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「拝命しました」の意味と使い方、敬語、類語を例文つきで解説

「拝命しました」は、「謹んで任命を受ける」という意味です。任命してくれた相手に対して敬意を示す敬語表現で、社内での昇進や移動の挨拶で「部長を拝命いたしました」などと使います。

「拝命しました」とは

「拝命しました」の意味は「謹んで任命を受けた」

「拝命しました」は「はいめいしました」と読みます。 「拝命しました」の意味は「謹んで任命をうけた」です。 「拝命」は「任命を受ける」という意味の謙譲語です。

【完全版】「拝命」の意味と挨拶での使い方、類語「任命」との違いとは?

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「拝命しました」の敬語は謙譲語+丁寧語

「拝命しました」は、品詞分解すると「拝命」+「し」+「まし」+「た」となります。 「拝命」は謙譲語です。 「し」は「する」の連用形です。 「まし」は丁寧語「ます」の連用形です。 「た」は過去を表す助動詞です。 したがって、「拝命しました」は謙譲語+丁寧語の正しい敬語表現です。

「拝命しました」の使い方と注意点

昇進・移動の挨拶で使う

「拝命しました」は、社内での昇進や移動の挨拶で使います。 例えば、部長に昇進したという場合の挨拶で「部長を拝命しました佐々木です」などと使うことができます。

例文

  • 本日付けで、こちらの店舗責任者を拝命しました狩野です。これも皆様のご支援の賜物だと思っております。従業員一丸となってお客様に満足していたけるよう、取り組んでいきましょう。どうぞお力添えのほどよろしくお願いします。
  • この度、今回の新規プロジェクトのプロジェクトリーダーを拝命しました竹本です。これもひとえに、みなさまのお引き立ての賜物と、こころより感謝しております。

社外の人に使うのはNG

「拝命」は、任命してくれた相手に対して敬意を示す敬語表現です。 よって、社外の人に足して「この度、店舗責任者を拝命しました佐々木です」などと挨拶するのは誤りです。 社外の人に対して社内の上司(身内)に敬意を示すのは間違った敬語だからです。 社外の人に挨拶をする場合は、「この度○月○日付けで店舗責任者となりました」などと挨拶をするのが一般的です。 同じ理由で、履歴書に記入するのも誤りなので注意しましょう。

「拝命」の敬語の注意点

「拝命いたしました」は正しい敬語

「拝命いたしました」は、品詞分解すると「拝命」+「いたし」+「まし」+「た」となります。 「拝命」は謙譲語です。 「いたし」は「する」の丁重語「いたす」の連用形です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「まし」は丁寧語「ます」の連用形です。 「た」は過去を表す助動詞です。 したがって、「拝命いたしました」は謙譲語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 「拝命いたしました」は、二重敬語ではありません。 二重敬語とは、一つの語に同じ種類の敬語を2つ以上重ねて使用することを指します。 「拝命」と「いたす」の2つの謙譲語が使われているため二重敬語といわれることがありますが、「いたす」は丁重語であり、謙譲語ではないので、二重敬語にはあたりません。

例文

  • この度、営業部長を拝命いたしました坂本です。このような大役をおおせつかり、誠に恐縮です。微力ではございますが、営業部長として納得のいく実績をあげるべく、日々邁進して参りたい所存です。
  • この度、新規プロジェクトのプロジェクトリーダーを拝命いたしました。まだまだ若輩者ですが、精一杯力を尽くしてまりますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

「ご拝命しました」は二重敬語

「ご拝命しました」は、「拝命」に接頭辞「ご」をつけています。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、自分の動作に対してつけているので謙譲語になります。 よって、「ご拝命しました」は謙譲語の「拝命」にさらに謙譲語の接頭辞をつけているため、二重敬語で誤りになります。 「拝命」がすでに自分の行動をへりくだって表現している謙譲語なので、謙譲語の接頭辞をつける必要はありません。

「拝命させてただきます」は間違った日本語

「拝命させていただきます」は誤りです。 「拝命させていただきます」の「させていただく」は「させてもらう」という意味です。 「拝命」にすでに「任命してもらう」という意味があるので、「させていただく」を続けてしまうと意味が重複してしまいます。 また、「拝命」が謙譲語で「いただく」も「もらう」の謙譲語なので、二重敬語です。 さらに、「させていただく」を使用する場合は、

  • 相手から許可があるか
  • 自分に利益があるか

の2つの条件が必要です。 「拝命させていただきます」の場合は、相手に許可を取っているわけではないので、これにも当てはまりません。 したがって、「拝命させていただきます」は慇懃無礼(いんぎんぶれい)となります。 丁寧にしているつもりでも、間違った日本語を使うのは失礼になるので、注意しましょう。

「拝命を賜る」「拝命を受ける」「拝命承る」「拝命される」も間違った日本語

「拝命を賜る」「拝命を受ける」「拝命承る」「拝命される」も誤りです。 「拝命を賜る」の「賜る」は「もらう」の謙譲語です。 相手から、〜をもらうという動作について相手を高めることができます。 「拝命を賜る」では、意味の重複していますし、二重敬語です。 「拝命を受ける」は二重敬語にはなりませんが、意味が重複しています。 「拝命を承る」の「承る」は「受ける・引き受ける」の謙譲語です。 「拝命を承る」では、意味が重複していますし、二重敬語です。 「拝命される」の「される」は、「する」の未然形に助動詞の「れる」がついた言葉です。 「れる」には自発と受け身、可能、尊敬の4つの意味があります。 「拝命される」の場合は、受け身または尊敬と解釈することができます。 しかし、「れる」を受身と解釈すると、意味が重複してしまいます。 また、「れる」を尊敬と解釈すると、謙譲語の「拝命」と一緒に使うのは不適切です。

「拝命」の類語・言い換え

任される

「任される」は「まかされる」と読みます。 「任す」の未然形である「任さ」に受け身の助動詞「れる」をつけています。 「任す」の意味は「自分のすべきことを人に代行してもらう。また、権限などを人にゆだねて、その人の思いのままにさせる」です。 よって、「任される」で「権限などを人に委ねてもらう」という意味になります。 店舗責任者を任命してもらったという場合に「店舗責任者を任されました」などと言い換えることができます。

引き受ける

「引き受ける」は「ひきうける」と読みます。 「引き受ける」の意味は「頼まれた役割や仕事を責任をもって受け持つ」です。 例えば、相手からの命令や要望に答えるときいに「お引き受けします」などと使います。

仰せつかる

「仰せつかる」は「おおせつかる」と読むます。 「仰せつかる」の意味は「目上の人から命令を受ける」という意味です。 命令する人を高めることができます。 例えば、「大役を仰せつかり、身が引き締まる思いです」など使います。

謹んで

「謹んで」は「つつしんで」と読みます。 「謹んで」は、動詞「慎む」の連用形に助動詞「て」のついた「つつしみて」た変化した言葉です。 「謹んで」で、相手の気持ちや立場を十分に尊重し、ひたすら応じる用意があるという気持ちを表します。 例えば、目上の人に仕事などを任せてもらったときに「謹んでお引き受けいたします」などと使います。 ただし「謹んで拝命します」は誤りです。 「拝命」にすでに「謹んで引き受ける」という意味があるので、意味が重複してしまいます。

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