「なんですが」は、「なん」と「ですが」という二つの言葉でできていて、逆説を述べるときや控えめの反論、控えめな要求をするときなどに使用されます。今回は「なんですが」の意味と使い方、言い換え表現や類語、英語表現を紹介します。
「なんですが」は、「なん」と「ですが」という二つの言葉でできています。 「なん(なに)」は、物事をどんなものだとはっきり定めずに指し、また名がわからない物事を指すのに用いる言葉です。 「ですが」は、助動詞の「です」に、助詞「が」がついた表現です。 「だが」という接続詞を丁寧語に言い換えたものが「ですが」という言葉になります。 前に述べたことと相反することをいうときに使用する言葉で、前に述べたことに対して後に述べることが矛盾・対立する要素があることを意味します。 したがって、「なんですが」は「だけど」と同じく逆接で使用することができます。 例えば「明日は休みなんですが、家で残っている仕事をしなければいけない」というような使い方です。 「なんですが」は、「なのですが」という口語の撥音便化した言葉です。 かなりカジュアルな印象があるため目上の人に対してやフォーマルな場面での使用はふさわしくありません。
例文
「なんですが」は、「言うべきじゃないと思う、だけど言う」という逆説の一部です。 控えめの反論として使用することができます。 例えば、「そりゃそうなんですが」は「言っていることは合っているんだけど...」と反論をする意味で使用されるフレーズです。 また、「こう言っちゃなんですが」は、「言うのは気がひけるけど言います」「失礼かもしれないけど言わせてもらう」という反論するときの前置きで使用されます。
例文
「なんですが」は、控えめの要求・提示で使用することもできます。 例えば「明日のデートなんですが、浅草駅に12時待ち合わせで良いですか?」といったような使い方です。 意味的には順接になりますが、「明日のデートの待ち合わせは12時浅草でいいですか?」と言うよりも、「デートなんですが」とすることによって、控えめにやわらかく「〜でどう?」と提示することができます。 その他にも「○○がほしい」というように要求をする場面で、「なんですが」を使用することで「○○がほしい!だけど買ってくれないよね?」と控えめな気持ちを添えることができます。
例文
「なんですが」の漢字表記は「難ですが」ではありません。 上述しているように「なんですが」は「なに」と「ですが」を組み合わせた言葉です。 「難しい」という意味ではないので「難」という漢字を使用するのは誤用です。
「なんですが」の正しい漢字表記は「何ですが」です。 「なに」+「ですが」なので「何ですが」が正しい漢字表記となります。
上述したように、「ですが」は「だが」という接続詞を丁寧に言い換えたものです。 「ですが」は、否定・逆説を表す接続詞として使用される言葉で、文章内で「〜は、〜ですが〜…」というような形で使用されます。 「です」を使用した丁寧語であるため、「大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます」というようなお願いをするときのかしこまった表現としても使用することができます。
「ですけれど」は、丁寧語の「です」に助詞「けれど」をつけた言葉です。 「ですけれど」は、前に述べた事柄に対して反対・対立した関係にあることを示します。 また、「そのことなんですけれど...」というように補足的説明をする場面でも使用されます。 「ですけれど」は丁寧語の「です」を使用しているため、敬語表現であるといえます。
「なんだけど」は、「なん」と「だけど」という二つの言葉でできています。 「なんですが」の「ですが」を「だけど」にすると「なんだけど」になります。 意味や使い方は、「なんだけど」と同義です。 「なんだけど」も「なのだけれど」という口語が撥音便化した言葉で、かなりカジュアルな印象があるため、目上の人に対してやフォーマルな場面での使用はふさわしくありません。
「なのだが」は、「なのだ」+「が」で成り立っています。 「なのだ」は、断定を表す助動詞「だ」の連体形「な」+助詞「の」+断定を表す助動詞「だ」でできている言葉です。 さらに逆説の接続詞「が」をつけると「なのだが」になります。 「が」は、「だが」「しかし」「けれども」という意味です。 前に述べた事柄に対して、後に述べる事柄が反対・対立の関係にあることを示します。
「であるが」は、「である」+「が」をつけた言葉です。 「である」は、断定の意を表す言葉です。 「が」は、「だが」「しかし」「けれども」という意味です。 前に述べた事柄に対して、後に述べる事柄が反対・対立の関係にあることを示します。
「なんですが」は、大阪弁で「なんやけど」もしくは「やねんけど」といいます。 例えば「こう言ってはなんですが」は「こう言うたらなんやけど」「こう言うたらなんやねんけど」となります。 ちなみに「〜なんや」「〜やけど」では、「やねん」のほうが思いが強いです。
「なんですが」は、博多弁では「なんちゃけど」といいます。 博多弁では「ですが」は「〜っちゃけど」となります。