「紋切り型」の意味は「決まりきった形式」です。物事のやり方が一定の型におさまっていることを「紋切り型」といい、「紋切り型の挨拶」「紋切り型の発想」というように形式通りで新鮮味・誠実さが感じられないというネガティブな意味で使います。「ステレオタイプ」などが類語にあたります。
「紋切り型」の読み方は「もんきりがた」です。 「紋」は音読みで「モン」、「切」は音読みで「きる」、「型」は訓読みで「かた」と読みます。
「紋切り型」の意味は「決まりきった形式」です。 物事のやり方が一定の型におさまっていることを指します。 形式通りで新鮮味・誠実さが感じられないというネガティブな意味で使います。
「紋切り型」の語源は、「 紋形を切り抜くための型」です。 この「紋切り型」から、近世以降「決まったやり方」という意味で使用されるようになりました。 使用され始めた当時は「形通りの決まったやり方」という意味しかありませんでしたが、時が経つにつれて「決まったやり方しかできない」「新鮮味がない」というネガティブな意味で使用されるようになりました。
「紋切り型」は、形式通りで新鮮味・誠実さが感じられないことを批判するときに使用します。 例えば、定型文を並べただけで気持ちがこもっていないように感じる挨拶や祝辞を、
といいます。
は、オリジナル性がなくつまらない考え方という意味です。 その他にも、
という言い回しで使用することができます。 「紋切り型」を使用することで否定的な意味合いになるので、形式通りにすることが正しい場面で使用することはできません。
例文
「テンプレート」の意味は
です。 3つ目の意味で「紋切り型」の類語になります。 決まった文章の書き方やひな形データを「テンプレート」といいます。 「テンプレート」は英語「 template」が由来です。
「フォーマット」の意味は「形式」です。 本来の意味は印刷物の大きさや形などのことですが、現代では「書式」の意味で使われます。 書籍の判型、雑誌の体裁、ビジネス書類の形式など幅広い媒体の定まった書き方・型を「フォーマット」といいます。 「フォーマット」は英語「format」が語源です。
「ステレオタイプ」の意味は、
です。 2つ目の意味で「紋切り型」と同義です。 「ステレオタイプ」は英語「stereotype」が由来です。
「バイアス」の意味は「偏り」です。 また、心理学では「偏見」という意味で使用されます。 「これは絶対にこうだ」「こうなのだろう」という人間の抱く思い込みというような偏った考え方に対して「バイアス」という言葉を使用します。 思い込みなど、先入観にとらわれるという意味では「紋切り型」と類語であるといえます。 ただし、「バイアス」には「紋切り型」とは異なり「形式通り」という意味はありません。 「バイアス」は英語「bias」が由来です。
「レッテル」の原義は「商品に製造会社などが貼り付ける神札」です。 転じて、「ある人物や物事に対する特定の評価」という意味でも使用されます。 一定の型におさめて「○○だ」と勝手に決めつけることを「レッテルを貼る」などといいます。 「レッテル」はオランダ語「letter」が由来です。
「ひな形」は、
という意味です。 2つ目の意味で「紋切り型」と類語になります。 「ひな形」は、「形式そのものを差す言葉」で、「紋切り型」は「形式通りにすること」という意味です。
「定型文・定型句」の意味は、「手紙や文章で使用する決まった言い回しのこと」です。 上述した「テンプレート」と同義です。 「定型文」「定型句」は「一定の形式の文章」のことをいいます。 文章に対してのみ使用できる言葉なので、「紋切り型」より意味が狭いです。
「鋳型」は「いがた」と読みます。 「鋳型」の意味は「鋳物(いもの)をつくるとき、溶かした金属を流し込む型」のことです。 「鋳物」とは、加熱して溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後に型から取り出して作った金属製品のことをいいます。 そこから転じて、「生徒を鋳型にはめようとする」など、「型にはまらせる」という意味で使用されることがあります。
「ありきたり」の意味は「ありふれていること」です。 普通であって、珍しくないことを「ありきたり」といいます。 「紋切り型」と同じように「新鮮味がなくてつまらない」などネガティブな意味でも使用する言葉です。 よって、「紋切り型」は「ありきたり」と言い換えることができます。
「型にはまる」は、「決まった形式や方法どおりで、個性や独創性がないこと」です。
という言い回しで使用することができます。 「形にはまる」は誤記なので注意しましょう。
「通り一遍」は「とおりいっぺん」と読みます。 「通り一遍」の意味は
です。 2つ目の意味で「紋切り型」と同義です。 例えば、「紋切り型の挨拶」を「通り一遍の挨拶」と言い換えることができます。