「二面性(にめんせい)」の意味は2つの矛盾する要素のある性格です。「二面性がある」「二面性をもつ」などの言い回しで、主に人に対して使います。「裏のある」「別の顔を持つ」「腹黒い」というネガティブな意味合いで使います。
「二面性」は「にめんせい」と読みます。 「二面性」の意味は「2つの矛盾する要素のある性格」です。 例えば、「優しいけれど、怒ると怖い」というような、そのものが内包する二つの対立・矛盾するような要素や対照的な性格のことをいいます。 人の性質や性格に対して使用する場合は、「表面的には分からない特徴がある」という意味にもなります。
性格と書いてあるので、人にしか使わないと思う人が多いかもしれませんが、人以外にも使用することができます。 そもそも「性格」という言葉は広く事物の性質・傾向を指す言葉であり、人以外にも使うことができます。 「二面性」を事物に対して使用する場合は、「正反対の性質や特徴がある」という意味です。
「二面性」は、「二面性の(が)ある」「二面性を持つ」という形で使用します。 例えば、職場では物静かでほとんど口を開くことなく真面目な印象が強いが、プライベートになるとよく喋り陽気な一面があるというような人を「二面性がある」「二面性を持つ」などといいます。
例文
「二面性」には魅力と怖さの両方があります。 「二面性」の長所といえる点は、
などです。 「二面性がある」ということは、様々な状況や人に臨機応変に対応できるということです。 社会で生きていく上で様々な状況に対応できるのは長所になります。 また、「こんな一面もあったのか」という不思議な魅力で、好印象を与えるということもあります。 「二面性」の短所は、
という点です。 良い意味で「こんな一面もあったのか」と思えれば長所になりますが、「裏の顔がある」などと捉えられてしまうと、不信感や恐怖心に繋がってしまいます。
二面性がある人を「二重人格」と言い表す人もいますが、「二面性」と「二重人格」は違うものです。 「二重人格」は「同一人の中に異なった複数の人格が存在すること」です。 全く異なった性格の人格があることを言い表す言葉です。 「二面性」は「2つの矛盾する要素のある性格」を言い表す言葉であり、あくまでも人格は一つです。 二面性があるからこそ、別の人格があるように感じ「二重人格」と言い表すことがあるのだと思いますが、厳密には意味の異なる言葉なので混合しないように注意しましょう。
「二面性」は、「裏のある」「別の顔を持つ」「腹黒い」と言い換えることができます。 「裏のある」は、「表向きの態度とは異なる心中を持っていること」です。 「裏表のある」ともいいます。 「別の顔を持つ」は、「二つの異なる顔を持っている」という意味です。 例えば、「俳優であり、歌手である」という特徴がある場合に、「別の顔を持つ」と言い表すことができます。 「腹黒い」の意味は「心の中でひそかに悪だくみを抱くような人」です。 口ではきれいごとを並べていながら、心の中では相手を陥れるようなことを考えているというような信用のならない性格を言い表します。 ただし、二面性とは異なりネガティブな意味でしか使用されない言葉なので注意しましょう。
四字熟語の「八方美人」も「二面性」の類語になります。 「八方美人」は「どこから見ても美しい人」という意味で、転じて「誰とでも愛想よく付き合う人」という意味で使用される四字熟語です。 「八方」は「あらゆる角度」、「美人」は「顔かたちの美しい女性」という意味があります。 誰とでもうまく付き合う者に対して、非難的な意味で用いられます。
「二心を抱く」は「ふたごころをいだく」と読みます。 「二心を抱く」の意味は「うらぎる」です。 味方や主君を裏切ろうとすることを言い表します。 また、「二人の人に対して同時に心を寄せる」という意味で使用されることもあります。
「二面性」の英語は「two-faced」です。 「2つの顔をもった」
She is a little two-faced, so I can't trust her.
彼女は二面性があるので、信じることができない。
「double-sided」は「両面」という意味で、「二面性」というニュアンスでは使いません。 「double-sided tape」で「両面テープ」という意味になります。 「二面」を直訳すると「two sides」ですよね。 この表現は物事や状況に対してよく使います。 「two sides」は下記のように使います。
Everything has two sides.
すべてのことには良い面と悪い面がある。
二面性がある人は、人によって態度を変える人が多いです。 誰に対しても気に入られようとしているので、相手に合わせて人格を変えているということも少なくありません。 誰にでも相手の機嫌を損なわないように、相手の顔色を伺ったり気を使うことはあると思いますが、二面性のある人の場合、それが露骨だったり極端過ぎるということがあります。 人によって見せている顔が異なるため二面性のある人の話をしたときに「えっ、そんな人じゃなくない?」と意見が食い違うことも珍しくありません。 特に異性の前では全く違う一面を見せているというタイプが多いというのも特徴です。
上述しているように、誰からも好かれるように人に合わせて態度を変えていたりするので基本的に「いい人だよね」と言われることが多いです。 しかし、よくよくみていると「八方美人なんだな」と思われてしまうので「表の顔に騙されないほうがいいよ」なんて言われていることも少なくないでしょう。
二面性がある人は、オンとオフがはっきりしているという人が多いです。 例えば、仕事ではきちっとしているのにプライベートでは干物のようなだらしない生活をしている...など普段の様子からは想像もつかないような一面を持っていたりします。 家族や心を許した相手にだけ見せるもう一人の自分がいるのです。 恋愛面ではそのギャップにキュンとする人もいますし、「そのギャップが怖い」と言われてしまうこともあります。
二面性のある人は、大抵「本当の自分を知られたくない」と思っています。 自分に自信がなくて、本当の自分を知られることで嫌われるのが怖いと思っていたりします。 例えば、普段おとなしくて真面目に見えていても、実はお酒が大好きで仕事終わりに一人に飲みに行っている..など、周りからしたらどうってことなくても本人は「こんな自分を知ったら引かれるのでは」と思っているのです。 本当の自分を隠そうとするから、作っている自分と本当の自分で二面性が生まれてしまうのでしょう。
損得勘定があるからこそ、二面性があるということもあります。 例えば、上司など目上の人の前と普段の感じが違うという二面性は、目上の人には気に入られたほうが自分にとって得だという損得勘定があるからです。 頭の回転が早く、瞬時に判断しているということも少なくありません。
二面性がある自分を自覚して、「そんな自分が好き」と思っている人もいるでしょう。 キャラをうまく使い分けて「今日もうまく演じれたなあ」なんて、喜びを感じているということもあります。 本当の自分は全然違うのに周りの人が「明るい人だよね」「クールだよね」なんて言われることを面白がっているのです。
「二面性」の意味は「2つの矛盾する要素のある性格」です。 例えば、「優しいけれど、怒ると怖い」というような、そのものが内包する二つの対立・矛盾するような要素や対照的な性格のことをいいます。 人の性質や性格に対して使用する場合は、「表面的には分からない特徴がある」という意味にもなります。 言い換えは「裏のある」「別の顔を持つ」「腹黒い」など。