「もういい」は「物事の中断や終了を宣言する言葉」です。諦めの気持ちを含みネガティブな意味で使用されることが多いですが、ポジティブな意味で使用されることもあります。今回は「もういい」の意味や使い方を解説します。
「もういい」とは「物事の中断や終了を宣言する言葉」です。 この場合の「もう」は「出来事を完了したものとする気持ち」を表しています。 「いい」は、「必要ない」という意味です。 「いい」という言葉自体は、喜びや満足をもたらす状態であることを言い表すポジティブな言葉ですが、「もういい」は「諦め」といったネガティブな意味になります。
「もういいよ」は、「それ以上はやらないで」「それ以上はいらない」という意味で使用されます。 例えばミスをした人に対して「もういいよ」と上司が言った場合、「あなたには任せられないからもうやらないで」という意味です。 これは、ミスをしてしまった新人に対して「これ以上この人に任せても仕方ない」諦めの気持ちが含まれます。 「もういいよ」はネガティブな意味だけではなくポジティブな意味でも使用されます。 例えば、かくれんぼをしたときの「もういいかい?」「もういいよ」も「もう来てもいいよ」「もう準備はいいよ」という意味なのでネガティブな意味ではありません。 また、どちらの意味でも受け取れる場合もあります。 例えば、謝罪をされたときに、謝罪されている側が言う「もういいよ」は「もう許しているから謝らなくていいよ」というポジティブな意味である場合と、「諦め」の気持ちを含むネガティブな意味である場合があります。
「もういいや」は、「これ以上やっても仕方ない」「これ以上言っても仕方ない」という諦めの意味で使用されます。 投げやりな気持ちになってしまったときに「もういいや」と使用することが多いです。 例えば、試験の合格に向けて日々勉強してきたのに「もういいや」と諦めてしまったりするときです。 「どうでもよい」という心情で使用されるのが「もういいや」です。
「もういいわ」は、「もういい」に終助詞「わ」をつけた表現です。 「〜わ」は主に女性が用いて軽い決意や主張を表しますが、男性が使うことも多くあります。 「もういいわ」も、諦めたときや投げやりな気持ちになったときに使用されます。
「もういいです」は、「もういい」に丁寧語の「です」をつけた丁寧語です。 「丁寧語」は「です」「ます」のように物事を丁寧にいうことで相手に敬意を示す敬語表現ですが、敬意を示す相手の有無を問わず幅広く使用することができます。 「もういい」と言うよりも丁寧な表現になりますが、意味合いは変わりません。 また喧嘩をしているときなど、あえて「もういいです」と丁寧な言い回しにすることにより相手と距離をとろうとしているということもあります。
「もういいかな」は、「もういい」に終助詞の「か」+終助詞の「な」をつけた言葉です。 「かな」は、自問を表します。 例えば、「ここまで頑張ったんだからもういいかな」というように、自分に問いかける意味で使用されます。 「もういいかな?」と相手に問う場合もあります。 「もう十分だ」というポジティブな意味で使われる場合と、「もうあきらめよう」というネガティブな意味で使用される場合があります。
「もういいかい」は「もういい」に終助詞「か」+終助詞の「い」をつけた言葉です。 この場合の「かい」は、親しみをもって疑問・反問・確かめの意を表します。 「もういい?」と相手に問うときに使用されます。 例えば隠れんぼのときの「もういいかい」は、「もう準備はいい?」「もう行ってもいい?」と隠れている人に問う意味です。
「もういい疲れた」は、「疲れているのでこの状態を終わらせたい」といった場合に使用されます。 例えば、恋人と喧嘩をしているときなどです。 思いが通じ合わず、言い合っていることに疲れてしまったときに「もういい疲れた」といいます。 この場合の「もういい疲れた」は、「これ以上話しても意味がない」という諦めの意味で使用されています。
「もういい休め」は、「もうやめて休みなさい」という意味です。 例えば、上司が残業続きであきらかに疲労している部下に対して言った場合、「もういい休め」「もう仕事はいいから休みなさい」と気遣いの意味で使用されます。 ただし、能力不足で必要以上に時間をかけて作業をしている人に対して諦めや呆れているという意味で「もういい休め」という場合もあります。 自分が相手に「もういい休め」と言う場合は、ネガティブな意味で言っていると捉えられないように気をつけましょう。
「もういいでしょ」は「もういい」に「でしょ」をつけた言葉です。 「でしょ」は「でしょう」を省略したもので、推量・疑問を意味する「だろう」の丁寧語です。 「もういいでしょ」は、「もういいよね?」という推量・疑問を意味します。 諦めの意味で使用する場合と、「もう十分だよね」というポジティブな意味で使用する場合があります。
諦める時の「もういいわ」の英語は「Forget it.(忘れて)」が一番近いです。 「Whatever.」も使えます。 これは「もうなんでもいいや」というニュアンスです。 「whatever」と「forget it」を併用することも可能です。
「もうやめなさい」と十分であることを怒って伝える時に使えるのは「That's enough.」です。 例えば、兄弟が喧嘩をしていて、お母さんが「That's enough!」と怒ったりします。