「ご協力お願いします(ごきょうりょくおねがいします)」の意味は、協力をお願いするです。「アンケートにご協力お願いします」などと相手に力を貸してほしいと依頼をするときや、「全面禁煙にご協力お願いします」などと注意喚起をするときに使います。
「ご協力」は「ごきょうりょく」と読みます。 「ご協力」の意味は「力を合わせて物事を行うこと」です。 「協力」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
「ご協力」の「ご」は、相手が協力することに対してつけている接頭辞なので、尊敬語になります。
「お願いします」は、「おねがいします」と読みます。 「お願いします」の意味は、「願う」という意味です。 相手に要望・要求をする表現です。 「お願いします」は、「願う」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 したがって、「ご協力お願いします」は「力を貸すように願います」という意味で、相手に協力を仰ぐときに使います。
「ご協力お願いします」は、ビジネスシーンなどで口頭や電話で協力を依頼するときに使います。 例えば、お客様に対してアンケート用紙を渡して回答するようにお願いをするときに、「アンケートにご協力お願いします」などと使います。 また、依頼の一種として注意喚起する場面でも使います。 例えば「こちらでの飲食はご遠慮いただきますようご協力お願いします」というように、相手が不便を感じることは承知しつつも、禁止や命令を含む言い方になります。
「ご協力お願いします」の例文
「ご協力お願いします」の類似表現に「ご協力願います」があります。 「ご協力願います」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「願います」と「お願いします」は、どちらも要求・依頼をする敬語表現ですが、「お願いします」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現で、「願います」は丁寧語のみを使った敬語表現です。 よって、目上の人に対して使うのときは「お願いします」のほうが適しています。
「ご協力お願いします」の類似表現に「ご協力お願いいたします」があります。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。 「お願いします」と「お願いいたします」は、どちらも要求・要望を表す表現です。 しかし「お願いします」は謙譲語と丁寧語を使用した敬語表現で、「お願いいたします」は謙譲語と丁重語、丁寧語を使用した敬語表現なので、「お願いいたします」のほうが丁寧です。
「ご協力お願いします」は、「ご協力お願い申し上げます」ということもできます。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 上述したように、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「ご協力お願いします」と「ご協力お願い申し上げます」は、どちらも要求・願望を表す表現です。 しかし「申し上げます」が、より立場が上の者への高い敬意をこめた謙譲語であるため、「ご協力お願い申し上げます」のほうが丁寧です。 口頭で使う場合は「ご協力お願いします」ということも多いですが、ビジネスメールなどで協力を依頼をする場合はより丁寧でかしこまった表現である「お願いいたします」や「お願い申し上げます」を使うのが一般的です。
「ご協力ください」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご協力くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご協力いただけますか」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご協力ください」では丁寧さに欠けますが、「協力してもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご協力いただくことは可能でしょうか」は、「協力してもらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご協力のほど」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、婉曲表現の「ほど」をつけています。 「ほど」は、断定を避ける表現です。 「ご協力のほどよろしくお願いいたします」で、相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。
「ご協力いただけると幸いです」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「ご検討いただけると幸いです」は、「協力してもらえると嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。 「ご協力いただければ幸いです」としても、意味は同じです。 「いただければ〜」には仮定のニュアンスがあり、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「ご協力いただけますと幸いです」も、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。
「ご協力いただきたく存じます」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご協力いただきたく存じます」で、「協力してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご協力いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「ご協力くださいますようお願いいたします」の意味は、「協力してくれるようお願いします」という意味です。 「ご協力くださいますようお願いいたします」の「ご協力くださいますよう」は、「協力」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう」で、直接的な表現を避けることができるので、ただ「お願いします」とお願いをするよりも柔らかい表現になります。 「ご協力くださいますようお願いいたします」は、「ご協力いただきますようお願いいたします」ということもできます。 「いただきますよう」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。
「ご協力賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「賜る」は、「もらう」の謙譲語、「与える」の尊敬語の二つの意味がありますが、この場合は相手から何かをしてもらうという動作について、相手を高めるために使用されている謙譲語です。 同じく「もらう」の謙譲語「いただく」よりも一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語です。 「ご協力賜りますようお願い申し上げます」で、「協力してもらうようお願いします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。 ちなみに、「賜れますよう」は誤用です。 「賜れますよう」の「れ」は助動詞「れる」の連用形です。 助動詞「れる」の意味は主に尊敬・可能で使います。 「賜る」が、敬語なので敬語の助動詞を使うのは不適切です。 「れる」が可能の意味ならば「してもらうことができますように・・・」という意味になります。 無理矢理、可能の意味で捉えることもできますが、このような使い方は一般的ではりません。
「ご協力」の類語に「ご支援」があります。 「ご支援」は、「ごしえん」と読みます。 「ご支援」の意味は、「支え助けること」「援助すること」です。 力を出して相手を助けることをいいます。 「ご支援ご協力」と一緒に使うことも多いです。 「ご支援ご協力のほどよろしくお願いします」などの形で、ビジネスメールの文末に結びの言葉として使われます。 ただし、ビジネスシーンでいう「ご支援」は「金銭的な援助」という意味で使用されることもあるので、注意が必要です。
「お力添え」は、「おちからぞえ」と読みます。 「お力添え」の意味は、「手を貸すこと」「助けること」です。 「お力添え」は、相手に手を貸してほしいと依頼をするときや、手を貸してくれたことに対するお礼の気持ちを伝えるときに使います。 「お力添えお願いします」で、協力を依頼することができます。
「ご助力」は、「ごじょりょく」と読みます。 「ご助力」の意味は、「力を貸すこと」です。 相手から受ける助言や協力などすべてを表します。 「ご助力」も、「手助けをしてほしい」「協力してほしい」とお願いをする場面で使うことができます。