「意を決して」の意味は「思い切って決心して」です。「意を決して〜する」が定型句で、ひたむきな決意をして、普通の精神状態では困難なことに立ち向かうことを心に決めるという意味合いで使用されます。「腹をくくって」「眦を決して」などが類語です。
「意を決して」は「いをけっして」と読みます。 「意を決して」の意味は「思い切って決心して」です。 ひたむきな決意をして、普通の精神状態では困難なことに立ち向かうことを心に決めるという意味合いで使用されます。 「意」は「心。個々との動き。考え」という意味です。 「決する」は「決める」という意味です。
「意を決して」は、ただ「決める」というよりも、勇気をもって決断をするような強いニュアンスがあるので、ここぞという時に使用する言葉です。 そのため、日常的に使ってしまうと大げさすぎますし、言葉に重みが感じられなくなってしまいます。 例えば「意を決して夕飯をハンバーグにした」という使い方は不自然です。 ハンバーグが嫌いで、ハンバーグを食べるのに勇気がいるなどの事情があるのであれば問題ありません。
「意を決して」は「意を決して〜する」が定型句で、動詞を修飾する副詞的な言い回しで使用されます。 「意を決して」の後ろには、普通の精神状態では困難な動作が入ります。 「意を決する」が原型で、「〜をしようと意を決する」などということもできます。 「意を決した」とすると過去形になります。 「意を決したような」「意を決したように」という言い回しで使用することもできます。
例文
「腹をくくって」は、「どんな結果になってもだじろがないように意を決する」です。 いかなる結果になってもいいように覚悟を決めることをいいます。 「意を決して」のように、強い覚悟をもっていることを言い表す言葉なので「意を決して」は「腹をくくって」と言い換えることが可能です。
「眦を決して」は「まなじりをけっして」と読みます。 「眦を決して」の意味は「非常な決意をして」です。 「眦」とは、目尻のことで、興奮したときに目尻があがって見えることから、「強い決心をしたときの顔つき」という意味で「眦を決する」という言葉が使用されるようになりました。 「意を決して」と同じく強い決心をしたことを言い表す言葉なので、言い換えることが可能ですが知らない人が多い言葉なので「意を決して」を使用するのが一般的です。
「覚悟を決めて」は「かくごをきめて」と読みます。 「覚悟を決めて」は「ある物事を行うことを強く心に決めること」です。 「覚悟」は「予想される良くない事態や結果に対し、それをそのまま受け止めようと心を決めること」をいいます。 「意を決して」と「覚悟を決める」は同義です。 「覚悟を決める」は、最も一般的な表現で日常生活でもよく使用されます。
「毅然と」は「きぜんと」と読みます。 「毅然と」の意味は「意志がしっかりしていて、ものに動じないさま」です。 「毅然とした態度で立ち向かう」というように、自らの信念を曲げたり誘惑に負けたりするとことが全くみられない様子を言い表します。 「意を決して」は、「普通の精神状態では困難なことに立ち向かうことを心に決めること」 「毅然と」は、「すでに覚悟が決まっていて、強い意志をもっている様子のこと」です。
「勇敢に」は「ゆうかんに」と読みます。 「勇敢に」の意味は「勇ましく果断なこと」です。 危険や困難にひるまずに物事をする様子を言い表します。 強い意志をもって物事を行うという意味では「勇敢に」と「意を決して」は類語であるといえます。
「忌憚なく」は「きたんなく」と読みます。 「忌憚」は「いみはばかること、遠慮」を意味しています。 「忌憚なく」で、「遠慮なく」という意味になります。 例えば、目上の人に対して、自分が遠慮せずに意見するときにも「忌憚なく」が使われます。 「忌憚なく」にも勇気をもって、思い切ってというニュアンスが含まれますが、「意を決して」とは使い方違うので注意してください。
「意に介する」は「いにかいする」と読みます。 「意に介する」の意味は、「気にかける。気にする」です。 「介する」に「心にとめておく」という意味があります。 ほとんどの場合、「意に介さない」「意に介せず」など打ち消しをともなって使用されます。 「意に介さない」「意に介さず」で「気にしない」という意味になります。 「気にする」と同義ですが、「気に介する」とはいいません。 「意に会する」もよくある誤用なので注意しましょう。
「意にかなう」は「考えや希望にあう」です。 気に入ることを言い表す言葉です。 例えば、「社長の意に適う人材」で「社長の希望通りの人材」という意味になります。 「意にかなった○○」という使い方をすることもできます。 漢字表記は「意に適う」です。
「意に沿う」は「いにそう」と読みます。 「意に沿う」の意味は「相手の希望や要求に応じる」です。 「沿う」は「添う」と書くこともできます。 「気に沿う」は誤用です。 「顧客の意に沿うように○○をする」という使い方をします。
「意に満たない」は「いにみたない」と読みます。 「意に満たない」の意味は「気に入らない。満足しない」です。 自分の考えや望み通りではなく、不満があることを言い表します。 例えば、「意に満たない点が多々ある」で、「気に入らない箇所がいくつかある」という意味になります。
「意をくむ」の意味は「相手の考えを察する」です。 相手の気持ちや考えを好意的に推察することをいいます。 漢字表記は「意を汲む」です。 「意見を汲む」は誤用です。
「意のままに」の意味は「思い通り。思いのまま」です。 例えば、「部下を意のままに操る」というように使用します。 「意のままに操る」は、「自分の思い通りになるようにあつかう」という意味です。 「意のまま」を漢字で表記すると「意の儘」になります。
「意を尽くす」は「いをつくす」と読みます。 「意を尽くす」の意味は「考えていることを十分に言い表す」です。 自分の考えが相手によく伝わるように丁寧に述べることをいいます。
「意を決して」は「make up her mind and...」と表現することができます。 「make up my mind」で「決心する」という意味です。 もっとシンプルに「decided to...」としてもよいでしょう。 「〜すること決めた」という意味です。
I made up my mind and blew the whistle.
私は意を決して、内部告発をした。
「bring myself to...」で「やりたくないことをどうにかやる」という意味です。 「can't bring myself to...」で「どうしても〜できない」という意味でも使います。
She finally brought herself to talk about it to her mom.
彼女は意を決して、その件を母に話すことにした。
「意を決して」の意味は「思い切って決心して」です。 ひたむきな決意をして、普通の精神状態では困難なことに立ち向かうことを心に決めるという意味合いで使用されます。 「決める」というよりも勇気をもって決断をするような強いニュアンスがあるので、ここぞという時に使用する言葉です。 「意を決して〜する」定型句で、後ろには、普通の精神状態では困難な動作が入ります。