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「念頭に置く」の意味とビジネスでの使い方、類語、英語を例文つきで解説

「念頭に置く」の意味は「いつも覚えていてる。常に心がける」です。ビジネスシーンでは決意表明をする時や目下の人間に注意をする場面で使用します。

「念頭に置く」とは

「念頭に置く」の意味は「いつも覚えている」

「念頭に置く」の意味は「いつも覚えている」です。 「念頭」は「心。心の中。胸のうち」という意味です。 この場合の「置く」は「あることを心にとめる」という意味で使用されています。 覚えてるだけではなく、いつも意識することを「念頭に置く」といいます。 打ち消しの「ない」をつけて「念頭に置かない」とすると、「覚えて置かない」という意味になります。 「念頭を置く」は間違いなので注意しましょう。 「頭に置く」という表現もあります。 「〜であることを頭に置く」というように、「覚えておく」「意識しておく」という意味で使用される言葉です。

「常に念頭に置く」は二重表現で誤り

「二重表現」とは、「頭痛が痛い」のように、同じ意味の言葉を重ねて使用してしまうことです。 「二重表現」は「重言(じゅうげん)」ともいわれます。 「念頭に置く」で、すでに「いつも」という意味があるため、「常に」と一緒に使用してしまうと二重表現になってしまいます。注意しましょう。 ちなみに「いつも念頭におく」も二重表現なので誤りです。

「念頭に置かせていただきます」は間違った敬語

「念頭に置きます」「念頭に置きなさい」で丁寧語になります。 「念頭に置きます」は、「念頭に置く」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「念頭に置きなさい」の「なさい」は、「まさりませ」が変化した「なさいませ」の略です。 そうすることをやわらかく指示するときに使用される表現です。 謙譲語「念頭に置かせていただきます」は慇懃無礼にあたるため誤用です。 「慇懃無礼」とは丁寧すぎて不自然であるということです。 「させていただく」は、「させてもらう」の謙譲語です。 「させていただく」は、

  • 相手からの許可が必要なとき
  • 自分に恩恵をうけるとき

に使用することができます。 許可が必要というのは、許可を得てからではないと使えないという意味ではありません。 相手からの許可が必要なことを自分がするときに使用するということです。 例えば、「日程を変更させていただく」などが正しい使い方です。 「念頭に置く」のに許可はいらないため、「念頭を置かせていただきます」は意味的にも不自然であるといえます。 そもそも「念頭に置く」は自分自身ですることなので、動作の対象がないため、謙譲語自体がありません。敬語表現にしたいときは、「念頭に置きます」と丁寧語を使い、話し相手に対して敬意を示せばよいです。

「念頭に置く」のビジネスでの使い方と例文

自分の決意を表明する

ビジネスシーンで「念頭に置く」は決意表明をする場面で使用されます。 目標を述べたり、自分が注意すべきポイントを上司や取引先など目上の人に宣言するときに使います。 例えば「〇〇さまの助言を念頭に置き、精進いたします」などと使います。

例文

  • 命は両親からもらった大切なものであることを念頭に置いて生きていきます。
  • 今日教えていただいたことを念頭に置いて受験勉強に励みたいと思います。
  • いつでもファンの皆様が応援してくれていることを念頭に置いて、努力していきます。

部下を注意する

「〜であること念頭に置いてください」「○○ということを念頭に置いてほしい」というように、注意喚起をするときに使用することもできます。 ただし「念頭に置いてください」「念頭に置いてほしい」と注意できるのは自分と同等の立場の人間もしくは部下など目下の人間に対してのみです。 目上の人に対して「念頭に置いてください」と伝えるの押し付けがましく失礼になります。

例文

  • いつ事故が起きてもおかしくないということを念頭に置いて作業をしてください。
  • 制服を着ているときは会社の看板を背負っているということを念頭において行動するように。

「念頭に置く」以外の「念頭」の使い方

「念頭に入れる」は誤用

「念頭に入れる」は誤用なので注意しましょう。 「念頭に入れる」は「考えに入れる」「頭に入れる」「考慮に入れる」と混同されて誤用されるようになったのではないかと言われています。 「考えに入れる」「頭に入れる」の「入れる」は「範囲内のこととして、検討の対象に加える」という意味で使用されています。 「頭に入れる」は「記憶する」という意味で、「入れる」は「知覚として取りいれる」という意味で使用されています。 「念頭に入れる」でも意味が通じるような気がしてしまいますが、「念頭に入れる」という言葉はありません。

「念頭に掛ける」は「念頭に置く」と同義

「念頭に掛ける」の「掛ける」は「気に掛ける」と同じで「常に心にとめて、忘れたりすることがない」という意味で使用されています したがって、「念頭に掛ける」は「常に心に留めておく」という意味になります。 「念頭に置く」と同義ですが、「念頭に置く」を使用するほうが一般的です。

「念頭から去らない」は「忘れられない」

「念頭から去らない」の「去らない」は「忘れない」「心に残る」という意味です。 「念頭から去らない」で、「心から消えず忘れることができない」という意味になります。 例えば、「彼女の言葉が念頭から去らない」というような使い方をすることができます。 「念頭を去らない」ということもできます。

「念頭に浮かぶ」は「思い出す」

「念頭に浮かぶ」の「浮かぶ」は、「考えなどが意識の中にのぼる」という意味です。 「念頭に浮かぶ」で「思い出す」という意味になります。 例えば、「彼女の言葉が念頭に浮かぶ」というような使い方をします。

「念頭にない」は「考えていない」

「念頭にない」は「特にそのことを考えていない」という意味です。 そうなることを想定していなかったり、心に留めていないことを「念頭にない」といいます。 例えば、「〜のことなど念頭にない」「念頭になかった」というような使い方をします。

「念頭に置く」の類語

心にかける(心がける)・肝に銘じる

決意表明で使う「念頭に置く」の類語・言い換えは

  • 肝に銘じる
  • 心に留める
  • 踏まえる
  • 心に掛ける
  • 顧慮する

などがあります。

お含みおきください

目上の人に覚えていてほしいという場合の言い換えは

  • お含みおきください
  • お見知りおきください
  • ご了承ください
  • ご留意ください

などがあります。 「お含みおき」は「〜であることを覚えておいてほしい」という意味の敬語表現なので、ビジネスシーンなどで言い換えるのであれば「お含みおきください」が一番適しています。

敬語「お含みおきください」の意味と使い方!メールの例文、類語、英語も紹介

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「念頭に置く」の英語

keep in mind

「念頭に置く」の英語は「keep in mind」です。 「keep ... in mind」「keep in mind that ...」のどちらの形でも使うことができます。

You have to submit your document by noon tomorrow and keep that in mind.

明日の正午までに資料を提出しないとことを念頭に置いておいてください。

Please keep in mind that you can't come back here if you make another mistake.

もう一度間違えたら、ここには戻ってこれないことを念頭に置いておきなさい。

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