「箱推し」の意味と由来、使い方、類語、対義語を例文付きで解説

「箱推し」の意味

「箱推し」とはアイドルグループにおいて、特定の一人を応援するのではなくグループ全体を応援することを指します。 勘違いしやすいですが「箱推し」は、全メンバーを等しく愛しているわけではなく、好きな特定のメンバーはおらずグループ全体を応援していることを指します。 現在ではVTuberグループに対しても「箱推し」という言葉はよく使われます。 「推し」とは、「一推しのメンバー」を意味する「推しメン」をさらに略した表現です。 ちなみに「推しメン」の「メン」は「面」でも「男（Men）」でもありません。 アイドルなどのグループ中で一番応援しているメンバーのことを指す言葉です。

「箱推し」の「箱」の由来はなんでしょうか。 「箱」とは「グループ」のことを意味します。 「箱」の原義は「ものを入れる容器」で、そこから転じてライブ会場やクラブなど人の収容施設を「ハコ」ともいいます。 「箱推し」はライブ会場（つまり箱）まで「会いに行くアイドル」AKB48の台頭とともに使われるようになった言葉なので、そこから「会場にいる全てのメンバー＝グループ全体を応援する」という意味の「箱推し」という言葉が生まれたと考えられています。 ちなみに一人のメンバーを一筋に応援しているファンにとっては、箱推しする人は節操がないとして嫌う人もいます。 一方で箱推しする心理も理にかなっています。 メンバー同士の絡みや歌やダンスのコンビネーションを鑑賞するのがアイドルグループの醍醐味ともいえますよね。 またグループのコンセプトや活動内容、SNS戦略などプロデューサー視点で楽しむ人もいるでしょう。

「箱推し」の使い方と例文

「箱推し」はTwitterでは名前の欄に入れている人が多いです。 「ゆうか＠◯◯箱推し」などの形で、◯◯の箇所にアイドルグループの名前を入れて使ったりします。 「△△寄りの箱推し」という表現もよく使われます。 「△△というメンバーが一番好きだけど、グループ全体を応援している」という意味です。 「△△担の箱推し」「△△中心の箱推し」「△△贔屓の箱推し」「箱推し前提の△△推し」などの表現もあります。 特定のメンバーを推しているファンの中には、他のメンバーを中傷したり、グループでの活動を嫌っている人もいます。 「△△寄りの箱推し」はそうではなく「推しはいるけどグループ全体も好き」という意味で使われます。

「箱推し」の類語

全推し

「箱推し」の完全な同義語に「全推し」があります。 文字通り「全てのメンバーを推している」という意味です。 「全推し」より「箱推し」という言葉の方がよく使われます。

G担

「G担（じーたん）」はジャニオタ用語といわれます。 好きな特定のメンバーがいるジャニーズのファンを「◯◯担」と表現します。「担」は「担当」の略です。 「G担」は「Group（グループ）担当」の略で、「グループ全体が好き」という意味になります。

DD

「DD（でぃーでぃー）」もアイドル用語で、「誰でも大好き（Daredemo Daisuki）」の頭文字を取ったものです。 特定のアイドルを応援するのではなく、複数のアイドルを「掛け持ち」で応援する人です。 「DD」はしばしばネガティブな意味合いで使われます。 アイドルが無名の時代からずっと応援している年季の入ったファンからしたら、有名になった人は誰にでも飛びつく「DD」は鬱陶しい存在にあたります。 「ミーハー」と近い意味合いですね。 「私DDだから〜」と自ら宣言する時に使う場合もあります。 「箱推し」と「DD」は厳密には違います。 箱推しはグループ全体が好きなわけで、メンバーそれぞれを推しているわけではありません。

「箱推し」の対義語

単推し／最推し／激推し

「単推し」は「たった一人しかいない推し」または「たった一人だけを応援すること」を意味します。 「単推し」をするファンの中には、他のメンバーには目もくれず、ソロ活動を願ってやまない人もいます。 「最推し」とは「推しているメンバーの中で最もお気に入り」であることを意味します。 これは「推し」が複数いるファンが使います。 「神推し」「激推し」は「熱狂的に応援する特定のメンバー」または「特定のメンバーのみを熱狂的に応援すること」を意味します。 「神推し」「激推し」は「単推し」である場合が多いですが、必ずしも他に推しがいないとは限りません。

自担

「推し」の同義語に「自担（じたん）」があります。 「自担（じたん）」はよくジャニオタ用語といわれます。 つまり、「推し」は男性ファン→女性アイドルで使われるのに対して、「自担」は女性ファン→男性アイドルで使われます。 「自担」は「自分が担当しているアイドル」を略した言葉です。 「推し」のように「他人にすすめる」というニュアンスはありません。 「担当」という言葉が使われている点からも、「推し」よりも独占欲が強い語感があります。 「木村担」などと人名と組み合わせて使う場合もあります。