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「面々」の意味と使い方、読み方、熟語、類語「顔ぶれ」との違いを例文つきで解説

「面々(めんめん)」の意味は「多くのものの中の一人一人」です。「そうそうたる面々」というように、そこに属している人を言い表す場合に使用します。ただし「面々」は敬語ではないので、目上の人に対して使用するときは「方々」に言い換えます。

「面々」とは

「面々」の意味は「多くのものの中の一人一人」

「面々」には3つの意味があります。

  1. 一人一人別々に全部。そこにいる人達や、その集団の人たち
  2. それぞれの方面。各方面
  3. 対称の人代名詞。対等以下にいう。お前達。

1つ目の意味は、「多くのものの中の一人一人」を表します。 2つ目、3つ目の意味は古語であり、現代ではほぼ使いません。

「面々」の読み方は「めんめん」

「面々」の読み方は「めんめん」です。 「面」は音読みで「メン」と読みます。 「々」は「おなじ」「のま」といい、同じ漢字を重ねた際の代用です。 よってこの場合の「々」は「面」の代用字であり「めん」と読みます。 「面」は訓読みで「つら」と読みますが、「面々」を「つらつら」と読むと建築用語になります。 建築用語で「面々」は壁や柱の面になった部分間の計り方のことをいいます。

「面々」の語源は和語「おもておもて」への当て字

「それぞれに」という意味の和語「おもておもて」の当て字が「面面」でした。 この「面面」を音読みしたものが「面々(めんめん)」です。 方言ではありません。 「面々」は、辞書にも載っている共通語です。

「面々」の使い方と例文

「そうそうたる面々」などと使う

「面々」は、あるグループを構成している人達、そこに属している特定の人を表す場合に使用します。 例えば、「出席している面々」だったら「出席している人たち全員、出席している一人一人」という意味になります。 よく使用される言い回しには、

  • そうそうたる面々
  • 名だたる面々
  • ○○の面々
  • いつもの面々
  • 〜をはじめとする面々が・・・

などがあります。 「そうそうたる面々」「名だたる面々」は「その分野の中で、優秀な人々が集まっているさま」を意味します。

「面々」の例文

  • そうそうたる面々が集まった。
  • チームの面々が悔しさをあらわしていた。
  • これから毎日、この冴えない面々と顔をあわせると思うとうんざりする。
  • 毎回会議に遅刻してくるのはいつも同じ面々だ。
  • 発表されたキャストを見てみると個性的な面々が揃っていた。

「面々」は敬語でないので「方々」に言い換えるべし

「面々」は敬語ではないので、目上の人に使用するのは適しませんが、目上の人に対して他の敬語表現と合わせて使うことは可能です。 だが、「面々」は自分と対等の立場の人や、目下の人に使用する言葉です。 目上の人に対して使用するのなら、「人々」を敬っていう「方々」を使う方がよいです。

「方々」の例文

  • つい先ほど、A社の方々がお見えになりました。
  • ご来場の方々にお知らせいたします。本日予定されていた講演は中止となりました
  • 多くの方々にご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。

「面々」の誤用に注意

「面々たる」ではなく「綿々たる」

「面々たる」は「綿々(めんめん)たる」の誤記です。 「綿々たる」は、「絶えることなくいるつまでも続くさま」という意味です。 他にも「綿々と」「綿々として」という使い方をします。 例えば、「綿々と綴る」は「絶えることなくいつまでも言葉を書く」という意味です。 「面々」は「面々たる」という使い方はしません。 「面々たる」と誤用している人は「そうそうたる面々」と混同している可能性も大です。

「面々と続く」ではなく「連綿と続く」

「面々と続く」も誤用で、正しくは「連綿と続く(れんめんとつづく)」です。 「連綿(れんめん)」の意味は「絶えることなく長く続くさま」です。 「連綿と続く」で「途切れずに続く」という意になります。 例えば「我が家は伝統芸能を伝えることを連綿と続けている」というような使い方をします。 響きが似ているので混同されやすいですが、「面々と続く」という使い方はしないので注意しましょう。

「面々」を含む慣用句

面々の蜂を払う

「面々の蜂を払う」は「めんめんのはちをはらう」と読みます。 「面々の蜂を払う」の意味は「他人のことをあれこれいう前に、まず自分の欠点を反省しなければならない」です。 「他人のことをかまうより自分を省みよ」という戒めの意味で使用される慣用句です。 同義語には「己の頭の蝿を追え」「我が蜂を払え」があります。

面面捌き

「面面捌き」は「めんめんさばき」と読みます。 「めいめいさばき」ともいいます。 「面面捌き」の意味は「各人が思うままにさばくこと」です。 各自が自由に処理すること、また、その処置のことをいいます。 ちなみに「面々」を含む四字熟語は存在しません。

面面の楊貴妃

「面面の楊貴妃」は「めんめんのようきひ」と読みます。 「面面の楊貴妃」の意味は「人はそれぞれ自分の妻を美人だと思う」です。 各人がそれぞれ自分の妻や愛人を、中国の楊貴妃のような美人だと思いこむ様子にたとえた慣用句です。 人にはそれぞれ好みがあり、好きになると欠点も目につかず、美しくみえるということを言い表しています。

「面々」と「顔ぶれ」の違い

「顔ぶれ」の意味は「会合や事業などに参加する人々」

「顔ぶれ」の意味は「会合や事業などに参加する人々」です。 会合や競技などの特定のグループを表す場合に使用されます。 例えば、「そのパーティーにはそうそうたる顔ぶれがそろった」と言います。これは「そのパーティーには優秀な人物が多く集まった」という意味になります。 類語は「面子(メンツ)」です。 その他にも「メンバー」「組委員」「団員」「一員」などです。 「面々」と「顔ぶれ」は、「そこにいる人達」や、「その集団の人たち」という多くの人を表す言葉であるという点では共通しています。 ただし、「面々」は「それぞれ。一人一人」、「顔ぶれ」は「全体的」という意味であるという点で異なります。 例えば「そうそうたる面々」は「一人一人が能力をもったすごい人」 「そうそうたる顔ぶれ」は「能力をもった人達の集まり」という意味になります。

「面々」と「顔ぶれ」の意味の違いと使い分け

WURK

「顔ぶれ」の例文

例文

  • キャストの豪華な顔ぶれを見て公開が楽しみになった。
  • この顔ぶれでは幸先不安である。
  • 集まりにはいつもの顔ぶれがそろっていたので、安心した。

「面々」の類語・言い換え

一人一人

「一人一人」は「ひとりひとり」と読みます。 「一人一人」の意味は「多くの人の、それぞれ。」です。 「順に一人ずつ」という意味で使用されることもあります。 「一人ひとり」とも書きます。 「一人一人」と「面々」は同義です。 ただし、「面々」には「順に一人ずつ」という意味はありません。 また、「一人一人」は、話し言葉として使用されることがほとんどです。

めいめい

「めいめい」の意味は「一人一人別々に」です。 漢字表記は「銘々」です。 「めいめい」は「面々」が変化したもので、「面々」と同義です。 「めいめい」も「一人一人」と同様に話し言葉として使用されることがほとんどです。

各自

「各自」は「かくじ」と読みます。 「各自」の意味は「その団体(組織)を構成する、一人ひとり」です。 「面々」と同義であるといえます。 「各自」は文語的で、手紙などの文章などで使用されます。 またグループ内で用いることが多いです。

各人

「各人」は「かくじん」と読みます。 「各人」の意味は「それぞれの人」です。 その組織に関係し、その社会に生きている一人一人を言い表します。 「各人」も「面々」と同義です。 「各人」はグループには関わりなく使用されることも多いです。

「面々」の英語

each

「面々」は「多くの人たちのそれぞれ」という意味なので「each」または「every」が正しい英語表現です。 単に「all」「everyone」としてもよいでしょう。

Each member of the committee was a big name in the business world.

委員会の面々は産業界の大物ばかりだ。

All those present were in formal attire.

出席者の面々はみな正装だった。

まとめ

「面々(めんめん)」は「多くのものの中の一人一人」です。 例えば、「出席している面々」だったら「出席している人たち全員、出席している一人一人」という意味になります。 「顔ぶれ」は、「会合や事業などに参加する人々」です。 会合や競技などの特定のグループを表す場合に使用されます。 「面々」は「それぞれ。一人一人」、「顔ぶれ」は「全体的」という意味であるという点で異なる言葉です。

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