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「色の白いは七難隠す」は悪口?男に使える?意味と由来、類語、対義語を解説

「色の白いは七難隠す(いろのしろいはしちなんかくす)」の意味は、「色白の女性は、醜い点があっても目立たない」です。元は褒め言葉ですが、「肌が白から欠点を隠すことができていいですね」という嫌味にも捉えられるため他人に対して使用するのは避けるべきです。

「色の白いは七難隠す」とは

「色の白いは七難隠す」の意味は「色白女性は少し醜くても綺麗に見える」

「色の白いは七難隠す」は「いろのしろいのはしちなんかくす」と読みます。 「色の白いは七難隠す」の意味は「色白の女性は、醜い点があっても目立たない」です。 肌の色が白ければ、ほかに欠点を補って美しく見えるということを言い表しています。

「七難」の由来は仏教用語ではない

仏教で「七難」は「人の世に起こる七種の災いのこと」ですが、「色の白いは七難隠す」の「七難」は仏教用語ではありません。 「色の白いは七難隠す」の「七難」は、「さまざまな難」のことです。 この場合の「七難」とは、

  • 一難「顔立ちの悪さ」
  • 二難「性格のきつさ」
  • 三難「生活の乱れ」
  • 四難「老化した肌」
  • 五難「運の悪さ」
  • 六難「色気のなさ」
  • 七難「みすぼらしさ」

だと言われています。

昔は、とにかく「肌が白い」ことが「美しい」とされていて、白粉(おしろい)で顔や首筋を白くしていました。 「白粉」とは、女性が肌を色白に見せるために顔や首すじなどに塗布する化粧品です。 ここから、「肌が白ければ醜い部分を隠すことができる」という意味で「色の白いは七難隠す」と言われるようになったといわれています。

「色の白い」を美とするのはいつから?

日本人が「美」を意識してお化粧をするようになったは、飛鳥時代です。 それまでは、宗教的なもので赤土などを肌に塗っていたと言われています。 この頃に初めて国産の「白粉(おしろい)」が作られ、平安時代には女性は白粉で顔を真っ白に塗っていました。 しかし、当時「化粧」は上級階級だけの習慣で、庶民に化粧の習慣が広がったのは江戸時代です。 江戸時代になると女性は毎日欠かさず白粉を塗るようになり、顔だけではなく、あご下や首筋、胸のあたりまで白くするようになりました。 よって、「色の白い」を「美」としていたのは飛鳥時代からで、一般市民が強く意識するようになったのは江戸時代からであるといえます。

「色の白いは十難隠す」とも

「色の白いは十難隠す」ともいいます。 江戸時代の社会の風俗描写を基本的な方法とする小説『浮世草子(うきよぞうし)』には、「色の白いは十難かくすとて、生地(きじ)にてかんにんのなる顔に白粉をぬりくり」という一文があります。 「色の白いは十難隠す」も「色の白いは七難隠す」も同義です。

「色の白いは七難隠す」の使い方と例文

男性には使わない

「色の白いは七難隠す」は、「肌が白いと欠点も隠れてとにかく美しく見える」という意味で女性に対して使用する言葉です。 「色の白いは七難隠すだ」「色の白いは七難隠すというように」「色の白いは七難隠すで〜」というように、引用する形で使用します。 「色の白いは七難隠す」は、男性には使用できないので注意しましょう。

「色の白いは七難隠す」の例文

  • 色の白いは七難隠すで、目は小さいけれど肌が白いからかわいく見える。
  • 子供のうちから日焼け対策はしたほうがいい。色の白いは七難隠すというからね。
  • 色白でモテるでしょうとよく言われますが、まさに色の白いは七難隠すだと思います。

元は褒め言葉だが悪口にもなり使用不可

「肌の白いは七難隠す」は、もともと肌の白い女性に対する褒め言葉です。 ただし、「肌が白いと欠点を隠すことができる」という意味なので「肌が白から欠点を隠すことができていいですね」という嫌味にも捉えられるため他人に対して使用するのは避けるべきです。 また、

  • 見た目による差別
  • 女性の差別
  • 人種差別

を助長する表現なので、現在では使用しない方がよいでしょう。

七難を災難という意味で使うのは誤用

上述したように、この場合の「七難」は「災難」という意味ではないので注意しましょう。 「色の白いは七難隠すで、災害から逃れることができた」という使い方は間違いです。

「色の白いは七難隠す」の類語

髪の長いは七難隠す

「髪の長いは七難隠す」は「かみのながいはしちなんかくす」と読みます。 「髪の長いは七難隠す」の意味は「髪の長さは、他の欠点を隠すことができる」です。 「肌が白い」と同じように、「髪の長さ」も女性の美しさの条件であったことから「髪の長いは七難隠す」と言われるようになりました。 「髪の長いは七難隠す」と、「肌の白いは七難隠す」は同義です。

馬子にも衣装

「馬子にも衣装」は「まごにもいしょう」と読みます。 「馬子にも衣装」の意味は「誰でも外面を飾れば立派に見えること」です。 ちゃんとしている衣装を身につければ、誰でも立派に見えることを表します。 「馬子」は「馬をひいて人や荷物を運ぶことを職業とする人。うまおい。うまかた」、「衣装」は「衣と裳。きもの。衣服。俳優や踊子などが演技の際に用いる衣服」を意味します。 当時「馬子」になるのは、身分が低かったり、下働きの人たちでした。 そんな身分が低い人たちでも、身なりをしっかりすれば立派に見えることから「馬子にも衣装」と言葉ができました。 「着ているもので身分の低さをカバーできる」という意味で「肌の白いは七難隠す」の類語です。 「孫にも衣装」や「馬子にも衣」は誤記なので注意しましょう。

誤用が多い「馬子にも衣装」の意味と使い方、類語、対義語、英語

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木株にも物着せよ

「木株にも物着せよ」は「きかぶにもものきせよ」と読みます。 「木株にも物着せよ」は「形の悪い木の切り株であっても、飾れば結構見栄えよくなること」です。 そこらへんに落ちている形の悪い石でも、少しでも磨くとまあまあ見栄えが良くなるということを言い表しています。

「色の白いは七難隠す」の対義語

炭団に目鼻

「炭団に目鼻」は「たどんにめばはな」と読みます。 「炭団に目鼻」の意味は「色が黒く醜い容姿のたとえ」です。 色黒で目鼻がはっきりしない不美人をいいます。 「色の白いは七難隠す」は、色白の人のことをいう言葉なので「炭団に目鼻」は対義語です。

衣ばかりで和尚はできぬ

「衣ばかりで和尚はできぬ」は「ころもばかりでわしょうはできぬ」と読みます。 「衣ばかりで和尚はできぬ」の意味は「身分の高い人であっても、着ているものが粗末であれば下品に見える」です。 形だけでは意味がないことを言い表す言葉なので、「色が白いだけで欠点をカバーできる」という意味の「色の白いは七難隠す」の対義語です。

色の黒きは味よし

「色の黒きは味よし」は「いろのくろきはあじよし」と読みます。 「色の黒きは味よし」の意味は「色の濃い食べ物は味が染み込んで美味しい」です。 色が黒いことをよしとする言葉なので、「色の白いは七難隠す」の対義語になります。

「色の白いは七難隠す」の英語

英語表現なし

「色の白いは七難隠す」の英語表現はありません。直訳しても意味があまり伝わらないでしょう。 人種差別に敏感である英語圏において、「肌の色が白いと欠点を隠せる」は完全に問題発言です。 このような内容は英語で言わないようにしましょう。

まとめ

「色の白いは七難隠す(いろのしろいはしちなんかくす)」の意味は、「色白の女性は、醜い点があっても目立たない」です。 肌の色が白ければ、ほかに欠点を補って美しく見えるということを言い表しています。 女性に対して使用する言葉で、男性に使用することはできません。

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