「ご提出が遅くなり申し訳ございません(ごていしゅつがおそくなりもうしわけございません)」は、提出が遅くなり申し訳ないです。ビジネスシーンで書類の提出などが遅くなってしまったことに対するお詫びの気持ちを伝えるときに使います。
「ご提出が遅くなり申し訳ございません」は「ごていしゅつがおそくなりもうしわけございません」と読みます。 「ご提出が遅くなり申し訳ございません」は「提出が遅くなって申し訳ない」という意味です。 「ご提出」には「書類・資料などを差し出すこと」という意味があります。 「申し訳ございません」は「言い訳や弁解の余地がない」という意味で、相手に対して謝罪の気持ちを表す敬語表現です。
「ご提出が遅くなり申し訳ございません」の「提出」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、自分が提出することに対してつけているので謙譲語になります。 「申し訳ございません」は、「申し訳」に丁重語の「ござる」と丁寧語「ます」の未然形「ませ」に打ち消しの「ん(ぬ)」をつけた敬語表現です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 したがって、「ご提出が遅くなり申し訳ございません」は尊敬語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。
「ご提出が遅くなり申し訳ございません」は、提出が遅くなったことをお詫びするときに口頭や電話だけではなくビジネスメールでも使うことができます。 例えば、期日までに提出すべき書類を提出できなかったときや、相手から提出するように催促があったときに使います。
【件名】 本人確認書類提出のお詫び 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 中澤紗栄子様 平素よりお世話になっております。 株式会社かきくけこの竹達です。 本人確認書類の提出が遅くなり申し訳ございません。 提出期限を1週間勘違いしておりました。 本日郵送が完了し、12月5日(月)に到着する予定です。 この度は私の不手際でご迷惑をおかけしてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。 今後、このようなことがないように十分注意してまいりますので、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。 竹達
【件名】 資料提出遅れのお詫び 【本文】 営業部 林部長 お疲れ様です。 企画部の里田です。 この度は資料のご提出が遅くなり申し訳ございません。 全力で資料を作成しておりますが、12月1日までに用意するのは難しい見通しです。 12月3日までには必ずご提出いたします。 作成に手間どってしまった私の手落ちであることを反省し、今後このようなことがないように努めてまいりますので、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。 里田
提出期限を忘れていて提出が遅くなってしまった場合には「提出期限を失念しておりました」と言い換えることができます。 「提出期限を失念しておりました」は、「提出期限を忘れていた」という意味です。 「失念」は「覚えているはずのことをうっかりして忘れる、ど忘れすること」という意味があります。 「忘れていました」を「失念しました」と言い換えることでかしこまった印象になります。 「失念しておりました」の「おりました」は、「する」の丁重語「おる」に丁寧語「ます」をつけています。 「失念していました」よりも、「失念しておりました」のほうが丁寧な敬語表現です。
「ご提出が遅くなり申し訳ございません」と類似した敬語表現には「ご提出が遅くなり申し訳ありません」があります。 「申し訳ありません」は、「申し訳ない」の丁寧語です。 「申し訳ありません」と「申し訳ございません」はどちらも相手に対して詫びる気持ちを表す言葉です。 しかし、丁寧語の「申し訳ありません」よりも「申し訳」に「ある」の丁重語「ござる」の連用形「ござい」と丁寧語「ます」の未然形「ませ」、打ち消し「ん(ぬ)」をつけた「申し訳ございません」のほうが丁寧な敬語表現です。
「ご提出が遅くなりすみません」も、提出が遅くなったことを詫びる気持ちを伝える表現です。 「すみません」は「済まぬ」の丁寧語です。 動詞の「済む」に丁寧語の「ます」が入った「済まぬ」に、打ち消しの助動詞「ぬ」がつき「済みませぬ」となり、それが現代では「すみません」となりました。 「すみません」は詫びる気持ちを表す言葉ですが、くだけた印象があります。 ビジネスシーンなどかしこまった場面には適しません。 ビジネスシーンでは「ご提出が遅くなり申し訳ございません」のほうが丁寧で適しています。
「お詫び申し上げます」は「おわびもうしあげます」と読みます。 「お詫び申し上げます」の意味は「謹んでお詫びする」という意味です。 「お詫び申し上げます」は、謝罪するときに述べる表現で、公の場で謝罪の意を示す場合に使うことができる丁寧な敬語表現です。
「お詫びの言葉もございません」は「おわびのことばもございません」と読みます。 「お詫びの言葉もございません」は、「いくら言葉を尽くして謝ってもまだ足りないほどの申し訳なさ思っている」という意味合いがあります。 あまりにも申し訳ない気持ちが強すぎて言葉では表現できないということを表し、上述した「お詫びの言葉もありません」は「お詫び申し上げます」よりも謝罪の意が強いといえます。
「陳謝いたします」は「ちんしゃいたします」と読みます。 「陳謝」は、「事情を述べて詫びること」という意味があります。 よって「陳謝いたします」は謝罪に加えて事情や経緯を説明するという意味になります。 「陳謝」は「謝罪」と非常に似た言葉ですが、事情や経緯について述べていない場合は「謝罪」、一方でしっかり経緯を説明する場合には、「陳謝」を使う方が良いでしょう。
「失礼いたしました」は「しつれいいたしました」と読みます。 「失礼いたしました」は、「相手に対しての礼儀を欠いたことや失敬に対して許しを得るさま」を表す言葉です。 そのため、実はお詫びそのものの言葉ではなく謝罪をしたことにはなりません。 謝罪をすべき場面で使う場合は、注意が必要です。