ビジネスシーンでもよく使われる「お含みおきください」をご存知ですか?とても丁寧な言葉です。今回は「お含みおきください」の意味、敬語表現、ビジネスでの使い方を例文付きで解説します。また類語や英語表現も紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
「お含みおきください」は「おふくみおきください」と読みます。 また、「お含み置きください」と「置」の漢字を使うのは間違いですので注意しましょう。
「お含みおきください」は、「(相手に対して)事情をよく理解してください」「心に留めておいてください」とった意味があります。 「お含みおきください」はお願いをするときによく使われる表現です。
「お含みおきください」は「含みおく」に尊敬語「お」+丁寧語「ください」で成り立っているので、目上の相手に対して使うことができる言葉です。 「含みおく」は「心に留めておく」「ある状況を考慮に入れる」「念頭におく」という意味です。 「含みおく」のみであれば「自身の内に秘めておく」という意味合いになり、自分自身に対しても使うことができます。 これが「お含みおきください」となると、「心に留めておいてください」といった意味合いで、相手に念を押すようなニュアンスが含まれます。
「お含みおきください」は主に書き言葉となっています。 そのため、手紙などのビジネス文書やビジネスメールで用いられています。 会話などではあまり使わないようにしましょう。
「お含みおきください」は尊敬語でありとても丁寧な表現であるため、目上の人相手や社外へのビジネスメールにも用いることができます。 そのため、同僚や部下などに使うと不自然になるので注意しましょう。
例文
「お含みおきください」でも尊敬語であり丁寧な表現ですが、相当な敬意を払うべき相手の際は「お含みおきくださいようお願い申し上げます」とさらに丁寧な表現を使うことができます。 「お願い申し上げます」で、謙譲語であり自分自身を謙ることができるため最大限に敬意を払うことができます。 その他、「お含みおきくださると光栄です」「お含みいただけると幸いです」なども丁寧な表現となります。
○「お含みおきください」を用いた例文
▶「お含みおきください」・・・ 意味は「心に留めておいてください」 尊敬語であり目上の人に使うことができる お願いをするときに使われる表現 ▶「ご承知おきください」・・・ 意味は「あらかじめ知っておいてください、ご理解ください」 「知っておいてください」は上から目線な印象を与えてしまうことがある そのため、目上の人には使わないほうが無難
「お含みおきください」も「ご承知おきください」も、「理解してください」といった意味合いのある言葉です。 似た意味を持ちますが、大きな違いは「お含みおきください」は目上の人に使えるのに対し「ご承知おきください」は目上の人に使えない点です。 「ご承知おきください」には一方的で上から目線である印象を与えてしまうことと、「承」という字が「承る」という言葉から謙譲語のイメージが強いことから、目上の人に対して使うと失礼にあたるとされています。 文法的な間違いはありませんが、相手を不快な気持ちにさせてしまわないよう言葉の使い方には十分に注意しましょう。
「ご承知おきください」の意味は、「あらかじめ知っておいてください・ご理解ください」となります。 「承知」には、「事情などを知ること」「依頼を聞き入れること」「相手の事情を理解して許すこと」といった意味があります。 「ご承知おきください」の「〜ておく」という表現は、「前もって何かをする」「そのままにする」という意味があります。 「ご〜ください」の「ご」は尊敬を表す接頭語で、「ください」は丁寧語になります。 「承知」は謙譲語の「承る」という文字が含まれているため、謙譲語だと思いがちですが実は謙譲語ではありません。 「ご承知おきください」は「(これから行うことについて予め)承諾しておいてください・ご理解ください・そのための準備をしておいてください」といった意味合いになります。
「ご承知おきください」は、「(その事を)知っておいてほしいとお願いをする場合」と「(その事を)すでに知っているということを示す場合」に使います。 「ご承知おきください」は文法的に正しい表現であり、尊敬語になります。 しかし「ご承知おきください」は「知っておいてください」といった意味です。 目上の人に対して、目下の者が「知っておいて」というのは上から一方的に物を決めるような響きがあり、上から目線な印象を与えてしまう可能性があります。 したがって、目上の人へ使うのは避けた方が無難と考えられます。 また「承知」に謙譲語「承る」の「承」が含まれているため、「承知」は謙譲のイメージが強い言葉になってしまいます。 謙譲語は自分を謙って相手に敬意を示す敬語なので、相手の動作に対して使うのは誤りで失礼にあたります。 したがって、”語感” という観点から目上の人にはなるべく使わない方がよいと考えられています。
「ご了承願います」は自分が行ったことに対して、「納得してください」「受け入れてください」という気持ちが含まれた表現です。 「ご了承願います」は、尊敬語の「ご」+「承諾する」を意味する「了承」+「願う」の丁寧語「願います」が組み合わさった表現です。 「ご了承願います」は「どうかご理解いただき、受け入れてくださいますようお願いします」といったように、相手に了解・納得を得るために用いられる丁寧な言い回しです。 「前もってこちらの主張を受け入れてもらいたい、何かあっても悪く思わないでほしい」という意味が含まれます。 「ご了承願います」はまだ始まっていないことや、これから始める段階のことに対して許しをもらうときに使う言葉です。 「ご了承願います」は、口語だけではなく、メールやビジネス文書などでもよく使われます。 ただ「ご了承ください」も尊敬語となりますが、単体で使うと一方的に相手に承諾することを強要するようなニュアンスになる可能性があります。 目上の相手や取引先などに対して使う場合は、「ご了承願います」「ご了承のほどお願い申し上げます」といった丁寧な表現が適しています。
○「ご了承ください」の例文
「何卒(なにとぞ)」は、「どうにかして」「なんとかして」という意味合いで、相手に対して強く願う気持ちを表しています。「何卒」は、「どうか」「どうぞ」よりも改まった言葉です。 時代劇などで、「何卒!」と目上の人物に懇願しているシーンがありますが、現在では「何卒」単体ではあまり使われなく、後に「よろしくお願いいたします」などといった言葉を付けます。 「何卒」は、公式の場における挨拶やスピーチ、手紙やビジネス文書でよく用いられます。 「お願いします」と思う気持ちをより強く表したい時に、「何卒お願いいたします」と使うことができます。「何卒お願いいたします」は、丁寧な表現のため目上の相手に対して使うことができ、お願いや依頼をした後の締めの言葉として使うことがほとんどです。 ただ「どうか何卒お願いいたします」「どうぞ何卒お願いいたします」などと、「何卒」と「どうぞ」「どうか」は一緒に用いることはできないので気を付けましょう。
○「何卒お願いいたします」の例文
「容赦(ようしゃ)」は「許すこと」「許容する」という意味になります。 「ご容赦ください」といった場合は、「過失に対して大目に見て欲しい」という意味になります。 「ご容赦ください」は、自分の失態に対して相手に「どうか許してください」というお願いを込めて使います。 「ご容赦」は「ご了承」とよく似た言葉ですが、意味は大きく違います。 「ご了承」は「こちらの言い分について理解して受け入れてください」という意味に対して、 「ご容赦」は「こちらの過失について強く反省しているので許してください」という意味になります。 また「ご容赦」には、相手の理解を求めると共に謝罪のニュアンスも含まれます。
○「ご容赦ください」を用いた例文
「お含みおきください」の英語表現を見ていきましょう。 ビジネスシーンなどでフォーマルに「知っておいてください」と言うときに最適な表現は、
などになります。 この「note」は学習ノートのノートではなく、動詞で「...を覚えておく」を意味します。 その他にも、もう少しカジュアルな表現ですと、
日常会話で使う程カジュアルな表現だと、
などになります。
Please note that the price may change in the future.
今後価格は変更される場合がありますのでお含みください。
Please keep in mind that we have a meeting tomorrow morning and the CEO is coming in.
明日の午前中会議があり社長も来るので覚えておいてください。
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「お含みおきください」について理解出来たでしょうか? ✔「お含みおきください」の意味は「心に留めておいてください」 ✔「お含みおきください」は尊敬語のため目上の人に使える ✔「お含みおきください」は書き言葉であり、ビジネスメールやビジネス文書で用いられる
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