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「今生の別れ」の意味と挨拶での使い方、読み方、類語を例文つきで解説

「今生の別れ」は「こんじょうのわかれ」と読みます。「今生の別れ」の意味は「一生会わないこと」で、「生きている間はもう二度と会うことはない」という状況で「今生の別れであった」というように使用されます。類語には「永遠の別れ」などがあります。

「今生の別れ」とは

「今生の別れ」の読み方は

「今生の別れ」は「こんじょうのわかれ」と読みます。 「今」は音読みで「コン」、「生」の音読で「ショウ」、「別」は訓読みで「わかれる」と読みます。 「こんせいのわかれ」や「こんしょうのわかれ」は誤った読み方なので注意しましょう。

「今生の別れ」の意味は「一生会わないこと」

「今生の別れ」の意味は「一生会わないこと」です。 「今生」は仏教用語で「この世に生きていること」という意味です。 「別れ」の意味は「ある人から離れて立ち去ること」「死別すること」です。 「今生の別れ」はこの人生で二度と会わない時に使います。 死別だけではなく、縁を切るなどもう二度と会うことはないことを言い表す言葉です。

「今生」の類語は「現世」

「今生」の類語には「現世」があります。 「現世」は、「現在世」の略で「現在の世の中」という意味です。 また、仏教では三世の一つ「この世」のことを「現世」といいます。 「今の世」、「現生(げんしょう)」も「現世」と同義で「今生」の類語です。

「今生」の対義語は「前生」「後生」

「今生」の対義語は「前生」「後生」です。 「前生」は「ぜんしょう」または「ぜんじょう」と読みます。 「前生」は仏教用語で、「この世の中に、人間として生まれてくる以前に受けていた世」です。 「前世」「先生(せんじょう)」も、「前生」と同義で「今生」の対義語になります。 「後生」は「ごしょう」と読みます。 「後生」の意味は、仏教用語で「死後の生存のこと」です。 死後に住む世界、または死後生まれかわることを「後生」といいます。 「後世(ごせ)」、「来世(らいせ)」、「あの世」も「後生」と同義で、「今生」の対義語です。

「今生の別れ」の使い方と例文

「今生の別れを告げる」「今生の別れであった」などと使う

「今生の別れ」とは「生きている間はもう二度と会うことはない」と状況で使用します。 別れる相手は、友人や恋人、家族、知り合い、ペットなど親しさなどを問わず幅広く使用することができます。 一生会うことができないと相手に伝えることを「今生の別れを告げる」などと表現します。 また、思いがけず一生の別れになってしまった場合には、「今生の別れであった」「今生の別れになる」と言い表すことができます。 「今生の別れを告げる」「今生の別れであった」などは死別に対しても使えますが、死別以外の別れにも使うことができます。

例文

  • 彼女のためにも今生の別れを告げることにした。
  • 「また会おう」と言って別れたものの、それが彼との今生の別れであった。
  • 今生の別れを決意し、家を出た。

「今生の別れでもあるまいし」は別れを悲しむ恋人を慰める

「今生の別れでもあるまいし」は、別れを悲しむ、恋人や家族、友達を慰めるときに使用される言い回しです。 また会うことができる相手に対して、「もう一生会えないというわけではないのだから、そんなに悲しまないで」「また会える日が来るからね」という意味で使用されます。 「でもあるまいし」とは「〜ではないのだから」と相手を諭す時に使用される表現です。 しばしば非難するニュアンスを含むため、目上の人に対しては使用しないほうが無難です。

例文

  • 今生の別れでもあるまいし、そんなに泣くのでない。
  • 卒業をしたらそれぞれの道を歩むことになるが、それが今生の別れではない。

「今生の別れ」の関連語「今生の暇乞い」

「今生の暇乞い」は「こんじょうのいとまごい」と読みます。 「暇乞い」には

  1. 別れを告げること、別れの挨拶
  2. 暇をくれるように頼むこと

という意味があります。 この場合の「暇乞い」は1つ目の「別れの挨拶」という意味で使用されています。 「今生の暇乞い」で、「この世から別れの挨拶をする」という意味になり、死ぬ覚悟で別れを告げることを「今生の暇乞い」といいます。

「今生の思い出」もよく使う言い回し

「今生の思い出」のよく使用される言い回しなので覚えておきましょう。 「今生の思い出」は「こんじょうのおもいで」と読みます。 「この世に生きている間の思い出」という意味です。 生きている間の出来事や体験を「今生の思い出」といいます。

例文

  • プロの棋士と一戦を交えることができたのは今生の思い出になった。
  • 今生の思い出を作るため世界一周の旅に出ることにしました。

「今生」の誤用に注意

「今生の頼み」ではなく「後生の頼み」

「今生の頼み」はよくある誤用なので注意しましょう。 「今生の頼み」ではなく、正しくは「後生の頼み」です。 「後生(ごしょう)」は、仏教用語で「死後に生まれかわること」を意味します。 また「後生」には、死後に極楽浄土に生まれ変わることなど仏教の死の世界観から、「来世で安楽を教え示す」という意味もあります。 そこから、「極楽浄土を願う」という意味で「後生を願う」という使い方をするようになりました。 さらに転じて「どうか頼むから」と懇願する意味をもつようになり「後生の頼み」などと言われるようになりました。 「後生の頼み」は、「一生のお願い」というニュアンスで使用される言葉です。

「今生の国のアリス」ではなく「今際の国のアリス」

「今生の国のアリス」は、正しくは「今際の国のアリス」です。 「今際の国のアリス」は「いまわのくにのありす」と読みます。 「今際の国のアリス」は現在配信中のNetflixオリジナル作品です。 山崎賢人さんや土屋太鳳さんなど若手実力俳優が多く出演しています。 「今際」の意味は「死ぬ間際」という意味です。 よって、「今際の国のアリス」は「死ぬ間際のアリス」という意味になります。

「今生の別れ」の類語・言い換え

永遠の別れ・永の別れ・終の別れ・今際の別れ

「今生の別れ」の類語・言い換えは「再び会うことがない別れ」を意味する言葉です。 例えば、

  • 永遠の別れ
  • 永の別れ
  • 終の別れ
  • 今際の別れ

などがあります。

永別

「○○の別れ」以外にも「永別」が「今生の別れ」の類語になります。 「永別」は「えいべつ」と読みます。 「永別」の意味は、「永久の別れ」という意味です。 再び会うことが期待されない別れを「永別」といいます。 ただし、「今生の別れ」とは異なり、「永別」の場合は「死別」の意味で使用されることがほとんどです。

愛別離苦

「愛別離苦」は「あいべつりく」と読みます。 「愛別離苦」の意味は「親愛なる人との別れ」になります。 家族、恋人、友人など、愛する人と生き別れや死別する苦しさや悲しみのことを指します。 会えなくなってしまうことの辛さを表した言葉です。 「今生の別れ」のように「一生の別れ」そのものを意味する言葉ではなく、一生分かれてしまうことの苦しみを言い表している言葉です。

「愛別離苦」の意味と読み方、使い方、例文、類語、対義語、英語表現を解説

WURK

「今生の別れ」の英語

farewell

「farewell」は「別れ」という意味で必ずしも「今生」という意味は含まれませんが、よくネイティブが使う表現です。 「お別れ会」は英語で「farewell party」といいます。 「say my farewell to...」で「...にお別れを告げる」という意味です。

We said our sad farewells and got on the train.

私たちは今生の別れを告げて、電車に乗ったのだった。

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