「お力添え」はビジネスメールでもよく用いられている言葉です。今回はビジネスでよく見聞きされる「お力添え」の意味と使い方に関して、例文や類語も紹介しながら、しっかり解説していきます。また「ご尽力」との違いや英語表現も説明します。是非参考にしてみてください。
「お力添え」の読み方は、「おちからぞえ」です。 「おちからそえ」では、間違いとなりますので注意しましょう。
まず「力添え」の意味は、「力を添えること・手を貸すこと」となります。 それに尊敬を表す接頭語「お」を付けて、「お力添え」となります。 「添」は「加える」「足す」という意味なので、「力添え」は助けるといったイメージになります。 「お力添え」は「助力」・「援助」・「協力」・「手助け」といった言葉に言い換えられます。
「お力添え」の使い方は3パターンあります。 1.お願い・要求・要望するとき 2.お礼・感謝するとき 3.お詫び・謝罪するとき ビジネスシーンで「お力添え」を使う場合、この3つの場面で用いられます。 「お力添え」の使い方としては、
といったようになります。
「お願い・要求・要望する」ときに「お力添えいただきますようお願い申し上げます」などと使うことができます。 ただその言葉だけでは相手の事情などお構いなしに言っているような印象を与えるので、前に一言添えるのが良いでしょう。 主に「大変恐れ入りますが」「お手数おかけして申し訳ありませんが」などが使われています。
○「お力添え」のお願い・要求・要望をするときの例文 「大変恐れ入りますが、お力添えいただきますようお願い申し上げます」 「お手数おかけして申し訳ありませんが、お力添えいただきますようお願い申し上げます」 「お忙しいところご連絡させていただき大変恐縮ですが、今回の件でお力添えいただけますでしょうか」 「どうかますますのご指導とお力添えを賜りますよう、お願いいたします」
日頃、手助けをしてくれている相手に対してお礼や感謝を述べるときにも使うことができます。 よく「お力添えがあったからこそ〜」などとよく使われています。 これは「何事かを達成・実現したことに対し、相手の支援や助力が大きな要因となったことを表明する言い回し・物事の結果に関して相手に謝意を伝える場合の表現」となります。 「お力添え」を使用するときは長期に渡る援助に対するお礼や、大勢の相手に対してのお礼が多くなります。 長期にわたるサポートや一人一人の手助けが集まったことによって、結果を得ることができたということに感謝をする意味合いが強いからです。 また「お力添え」はどんなに些細なことであっても、相手から援助や手助けを得た場合には使うことができます。
○「お力添え」のお礼・感謝をするときの例文 「日頃より大変なお力添えを賜りまして、心から感謝申し上げます」 「これも皆様のお力添えのお陰です」 「今回の件について大変お世話になりました。今後ともお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます」
また、お詫びや謝罪をするときにも「お力添え」は使われています。 良い結果を出せなかったときなど、手助けや協力をしてもらっていた相手や、顧客・取引相手に対して用いることができます。
○「お力添え」のお詫び・謝罪をするときの例文 「お力添えいただきながらこのような結果となってしまい、誠に申し訳ありません」 「この度はお力添えいただいたにも関わらず、不甲斐ない結果になってしまったこと深くお詫び申し上げます」
「お力添え」には別の言い方もあります。 バリエーションを多く持つことによって、状況に合わせて使い分けすることができるでしょう。
◯知恵をお貸しください (手伝ってほしいことを、遠回しに伝える表現です) 「私ではとてもできないので、◯◯様のお知恵を貸していただきたいと存じます」 ◯お骨折りいただけますでしょうか (骨折りは苦労して成し遂げるという意味になります) 「成功させるために、お骨折りいただけますでしょうか」
「お力添え」は「他人からの援助」を意味しているので、自分の行いに対しては使用できない言葉です。 「お力添えできずに申し訳ありません」や「お力添えさせていただきます」などは誤った言い方になります。 自分が手を貸すことについては「ご協力いたします」や「お手伝いいたします」などと言いましょう。
◯「お力添え」の誤用
→ 自分の行為に対して「お力添え」を使っているので誤り (正)貴社に対して少しでもお力になれたらと思います。
→自分の行為に対して「お力添え」を使っているので誤り (正)ご期待に添えず、誠に申し訳ございませんでした。
→自分の行為に対して「お力添え」を使っているので誤り (正)今回の件で、お客様のお役に立つことができず誠に申し訳ございません。
上記で説明した通り「お力添え」の「お」は尊敬を表す接頭語なので、上司や顧客など目上の相手に対して使うことができます。 そのため目下の相手や同等の相手に「お力添え」を使うと違和感があります。 その場合は「お」を外して、「力添え」のみだけで使いましょう。 または「協力」「手助け」「支え」などを使って、力添えしてくれたことへの感謝や力添えしてほしいとお願いするようにしましょう。 使い方は下記の例文を参考にしてください。
「力添えありがとう」 「今手空いてたら協力をお願いしたいです」 「わざわざ手助けしてもらったのに、こんな結果になってしまって申し訳ない」 「今回は支えてもらい、助かりました」
「お力添え」・・・手を貸してもらう・助言してもらう程度のこと 「ご尽力」・・・できる限り一生懸命努めること
どちらも非常に似ている言葉ですが、ニュアンスが少し異なります。 「お力添え」は手を貸してもらう・助言してもらうことを指しています。 「ご尽力」はできる限り一生懸命努めることを指しています。 使い方を間違ってしまうと相手に誤解を招いてしまうこともあるので、違いについてしっかり理解しておきましょう。 2つに共通している点は、敬語なので自分の行為に対しては使えないということです。 ただ接頭語を外して「力添え」「尽力」とすると、自分に対して使うことができます。
「ご尽力」の読み方は、「ごじんりょく」です。 まず「尽力」の意味は、「あることのために力を尽くすこと」「努力する」「苦労する」ことになります。 それに尊敬を表す接頭語「ご」を付けて、「ご尽力」となります。 「尽」は「あるかぎりを出す」「終わるまで精一杯する」という意味なので、「尽力」は一生懸命努めるといったイメージになります。 「ご尽力」は丁寧を表す接頭語「ご」がついているので、目上の相手に使うことができます。
「ご尽力」の使い方も3パターンあります。 1.お礼・感謝するとき 2.お詫び・謝罪するとき 3.自分に対して使うとき 「ご尽力」の使い方としては、
といったようになります。 相手に対して使うときは「ご尽力」ですが、自分に対して「ご尽力」を使う場合は、「ご」をとって「尽力」と使います。 「尽力」と使うときは、「微力ながら」「及ばずながら」とクッション言葉を前におくことで、謙虚な気持ちを表すことができます。 「力不足ではありますが」「十分ではありませんが」といった意味になり、自分の力を謙遜した表現になります。 また「ご尽力の賜物」という言い方もあります。 「賜物」とは「他人から受けた恩恵や試練などの結果与えられた成果」という意味です。 つまり「ご尽力の賜物」は「相手が力を尽くしてくれたおかげで成果を得た」という意味合いになります。 「ご尽力の賜物」は話し言葉というよりも、書き言葉なのでメールや文書で使うことが多いです。 「ご尽力」は使い方によっては、少し大げさな印象を与えてしまう恐れがあるので、相手や状況をよく考えて使うようにしましょう。
「尽力」という言葉から「尽力を尽くす」という言葉を連想する人もいるかもしれません。 しかしこれは「尽力」と「尽くす」で意味が重複してしまうため、間違った使い方になります。 使ってしまわないように気をつけましょう。 また、依頼やお願いをするときに「お力添え」とは言うことができますが、「ご尽力」とは言うことができません。 なぜなら「ご尽力」は「努力する」という意味なので、目上の相手に「ご尽力お願いいたします」と言うと、努力することをお願いしていることになり、失礼な印象を与えてしまうからです。
「この度の事業成功にあたり、関係者各位の皆様のご尽力には感謝申し上げます」 「この度はご尽力いただいたのにもかかわらず、残念な結果となりましたことを深くお詫び申し上げます」 「今後は、誠心誠意尽力して参ります」 「微力ではございますが、尽力させていただく所存でございます」 「これもひとえに皆様からの厚いご尽力の賜物と心よりお礼申し上げます」
意味:ささえ助けること・援助すること
○「ご支援」を用いた例文 「今後ともご理解ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます」 「これも皆様のご支援ご厚情の賜物でございます。感謝いたします」
意味:ある目的のために心を合わせて努力すること
○「ご協力」を用いた例文 「ご協力いただき、誠にありがとうございます」 「新事業の件で、大沢様にご協力いただきました」
意味:手助けすること・助力すること
○「お手伝い」を用いた例文 「大沢さんに昨日お手伝いしてもらいました」 「お手すきでしたらお手伝いいただければ幸いです」
意味:困っている人に力を貸すこと
○「ご援助」を用いた例文 「ご援助のほど、ありがとうございました」
意味:力を貸して助けること
○「ご助力」を用いた例文 「多くの人のご助力によって成功いたしました」 「今後もご指導とご助力を賜りますよう、よろしくお願いいたします」
意味:後ろ盾となって、うまくことが運ぶように手助けすること
○「ご後援」を用いた例文 「ご後援賜り、心より感謝申し上げます」
これらは全て力を貸してもらうことを丁寧に表しているので、目上の相手に対してのお礼やお願いをするときに使うことができます。 またビジネスシーンだけでなく、日常会話でもよく使われていており、「お力添え」や「ご尽力」に比べて堅苦しさもなく気軽に使いやすい言葉です。 「お力添え」や「ご尽力」はこれよりもより丁寧な言い方になるため、相手によってはかえって嫌味っぽいと思われてしまう場合があります。立場や使う相手によってうまく使い分けられると良いでしょう。
「お力添え」は英語で、「your help」「your support」 「ご尽力」は英語で「your effort」 と表現するのが一般的です。 感謝の気持ちを顕表すときは、
などを使えばOKです。
Thank you for your continued support.
いつものお力添えありがとうございます。
I really appreciate your great effort on this negotiation.
今回の交渉での、ご尽力本当に感謝いたします。
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「お力添え」について理解できたでしょうか? ✔︎「お力添え」は「他人からの手助け・援助」という意味 ✔︎「お力添え」は「お詫び」「お礼」「お願い」をするときに使う ✔︎類語は「ご尽力」「ご支援」「ご協力」など