「完了」は日常生活でもよく使用する言葉だと思いますが、正しく使用することができているでしょうか。今回は、「完了」の正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。また、「完了」と「完成」といった類語との違いや「完了」の英語表現も合わせて紹介しますので是非参考にしてください。
「完了」の読み方は、「かんりょう」です。 「完」は音読みで「カン」と読み、 「了」は音読みで「リョウ」と読みます。
「完了」の意味は「物事が完全に終わること」です。 一定の間継続して続けていた物事が不足なく完全に終わることを意味します。 「完了」の「完」には、「やりとげる」という意味の他に「欠けた所がない」という意味があります。 少しでもやり残したことがあるような場合や、途中で終わらせることになった場合は「完了」を使用することはできません。
「完了」は、「完了する」の形で使用するのが基本です。 物事を完全に終えた状態を「〜が完了する」と言い表すことができます。 例えば、「移転の準備が完了する」だと「移転をするための準備が完全に終了した」という意味になります。 「移転の準備」と言っても、荷物の梱包など様々ありますよね。 その一つ一つに対して、例えば「梱包が完了する」などと使用することも可能です。 つまり、「移転の準備完了する」は、梱包作業など全ての作業が完全に済んでいる状態を指しているということです。
例文
ビジネスシーンでは、目上の人に「完了した」ということを伝える場面も多いです。 目上の人に伝える時に、「した」を「しました」に変えて「完了しました」でも敬語になります。 しかし、「ます」は丁寧語なので相手に対する敬意を示すことができません。 「完了いたしました」なら、「いたす」が謙譲語でより丁寧になります。 ビジネスシーンで目上の人に使う場合は後者を使用したほうが、失礼がないので望ましいと言えるでしょう。
例文
「完了」は、「完了済み」という形で使用されることもあります。 「済み(ずみ)」は、名詞の後につけることで「それが終わっていること」「済んでいること」を 意味します。 例えば「発注作業は、完了済みです」は、「発注作業を完全に終えている」という意味です。
例文
「完了形」は、文法で動作・状態がすでに終わっていることを示します。 英語などの文法を習うときに、「完了形」という言葉をよく耳したのではないでしょうか。 例えば、「〜をする」という形を「〜が完了した」とその物事が終わった状態に言い変えると「完了形」になります。 「完了形」には、「現在完了形」「過去完了形」「未来完了形」があります。
「完了期」は、赤ちゃんの「離乳食が完了する時期」を指します。 赤ちゃんは、生後5ヶ月を目安にミルクや母乳から離乳食を食べるようになります。 しかし、歯がすべて生えているわけではありませんし、食べる力も十分に備わっていません。 そのため、ほぼお湯の10倍粥からはじまり、食べ物や硬さなど段階に分けて離乳食を進めて行くのが基本です。 「離乳完了期」は、ある程度形のある物を噛み潰せるようになった離乳食の最終ステップです。
「完了検査」は「建物の建築工事が完了した時にする検査」です。 「完了検査」は、実際に建物が法令を遵守して建築されていることを確認するための検査です。 建築基準法第7条第1項に定められていて、建築が完了したら4日以内に完了審査の申請を行わなければいけないという決まりがあります。
「完成」は「完全にできあがること」という意味です。 「完」は、完了の「完」と同じ意味で使用されています。 「成」は、「なる・できあがる」という意味で使用されています。 例えば、「マイホームが完成した」は「マイホームができあがった」ということです。 「完成」は、「何が仕上がった・出来上がった」という意味で使用する言葉で、 「完了」は、「事物を完全に終えた」という意味で使用する言葉であるという違いがあります。
例文
「完結」の意味は、「完全に終わること」です。 「完」は、「完了」の「完」と同じ意味で使用されています。 「結」は「しめくくる」「まっとうする」という意味があります。 完結は、「続いていたものが完全に終わること」を意味する言葉です。 「完了」と同じ意味のように感じますが、 「完結」は、主に「作品の内容などがまとまりのついた状態で終わること」という意味で使用する言葉であるということに違いがあると言えるでしょう。 「完結」は、「物事を完全に終えること」という意味であり「まとまりのついた状態で」というニュアンスは含まれません。
例文
「完遂(かんすい)」は「完全にやり遂げること」という意味です。 「完」は、「完」の「完」と同じ意味で使用されています。 「遂」は、「なしとげる」「やりとげる」という意味です。 何か物事を完全に成し遂げることができた場合に使用するのが「完遂」という言葉です。 「完了」は、「完全に終える」という意味ですが、「完遂」に単に終えたというだけではなく「最後まで成し遂げた」という意味で使用される言葉であるというところに違いがあります。 「諦めずにやり終えることができた」といったニュアンスを含んで使用されるのが「完遂」という言葉です。
例文
「終了」の意味は、「終えること」です。 「終」は「おわる・おえる」という意味があり、「了」にも「おわる・おえる」という意味があります。 「終了」は同じ意味の言葉を重ねた熟語です。 「放送終了」のように「物事が終わること・終わったこと」を意味する言葉として使用されます。 「終了」と「完了」の大きな違いは「終了」には「完全に」という意味がないということです。 「完了」は「完全に終えた」という状態のときに使用する言葉ですが、「終了」は途中でもやめてしまえば「終了した」と言うことができます。
例文
「満了(まんりょう)」の意味は、「定めの期間が終わること」です。 「満」は、「みちる・みたす・みちたりる」という意味があり、「了」は「おわる・おえる」という意味があります。 つまり、「満了」は「満たして終わる」ということです。 例えば、1年間の契約を結んでいたとすると1年後に定めの期間が終わるので、その時を「満了」と言います。 「完了」は「すべてを終えた」という意味ですが、「満了」は「期間を満たした」という意味で使用するという点で大きな違いがあると言えます。
例文
「完了」の対義語には、
などがあります。 「完了」が「全てを完全に終える」という意味なので、「完了していない」という意味の言葉 が対義語になります。
例文
「完了」は、「完全に終える」という意味で使用する言葉なので「中止」も対義語になります。 「中止」は、「作業を途中でやめる」という意味があります。 計画進行していたことや、実行最中のものを完全に終える前にやめてしまうことを「中止」と言います。
例文
「完了」の英語は「complete」です。 「complete」は形容詞と動詞の両方があります。 「完了した」という意味以外にも「全部の、全てがそろってる」という意味もあります。 「perfect」には「質が高い」という意を含みますが、「complete」には含みません。 「complete」の対義語は「imcomplete」です。
His work is now complete.
彼の作品はもう完了している。
「終える」という意味の「finish」を使うことも可能です。
Have you finished your task yet?
あなたのタスクはもう完了しましたか。
いかがでしたか? 「完了」について理解していただけたでしょうか。 ✓「完了」の読み方は「かんりょう」 ✓「完了」の意味は「物事が完全に終わること」 ✓「完了する」の形が基本 ✓「完了しました」より「完全いたしました」が丁寧な敬語 など