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「お暇する」とは?意味と使い方、敬語の種類、類語、英語を例文つきで解説

「お暇する(おいとまする)」とは「目上の人の所から去る」という意味です。「暇(いとま)」は「別れること」「時間のゆとり」「休暇」「解雇」など複数の意味がある名詞で、これを動詞化したものが「いとまする」です。それに謙譲を表す接頭語「お」が付いて「お暇する」となりました。目上の人から辞去する時の挨拶で使います。

「お暇する」とは

「お暇する」の意味は「他人の所から去る」

「お暇する」は「おいとまする」と読みます。 「暇」の漢字は「遑」と書くこともありますが、この漢字はほとんど使用されません。 「暇(いとま)」とは「別れること。辞去」を意味します。 これを動詞化した語が「いとまする」で、「他人の所から去る」という意味になります。 それに敬語の接頭語「お」が付いて、「お暇する」です。

「暇乞い(いとまごい)」は「別れを告げる」

「暇乞い」は「いとまごい」と読みます。 「暇乞い」の意味は

  1. 別れを告げること。また、別れの挨拶
  2. ひまをくれるように頼むこと

です。 一つ目の意味では、引っ越すときに別れの挨拶をしにいくことを「暇乞いにあがる」などといいます。 二つ目の意味では「暇乞いを申し出る」というような使い方をします。 「暇乞いを申し出る」は「お休みをください」と依頼をするという意味になります。

「お暇する」の敬語と使い方

「お暇する」は謙譲語

辞去する自分をへりくだって相手に敬意を示す表現なので「暇」についている敬語の接頭語「お」は謙譲語です。 「お暇する」は目上の人の自宅や会社から辞去する時に使います。 自宅や自社から退去する時に使うのは誤りです。 自宅や自社から退去する時に使ってしまうと、自宅や自社に敬意を示していることになってしまいます。 「お暇する」を目上の人の行動に対して使う場合は、尊敬語になります。

「お暇します」は別れの挨拶

目上の人の会社や自宅から、訪問者が辞去するときに

  • 「お暇します」
  • 「お暇いたします」
  • 「お暇してもよろしいでしょうか」
  • 「お暇させていただきます」

などの言い回しで使用します。 「お暇します」より「お暇いたします」の方が丁寧な敬語です。 「いたす」は丁重語といって、自分をへりくだり、動作の対象ではなく話している相手に敬意を示すものです。 丁重語は自分をへりくだる点では謙譲語と共通なので、「謙譲語II」といわれる場合もあります。 厳密には違う種類の敬語なので、「お暇いたします」としても二重敬語ではありません。 「お暇させていただきます」だとさらに丁寧です。 「させていただく」は、相手から許可が必要で自分に恩恵がある場合に使う敬語です。 「お暇させていただきます」は敬語的にも意味的にも正しい使い方です。 黙って勝手に帰宅するのはマズいですし(許可が必要)、自分は何か予定があるから帰りたい(恩恵がある)からです。 「すぐにお暇しますので・・・」などと訪問した際に謙遜して使う場合もあります。

「お暇する」の類語

失礼します

「失礼」には、礼儀に欠ける振る舞いをするこという意味です。 「失礼します」で「立ち去ることを丁寧に言う語」になります。 目上の人がいる場で相手より先に立ち去ることを許してくださいという意味で「お先に失礼します」などと使用されます。 「失礼します」も、立ち去るときの挨拶として使用されるので「御暇する」の類語であるといえます。 「失礼します」は、「失礼いたします」とするとより丁寧になります。 「失礼いたします」は、「失礼」に「する」の丁重語「いたす」と丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語表現です。 自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す謙譲語を同じ種類の敬語で「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 ちなみに「失礼しました」「失礼いたしました」は謝罪の時に使う言葉であるため「お暇する」の類語にはなりません。

「お先に失礼します」の意味と敬語、類語「お疲れ様です」との使い分けを解説

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上がらせていただきます

「上がる」には、「仕事が終わる」という意味があります。 「上がらせていただきます」で、「先に帰らせてもらいます」という挨拶として使用されます。 「上がらせていただきます」は「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」を使用した敬語表現です。 目上の人に使用しても問題ありませんが、ややカジュアルな印象があり、ビジネスシーンなどかしこまった場面では「上がらせていただきます」より「お先に失礼します」のほうが適しています。

「暇(いとま)」の他の意味

時間のゆとり

「暇」を「ひま」と読んだ時の意味が「用事のないとき。時間にゆとりがあるとき」ですが、「いとま」にもこの意味があります。 本来「暇」は「物事と物事の間にできる空白の部分」を表す言葉でした。 「仕事と仕事の間の何もしないとき、絶え間」から転じて「時間のゆとり」を表すようになりました。 ある物事をするために必要な時間のゆとりがある、あることをするためにあける時間のことを「暇」といいます。 「枚挙に暇がない」の「暇」も「時間のゆとり」という意味で使われています。 「枚挙に暇がない」とは、一つ一つ数え上げる時間的余裕がないほど数量が多いことを示す慣用句です。

「枚挙にいとまがない」の意味や使い方、語源由来、漢字、類語を例文付きで解説

WURK

休暇

「暇」には「休暇」という意味もあります。 上述した「時間のゆとり」から転じて、仕事や任務、地位から離れて休暇をとることを「暇」というようになりました。 源氏物語でも「まかなんでとし給ふを、暇さらにゆさせ給はず暇をねがう」という一文があり、古くから「休暇」という意味で使用されていたことがわかります。 現代でも休暇をもらうことを「暇をもらう」などといいます。 「お暇を頂く」とした場合の「お」は丁寧語(美化語)です。 「美化語」は敬意を示す相手の有無を問わず使用することができ、主に「お天気」「お菓子」のように物を上品にいう時に使います。

解雇

「暇」には「解雇」「離縁」という意味もあります。 古い言い方で、奉公を免じて去らせることを「暇がでる」などといっていました。 現代では「解雇」の意味で「暇」が使われることはありません。

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