「息を呑む(いきをのむ)」とは、「驚きや恐れから、一瞬息を止める」という意味の慣用句です。呼吸するのを忘れるほど、一時的に激しく沸き起こる感情に対して使います。「呑む」は出そうになるものを抑えるの意で、「飲む」は使わないのが普通。
「息を呑む」は「いきをのむ」と読みます。 「息を呑む」の意味は、「驚いたり恐れたりして一瞬息を止めること」です。 「息を呑む」は比喩表現です。 「息を呑む」の「呑む」は比喩表現に使われ、「物事を受け入れる、耐えて表に出さない」という意味があります。 ただし、「呑」という漢字は表外漢字になりますので、公的文書では「のむ」と書きます。 「のむ」というと「飲む」の漢字もありますが、「飲む」は比喩的表現には使いません。よって「息を飲む」は誤用です。 「飲む」と「呑む」は「何かを口にしてのみこむ」といった意味では同じですが、細かく言うと、
という使い分けがなされます。 また、「息を呑み込む」も誤用なので注意しましょう。 「息を呑む」の由来は、人が驚いた時に一瞬で息をハッと吸う動作が由来です。 何か大きな衝撃を感じた時、普段無意識にしている呼吸が一瞬止まりますよね。 本来外に吐き出すべき息を押し止める様子を「息を呑む」では表しています。
「息を呑む」は、上記でもご紹介したように「驚きや恐怖などによって、一瞬だけ息を止める様子」を表す比喩的表現です。 言葉では説明できないほどの感動や恐怖などを表現する時に使います。 「恐怖」「驚き」などのマイナスな感情に対して、そして「感動」などのプラスな感情に対しても使います。 「息を呑む」の主な言い回しは、
などです。 「息を○○」という比喩表現は「息を呑む」以外にも、
などがあります。 「呑む」を使った他の比喩表現には、
などがあります。
例文
「息を呑む」の主な類語は、
などです。 「絶句する」の意味は「話の途中で言葉を失う」です。 「唖然とする」の意味は「予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま」です。 「茫然とする」の意味は「思いがけない事に驚き、そのショックで動けずにいるさま」です。「唖然とする」と似た言葉ですが、「茫然する」方が重症です。 最後に、「茫然自失(ぼうぜんじしつ)」は「驚きのあまりあっけにとられて我を忘れてしまうこと」という意味がある四字熟語です。
「息を呑む」は怒り、感動、緊張などの強い感情に対する表現ですので、「息を呑むまでには至らない」「何も感じない」などの意味合いでの対義語は、
などがあります。 また、「驚きや緊張などから解放される」といった意味合いでの対義語は「息を吐く」です。 読み方は「いきをつく」で「いきをはく」ではありません。 「息を吐く暇もない」という形で使うのが一般的ですが、「大きなプロジェクトが無事終わってほっと息を吐いた」という形でも使います。
「息を呑む」の英語は、「breathtaking」です。 意味は「驚くべき、すばらしい、あぜんとするような」です。 「breathtaking」は基本的にはプラスの感情に対してのみ使います。 「息を呑む」のプラスの意味合いを表す他の英語表現には、
「息を呑む」のマイナスな意味合いでの英語表現には、
などがあります。
などの英語はプラスとマイナスどちらの場合にも使うことができます。
いかがでしたか? 「息を呑む」について理解は深まりましたか? ✔読み方は「いきをのむ」 ✔意味は「驚いたり恐れたりして一瞬息を止めること」 ✔言葉では説明できないほどの感動や恐怖などを表現する時に使う ✔類語は「固唾を呑む」「唖然とする」「言葉を失う」など ✔対義語は「平然」「普通」「ありきたりな」など ✔英語表現は「breathtaking」など