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「可能でしょうか」の意味と使い方、より丁寧な敬語、言い換えを例文つきで解説

「可能でしょうか」は「可能だろうか」という意味の敬語表現です。ビジネスシーンで依頼をするときなどに使える正しい敬語表現ですが、ぶっきらぼうな言い方なので、より丁寧な敬語表現に言い換えることが多いです。今回は「可能でしょうか」の意味や敬語、使い方、より丁寧な敬語表現などを解説します。

「可能でしょうか」とは

意味は「可能だろうか」

「可能でしょうか」は「かのうでしょうか」と読みます。 「可能でしょうか」の意味は「可能だろうか」です。 「可能」には「そうすることができる」という意を表します。 「でしょうか」の意味は「だろうか」です。

敬語は丁寧語

「可能でしょうか」は品詞分解すると「可能」+「でしょう」+「か」となります。 「でしょう」は推量を表す「だろう」の丁寧語です。 「か」は疑問を表す終助詞です。 したがって「可能でしょうか」は丁寧語を使った敬語表現です。 正しい敬語表現ですが、「可能でしょうか」という言い方がぶっきらぼうであるため、親しくない上司や社外の人に対して使う場合はより丁寧な敬語表現に言い換えるのが望ましいです。

「できますでしょうか」の意味と敬語、言い換え「可能でしょうか」との違い

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「可能でしょうか」の使い方と例文

依頼をするときに使う

「可能でしょうか」は、依頼をするときに主に口頭や電話で使います。 例えば、上司に書類の確認を依頼するときや、取引先の相手に資料の送付を依頼するときなどです。 依頼をするときは、

  • お忙しいところ申し訳ございませんが
  • ご多用のところ恐縮ですが
  • お手数をおかけしますが

などのクッション言葉と併せて使うとより丁寧です。 クッション言葉とは、クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 上述したように、「可能でしょうか」は正しい敬語表現ですがぶっきらぼうな言い方です。 ビジネスメールなど文章で使う場合は、より丁寧な敬語表現に言い換えることがほとんどです。 より丁寧な敬語表現については後述します。

例文

例文

  • お忙しいところ恐れ入りますが、企画書を確認していただくことは可能でしょうか。
  • ご多用のところ恐縮ですが、30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
  • お手数をおかけしますが、資料をご送付いただくことは可能でしょうか。

「可能でしょうか」の言い換え

可能ですか

「可能でしょうか」は「可能ですか」としても正しいです。 「可能ですか」は品詞分解すると「可能」+「です」+「か」となります。 「です」は丁寧語です。 よって「可能ですか」も丁寧語を使った正しい敬語表現です。 「可能でしょうか」も丁寧語の敬語表現なので、敬意の度合いは同じです。 しかし推量の「だろう」の丁寧語「でしょうか」を使っている「可能でしょうか」のほうが、意味合い的に柔らかく謙虚です。

可能でございますか

「可能でございますか」とすることもできます。 「可能でございますか」は品詞分解すると「可能」+「で」+「ござる」+「ます」+「か」です。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 丁重語は謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「可能でございますか」は丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 「可能でしょうか」と意味は同じですが、「可能でしょうか」は丁寧語のみを使用した敬語表現なので、「可能でございますか」のほうが丁寧です。

可能でございますでしょうか

「可能でございますでしょうか」とすることもできます。 「可能でございますでしょうか」は品詞分解すると「可能」+「で」+「ござる」+「ます」+「でしょう」+「か」となります。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「でしょう」は推量を表す「だろう」の丁寧語です。 「可能でございますでしょうか」は、丁寧語を二つ使った敬語表現ですが、二重敬語ではありません。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用してしまうことをいいます。 「可能でございますでしょうか」の丁寧語「ます」は「ござる」を丁寧にしていて、「でしょう」は推量の「だろう」を丁寧にしています。 よって、この場合はかかっている語が違うので二重敬語ではなく正しい敬語表現です。 しかし、クドいので「可能でしょうか」や「可能でございますか」を使うことが多いです。

より丁寧な依頼の敬語表現

〜いただけますか

「〜いただけますか」は「〜してもらえますか」という意味です。 謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、疑問を表す終助詞「か」をつけた敬語表現です。 謙譲語「いただく」は、本動詞だと「もらう」、補助動詞だと「〜してもらう」という意味です。 例えば「ご確認いただけますか」の場合は、補助動詞として使われています。 自分の動作をへりくだり、相手に敬意を示します。 「いただく」は本動詞で使う場合は「頂く」と漢字で表記し、補助動詞で使う場合は平仮名で表記するという決まりがあります。 例えば「お時間をいただけますか」の場合は、本動詞になるので「お時間を頂けますか」と書くのが正しいです。

〜いただけますでしょうか

「〜いただけますでしょうか」は、「〜してもらえるだろうか」という意味の敬語表現です。 「〜いただけますでしょうか」は「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」、推量の「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問を表す終助詞「か」をつけています。 「〜いただけますでしょうか」も丁寧語を二つ使用していますが、かかっている語が違うので二重敬語ではありません。

〜いただいてもよろしいでしょうか

「いただいてもよろしいでしょうか」は、品詞分解すると「いただく」+「て」+「も」+「よろしい」+「でしょう」+「か」となります。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「よろしい」は「よい」の改まった言い方です。 「でしょう」は推量の「だろう」の丁寧語です。 「か」は疑問を表す終助詞です。 したがって、「〜いただいてもよろしいでしょうか」は謙譲語と丁寧語の正しい敬語表現です。 「〜してもらってもよいだろうか」と柔らかく依頼をする表現です。

〜いただきたく存じます

「〜いただきたく存じます」は品詞分解すると「いただく」+「たく」+「存ずる」+「ます」となります。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「たく」は願望を表す助動詞です。 「存ずる」は「思う」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「〜いただきたく存じます」は、謙譲語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 「〜いただきたく存じます」で、柔らかく自分の願望を伝えることができます。

〜いただけますと幸いです

「〜いただけますと幸いです」の「いただけますと」は、謙譲語「もらう」と丁寧語「ます」を使った敬語表現です。 「幸いです」は「幸い」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸いです」で「自分にとって嬉しいこと・幸せなこと」という意味になります。 したがって「〜いただけますと幸いです」は謙譲語+丁寧語+丁寧語の正しい敬語表現です。 「〜いただけますと幸いです」て、「〜してもらえると嬉しい」と柔らかく依頼をすることができます。

〜のほどお願いします

「〜のほどお願いします」は品詞分解すると「の」+「ほど」+「お」+「願う」+「ます」となります。 「ほど」は断定を避ける表現です。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「願う」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。 自分の動作に対して使っているので謙譲語になります。 「ます」は丁寧語です。 したがって「〜のほどお願いします」は謙譲語+丁寧語の正しい敬語表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。

〜くださいますようお願いいたします

「〜くださいますようお願いいたします」の「くださいますよう」は品詞分解すると、「ください」+「ます」+「よう」となります。 「ください」は命令形「くれ」の尊敬語です。 「ます」は丁寧語です。 「よう」は断定を避ける表現です。 「〜くださいますよう」とすることで、直接的な表現を避け謙虚に依頼をする表現になります。 「お願いいたします」は、「お」+「願う」+「いたす」+「ます」となります。 「お」は謙譲語です。 「いたす」は「する」丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、上述したように補助動詞は平仮名で表記する決まりがあるので「お願いいたします」と表記するのが正しいです。

〜いただきますようお願い申し上げます

「〜いただきますようお願い申し上げます」の「〜いただきますよう」は、品詞分解すると「いただく」+「ます」+「よう」となります。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「よう」は断定を避ける表現です。 「いただきますよう」も、直接的な表現を避け謙虚に依頼をする表現です。 上述した「くださいますよう」と「いただきますよう」は、言い方が違うだけで意味は同じです。 また、「くださいますよう」は尊敬語と丁寧語、「いただきますよう」は謙譲語と丁寧語という違いもありますが、こちらもどちらが丁寧ということはありません。 ただし、「くださいますよう」が命令形「くれ」の尊敬語「ください」を使っているという点で、謙譲語の「いただく」を使った「いただきまうよう」のほうが謙虚です。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語「お願い申し上げる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「申し上げる」も補助動詞なので、「お願いもうしあげます」とひらがなにするのが正しいです。しかし、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字にすることが圧倒的に多いです。 一方「お願いいたします」は正しくひらがな表記にすることが多いです。 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、どちらも丁寧の度合いは同じです。 しかし、「お願い申し上げます」の方が謙虚で、やや丁寧です。 そのため、ビジネスシーンなどでは「お願い申し上げます」が使われる傾向があります。

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