「懐妊(かいにん)」は、「妊娠」の改まった言い方です。尊敬を表す接頭語の「ご」をつけて「ご懐妊」という形で使用されることが多いです。今回は「ご懐妊」の意味と使い方を例文付きで詳しく解説します。「ご懐妊」の類語・言い換え表現や、英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「懐妊」は「かいにん」と読みます。 「懐妊」は「妊娠」の改まった言い方です。 「子をはらむこと」を「懐妊」といいます。
「ご懐妊」は「懐妊」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 接頭語の「ご(お)」は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 相手の動作を高めて敬意を示す場合は「尊敬語」、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す場合は「謙譲語」、言葉を丁寧にするだけなら「丁寧語」になります。 「ご懐妊」は相手が妊娠したことを言い表しているので、接頭語の「ご」は尊敬語になります。 したがって、「ご懐妊」は尊敬語です。
「ご懐妊」は、目上の人が妊娠したときに使用する言葉です。 例えば、上司の妊娠や上司の奥様などご家族が妊娠したという場合に、お祝いの言葉で「ご懐妊おめでとうございます」などと使用します。 「妊娠」に尊敬を表す接頭語の「ご」をつけて「ご妊娠おめでとうございます」という形で使うこともできます。 ただし、ニュースでは皇族の方が妊娠なさった時に「ご懐妊」という言葉が使われることが多いです。「ご妊娠」よりも「ご懐妊」のほうがより堅くかしこまった場面に適しています。
例文
自分の妻が妊娠した場合は、尊敬語「ご懐妊」は使えません。 ただし、「懐妊」は改まった語ですが単体では敬語でないので、「妊娠しました」などと身内に使用することができます。 接頭語「ご」には謙譲語の意味もあるので、使えるのではないか?と思うかもしれませんが、妊娠には行為の対象がいないので、「ご懐妊いたしました」というように謙譲語として使用することはできません。
「ご妊娠」は「妊娠」に、尊敬を表す接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「妊娠」は「女性が受胎して体内に子を宿すこと」です。 身ごもることを「妊娠」といいます。 したがって、「妊娠」は「懐妊」と同義です。 妊娠を堅い表現にしたものが「懐妊」になります。
「懐胎(かいたい)」、「懐腹」、「懐孕(かいよう)」も「妊娠していること」という意味で、「懐妊」と同義です。 尊敬を表す接頭語の「ご」をつけて、目上の人が子をやどしたことを言い表すことができますが、「妊娠」や「懐妊」を使用することがほとんどであり、ご懐胎・ご懐腹・ご懐孕はあまり使用されません。 「ご懐妊」「ご妊娠」を使用するのが一般的です。 ちなみに「受胎(じゅたい)」も「子をお腹にやどすこと」という意味です。 ただし、「懐妊」や「妊娠」のように接頭語「ご」をつけて「ご受胎」と使用することはありません。
「身ごもる」の意味は「妊娠する。はらむ」です。 妊娠することを「身ごもっている」などと言い表すことができます。 「懐妊」と同義ですが、「身ごもる」は婉曲的な表現であり、「懐妊」のように目上の人に対して使用できる言葉ではありません。
「おめでた」は、「めでたいこと」という意味です。 「めでたい」に接頭語の「お」とつけて「おめでた」となります。 特に結婚や妊娠・出産などの祝い事を「おめでた」といいます。 妊娠をしたときに「妻がおめでたで...」などと言い表すことができます。 ただし、目上の人に対して使用するには丁寧さに欠けるので使用するのは親しい間柄に留めましょう。
「妊娠」「妊婦」を意味する英語は「pregnant」です。 「pregnant」の使い方は下記の記事を参考にしてみてください。