「履き違える」の意味は「意味を取り違える」です。物事の意味や趣旨を正しい意味ではなく間違った他の意味として解釈してしまうことを指し、単に間違って理解することではなく、言葉の意味を間違って理解してしまう時に使います。「〜を履き違える」「AとBを履き違える」という使い方をします。類語には「取り違える」など。
「履き違える」の読み方は「はきちがえる」です。 「履」は訓読みで「はく」、「違」は訓読みで「ちがえる」と読みます。
「履き違える」の意味は「意味を取り違える」です。 物事の意味や趣旨を正しい意味ではなく間違った他の意味として解釈してしまうことを指します。 単に間違って理解することではなく、言葉の意味を間違って理解してしまう時に使います。
「履き違える」の語源は、「履物やズボンを間違って履くこと」です 「履き違える」には
の2つの意味があります。 そこから物事の意味や趣旨を正しい意味ではなく間違った他の意味として解釈することを、履物やズボンを間違って履くことに喩えて「履き違える」というようになったといわれています。
「履き違える」は、「〜を履き違える」の形で使用します。 「〜を履き違える」には
などの言い回しがあります。 例えば、相手の伝えたかったことと違う意味で言葉を捉えてしまうことを「言葉を履き違える」と言い表すことができます。 行間を読むことができないと「履き違える」ことが多くあります。
例文
「◯◯の意味を履き違える」は厳密には二重表現です。 なぜなら「履き違える」の中にすでに、「間違った他の意味として解釈する」という意味があるからです。 「二重表現」とは、「頭痛が痛い」のように同じ意味のある言葉を重ねて使用してしまうことで、「重言」ともいいます。 「意味を履き違える」を使用するのなら、正しくは「◯◯の意味を取り違える」「取り違える」です。
「履き違える」は「AとBを履き違える」「AをBと履き違える」などとも使うこともできます。 「AとBを履き違える」は、「AとBの意味を間違って解釈している」という意味になります。 「AをBと履き違える」は、「AをBの意味だと解釈している」という意味です。
例文
「取り違える」の意味は「誤って理解する」です。 話の内容や意味を間違えて理解することを「取り違える」といいます。 「間違える」という意味では「履き違える」の類語ですが、「履き違える」は「物事の意味や趣旨を正しい意味ではなく間違った他の意味として解釈すること」です。 よって、「取り違える」のほうが「間違えて理解する」の意で広いと言えます。 単に間違って理解することに対して使用できるのが、「取り違える」です。
「誤謬」は「ごびゅう」と読みます。 「誤謬」の意味は「あやまり。間違い」です。 「誤謬」は、特に考えや知識などの間違いに対して使用します。 論理学では、正しくない推理や論証についてそれがどうして生じたかについて心理的な説明などを付け加えるときに、そのような正しくない推論や論証を「誤謬」といいます。 「誤謬」は「履き違える」よりも意味が限定的であまり使用されることがありません。
「思い違い」の意味は、「間違って思い込むこと」です。 事実と違ったことを事実だと思いこんでしまうことを「思い違い」といいます。 「考え違い」の意味は「間違った考え方をすること」で、「思い違い」と同義です。 「履き違える」は「物事の意味や趣旨を正しい意味ではなく間違った他の意味として解釈すること」なので、「思い違い」「考え違い」のほうが「間違える」の意で広いといえます。
「勘違い」は「かんちがい」と読みます。 「勘違い」の意味は「間違っておもいこむこと」です。 物事うっかり間違えて認識してしまうことを「勘違い」といいます。 「履き違える」より「間違えて理解する」の意で広いと言えます。
「誤解」は「ごかい」と読みます。 「誤解」の意味は、「意味を取り違えること」です。 事実とは異なる認識をもったり、物事を本来の意味とは違って理解したり、真意を反訴する方向に判断することを「誤解」といいます。 特に、悪い意味で理解してしまっていることに対している場合に使用する言葉です。
「履き違える」の英語は「misunderstand」です。 「misunderstand」は「〜を誤解する」という意味なので、厳密には「履き違える」ではありません。
You completely misunderstand the nature of the problem.
あなたは問題の本質を完全に履き違えている。
「confuse A with B」ならば「AをBと混同する」という意味なので、「履き違える」に近いです。
He is confusing liberty with self‐indulgence.
彼は自由と放縦を履き違えている。