ありがとうございます」も正しい敬語表現ですが、「もらう」の謙譲語「いただく」を使うとより丁寧な敬語表現になります。
「ご返答いただきありがとうございます」を「ご返答くださりありがとうございます」とすることもできます。 「ご返答くださりありがとうございます」の「ご返答くださり」は、「返答」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて「くれる」の尊敬語「くださる」をつけた敬語表現です。 「ご返答くださり〜」で「返答くれて〜」という意味になります。 上述した「ご返答いただき」は謙譲語であり、「ご返答くださり」は尊敬語であるという違いがありますが、謙譲語と尊敬語に敬意の度合いの違いはありません。 自分の動作に対してなら謙譲語を、相手の動作に対してなら尊敬語を使います。 また、「いただく」は「もらう」、「くださり」は「くれて」という意味の違いもありますが、これもどちらの方が丁寧ということはありません。 しかし、「くださる」が命令形「くれ」の尊敬語を使用した命令形であるため「いただき」の方が丁寧な響きがあります。
「ご返答くださいましてありがとうございます」とすると、より丁寧になります。 「ご返答くださいましてありがとうございます」の「ご返答くださいまして」は、「返答」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」を使った敬語表現です。 「ご返答くださり」は尊敬語のみを使用した敬語表現なので、尊敬語と丁寧語を使った「ご返答くださいまして」のほうが丁寧です。 「ご返答くださいましてありがとうございます」は「ご返答いただきましてありがとうございます」とすることもできます。
「ありがとうございます」は、「感謝申し上げます」または「お礼申し上げます」とするとより丁寧になります。 「感謝申し上げます」は、「感謝」に「する」の謙譲語「申し上げる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「申し上げる」は、本来「言う」の謙譲語ですがこの場合は「する」という意味の補助動詞として使われています。 「感謝」は、ありがたく感じている謝意を表す言葉です。 「感謝申し上げます」で、「感謝します」という意味になり丁寧に感謝の気持ちを伝えることができます。 「お礼申し上げます」は、「礼」を丁寧に言い表すためにつける美化語「お」をつけて、「する」の謙譲表現「申し上げる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お礼」は、感謝の気持ちを表す言葉や金品を指す言葉です。 「お礼を申し上げます」で、「感謝します」という意味になり丁寧に感謝の気持ちを伝えることができます。 ちなみに、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、本来は「もうしあげます」と表記するのが正しいですが、慣例的に「申し上げます」と漢字で表記されることが多いです。 感謝の気持ちを伝える表現には「拝謝いたします」もあります。 「拝謝」は「礼を述べること」の謙譲語です。 「拝謝」はお礼状や手紙など書き言葉として使われることがほとんどで、話し言葉としては使いません。 ちなみに「拝謝申し上げます」は謙譲語の「拝謝」に、さらに「する」の謙譲表現「申し上げる」をつけているので二重敬語で誤用です。
「ありがとうございます」の前に「誠に」「大変」などをつけることで、感謝の気持ちを強調することができます。 「誠に」は「本当に」という意味です。 本心からそう思う様子を表す副詞として使われます。 「本当に」ということもありますが、ビジネスシーンではより堅い表現である「誠に」を使う事が多いです。 「大変」は「非常に」「とても」という意味です。 程度のはなはだしいことを表します。