「若干」という言葉をご存知でしょうか。「若干の時間がある」「若干残っている」などと使います。このように、「若干」は日常会話で使うことが多いですよね。では、「若干」の意味について正しく理解しているでしょうか。数を表す言葉であることは分かりますが、何個を表しているか、具体的な数字については曖昧だという人が多いと思います。また、同音語に「弱冠」がありますが、非常に間違えられやすいです。同じ読みでも意味は全く異なります。そこで今回は「若干」と「弱冠」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。意味を適切に覚えて、上手く使い分けましょう!
▶︎「若干」・・・はっきりとは決まっていないが、それほど多くはないこと ▶︎「弱冠」・・・何かを成し遂げるには年齢が若いこと。20歳の男子
「若干」は<じゃっかん>と読みます。 「じゃくかん」「わかほし」「じゃくほし」などと読むのは間違いなので注意しましょう。 「若」は音読みで「ジャク・ニャク」、訓読みで「わかい・もしくは」と読みます。 「若」は「いくらか」を意味します。 「干」は音読みで「カン」、訓読みで「ほす・ひる」と読みます。 「干」は「いくらか」を意味します。 「若干」の意味は、
です。 明確ではないが、それほど多くはない数量・数ははっきりとしていないが、あまり多くないことを表します。 「若干名・若干数」とは、はっきりした数は決まっていませんが、だいたい「1人以上の複数名・多くても10人」を表します。例えば、「採用若干名」とあれば、優秀な人物がいる場合は1名以上10人未満もしくは1名、いなければ採用はなしと考えられます。 「若干」は使う人によって、表す数量が違ってくるとても曖昧な言葉です。正確な数字が決まっている場合はしっかりと「◯◯名」「◯◯人」と表記するようにしましょう。 また、「若干」は数が少ないことを示しているので、「年齢が若い」という意味で使うのは間違いです。 「若干18歳なのに」「若干7歳だが」とは使うことができないので注意してください。
例文
「若」という漢字には「〜のごとし」という意味があります。「干」という漢字は「一」と「十」が合体した語なので、「若干」は「一の若く十の若し」という意味になります。 「一の若く十の若し」とは「一のようであり、十のようでもある」「一から十までの間にあるいくつかははっきりしない数」ということです。一番大きくても一桁の数ということになります。 中国の思想書『墨子』には、「若干人」という表現で使われています。今で言う「若干名」です。 日本では平安時代の物語『将門記』に「何ぞ若干の財物を虜領せよ」と記されています。 このように、「若干」という言葉は古くから存在しています。
多少 (意味:ちょっとした分量。少しであること) 「多少のミスは仕方がない」 いくらか (意味:そう多くない程度の量。少量。少しばかりか) 「朝と比べたらいくらか涼しくなった」 わずか (意味:数量・程度・価値・時間などが非常に少ないさま) 「わずかなお金しか持っていない」 少し (意味:数量・程度などが少ないこと) 「もう少しだけ欲しい」 すずめの涙ほど (意味:ごくわずかなもののたとえ) 「財産はすずめの涙ほどしかない」 少々 (意味:少ないさま。わずかなこと) 「少々の我慢は必要である」 大なり小なり (意味:大きかろうが小さかろうが) 「大なり小なり悩むことはあるよ」 ある程度 (意味:一定の程度は。一定の水準までは) 「ある程度上手くいった」 いささか (意味:すこし。わずか) 「この競技に関してはいささかの自信がある」
「弱冠」は<じゃっかん>と読みます。 「弱」は「ジャク・ニャク」、訓読みで「よわい・よわまる」と読みます。 「弱」は「わかい」を意味します。 「冠」は音読みで「カン」、訓読みで「かんむり・かぶる」と読みます。 「冠」は「冠をかぶる。成人の儀式」を意味します。 「弱冠」の意味は、
です。 元々は「20歳の男子」を表す言葉でしたが、今では「年齢が若いこと」を表す語として使われています。 「弱冠17歳で7段の棋士」「弱冠15歳で世界大会優勝」などと、経験が浅いにも関わらずその年齢で達成するのは難しいことを成し遂げた人物に使います。10代後半から20代までの男性を指すことが主なので、30歳以降の人には使いません。 女性に対しても使うことができますが、違和感を覚える人もいるので、なるべく使わない方が良いでしょう。 30歳以降の人で何かを成し遂げた人や女性の場合は、「35歳の若さで〜」「20歳の若さで〜」と表現するのが無難です。
例文
古代中国の周時代では、20歳の男子を「弱」と言いました。 「弱」になった時には、成人の証として「冠」をかぶるという元服が行われます。 これは大人になるための儀式です。 中国には学問をする人は読まなければいけない『四書五経』という書物があります。その中の『礼記』には、「弱とは20歳のこと、冠す」と記されています。 このようにして、「20歳の男子」を表す「弱冠」という言葉が誕生しました。 西暦400年代の中国の書物では、「年齢が若いこと」という意味で「弱冠」が使われています。 「弱冠」という言葉は、日本に渡る前からすでに今と同じような意味で使用されていたのです。
弱小 (意味:年の若いこと。弱年) 「弱小の頃はもう少し上手かった」 若少 (意味:年が若いこと) 「彼は若少からその才能を発揮していた」 弱年 (意味:年が若いこと。年が若いもの) 「弱年だが、メキメキと頭角を現している」 若年 (意味:年が若いこと。年が若いもの) 「あの俳優は若年層にものすごく人気がある」 年少 (意味:年の若いこと。また、その人) 「年少者であるが、実力は誰よりも優れている」 弱齢 (意味:年が若いこと) 「弱齢ながら、職人として一流だ」 ヤング (意味:若いさま。また、若者) 「ヤング向けの雑誌を発行する」
「若干」は英語で、 副詞ならば、
形容詞ならば、
になります。 「弱冠」は「only」になります。 例文です。
This is tasty but it's a little spicy.
これは美味しいが若干辛い。
He is very talented but in terms of interpersonal relationships he has some problems.
彼はとても才能があるが、人間関係においては若干問題がある。
Steve Jobs took his company public when he was only 25 years old.
スティーブ・ジョブズは弱冠25歳で彼の会社を上場させた。
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