「若干名(じゃっかんめい)」の意味は「ほんの少しの人数」です。1人を含み、4、5人で場合によっては9人程度のことです。語源的には10人を含みますが、実際には「若干名」で10人を含むことはありません。求人での「若干名」は採用者がゼロになる場合もあります。
「若干名」の読み方は「じゃっかんめい」です。 「若」は音読みで「ジャク」、「干」は音読みで「カン」、「名」は音読みで「メイ」と読みます。 「わかせんめい」は誤りなので注意しましょう。
「若干名」の意味は「ほんの少しの人数」です。 はっきりと明示しにくいが、あまり多くない人数を表す言葉です。 由来は、「干」を分解して「一」「十」とし「一の若く(ごとく)、十の若し」としたことにあります。 「若し(ごとし)」は古語で「〜のようだ」という意味があり、「一の若く、十の若し」は「1のようであり10のようである」という意味になります。 これが語源となって「あまり多くない人数」を表す言葉として「若干名」という言葉が使用されるようになりました。 中国古代の思想書『墨子(ぼくし)』でも「若干人」という形で使用されています。 「若干人」は、今で言う「若干名」です。 「若干」は「若干のお金」のように「若干の○○」の形でも使います。 また「若干」は副詞としても使い、「若干不安が残る」などといいます。
「若干」の同音異義語に「弱冠」があります。 「弱冠」を「若冠」と誤って記す人が多いので注意しましょう。 「弱冠」とは「男子の20歳の異称。また、成年に達すること」「年の若いこと」という意味の熟語です。 「弱冠の頃」「弱冠○歳にして」などと使います。 「弱冠」は20歳前後の男子に使うのが普通です。 なので、「彼女は弱冠40歳で社長になった」とは使えません。 確かに40歳で社長になるのは若いですが、30歳以降の人には使用不可です。 例えば「弱冠18歳で世界大会優勝」などと、経験が浅いにも関わらずその年齢で達成するのは難しいことを成し遂げた人物に使います。 25歳までは可能ですが、20代後半は不可と覚えておきましょう。
「若干名」は、1人を含み、4、5人を指し、場合によっては9人程度まで使うことができます。 語源的には10人を含みますが、実際には「若干名」で10人を含むことはありません。 状況や話者の感覚によるところですが、10人は一般的に数が大きく「若干名」と表現するのは不自然です。
「若干名」の例文
求人広告における「若干名」は0人も含まれます。 「若干名」はあくまでも「1人〜9人」を意味しますが、会社は採用ではいくら募集しても適切な人材がいなければ1人も採用できないのが実情です。 そのため会社側は採用では本当にほしい人材と出会えるかさえも分からないので、あえて人数を明記するのを避けるために「若干名」という曖昧な言葉を使います。 「若干名募集」=「誰も受からない可能性がある」ということです。
「若干人(じゃっかんにん)」は「若干名」と同義です。 「名」と「人」は同じ意味ですが、丁寧さに違いがあります。 『新明解国語辞典』では、「名」は「人数を数える語、特に定員のあるものや定数のある場合の他、改まった表現をしようとする際は「人(にん)」よりも「名(めい)」を使うことが多い」と記してあります。 例えば、お店の予約等で「何名ですか?」と聞かれたときに、自分たちの人数は「3人です」というように「人」を使う必要があります。 また、丁寧にする必要のない場面でわざわざ「名」を使うのも避けましょう。 本来は「人」は「名」よりも砕けた表現なのですが、「若干人」はあまり聞き馴染みがない表現ですよね。 「若干人」は法律用語として使用されていましたが、分かりづらいので現在は「若干名」に統一されています。
「数名」は「すうめい」と読みます。 「数名」は、「2、3人〜5、6人ほどの人数」です。 同じく「数人」としても意味は同じですが、より砕けた表現になります。 「若干名」と「数名」は「それほど多くない数」という点は同じです。 ただし、「若干名」は1人を含みますが、「数名」は1人を含まないという点で異なります。 また、「若干名」は最大で9人程度まで意味しますが、「数名」は多くても6人程度です。
「幾人」は「いくにん」と読みます。 「幾人」は「不定、不明の人数」です。 「何人」のより堅い表現が「幾人」です。 「幾人」も2〜3人の少ない人数を差します。 例えば「来店しているお客様は幾人ですか?」と人数を確認するときに使用することができます。 また、「幾人」は、「幾人か」で「比較的少ない人数」を表し、「幾人も」で「ある程度まとまった人数」を表します。 例えば「海外に幾人か友人がいます」という場合、「海外に2〜3人友人がいる」という意味です。 「幾人も」は、「犠牲者が幾人も出た」という使い方をします。 この場合も人数的には2〜3人を差しますが、話者の感覚としては「本当は1人もいてはいけないのに何人も出てしまったという」ニュアンスがあります。
「複数人」は「ふくすうにん」と読みます。 「複数人」の意味は「2人かそれ以上の数」です。 「複数名」とするとより堅い表現になります。 「若干名」は1人を含みますが、「複数人」は1人を含みません。
「a few people」は「数人」という意味です。 「a few」は「2〜3の」という意味です。 「few people」だと「ほとんどいない人たち」という意味になります。
I saw a few people coming into the club.
数人がクラブに入るのを見た。
There were only few people in the party.
パーティーにはほとんど人がいなかった。
「若干名」に最も近い英語は「several people」です。 「several」は「a few」より多く「many」より少ない数を指します。
Several people have complained about this plan.
いくらかの人がこの計画に文句を言った。
「若干名(じゃっかんめい)」の意味は「ほんの少しの人数」です。 はっきりと明示しにくいが、あまり多くない人数を表す言葉です。 由来は、「干」を分解して「一」「十」とし「一の若く(ごとく)、十の若し」としたことにあります。 「若し(ごとし)」は古語で「〜のようだ」という意味があり、「一の若く、十の若し」は「1のようであり10のようである」という意味になります。 これが語源となって「あまり多くない人数」を表す言葉として「若干名」という言葉が使用されるようになりました。